ストライクゾーンは「打者の肩の上部とユニフォームのズボンの上部との中間点に引いた水平ラインを上限とし、ひざ頭の下部のラインを下限とする本塁上の空間をいう」(野球規則2.74)
先日の新聞にすらっと「MLBストライクゾーンを狭めることを検討」という記事がありました。
これはMLBのロブ・マンフレッド・コミッショナーが「振り返るとストライクゾーンが下に動いてきたという事実が関心を高めていると思う」と投高打低の傾向を改善するため、現在、ひざ頭の下部に設定されている下限をひざ頭の上部に上げるかどうかの研究を進めていると話したことがニュースになりました。
早ければ今シーズンから導入される可能性があり、労使交渉で話し合われることになっても来年から導入される可能性があるそうです。
MLBでは2009年以降ストライクゾーンが拡大したことによって、ピッチャーが有利となって、MLBの平均防御率は最近五年間で4度も3点台を記録し、昨年は無安打無得点試合が3度も達成されています。一方、平均打率は1996年の.270から2010年以降は.250台にまで下がっています。得点は2014年には一試合平均4.07点で、1981年以降では最小、戦後でも13番目に少ない数字だったそうです。また、2009年では0.28平方メートルだったストライクゾーンが、2015年には0.31平方メートルにまで拡大され、低目のボールがストライクに含められるようになったそうです。
元々、高めのボールはほとんどストライクとならず、低めはなりやすく、また、内角にもほとんどストライクとはならず、外角は比較的ストライクになりやすくなるという傾向があり、ストライクゾーンが下と外に広がっていく傾向になったと思われ、これによりピッチャーは低目と外角で勝負することが多くなり、バッター受難の時代が幕を開けたと思われます。MLBでは得点不足の理由の2割から4割がストライクゾーンに起因するという分析をしているそうです。
ストライクゾーンが広がることで、試合時間が短くなった(http://blog.goo.ne.jp/full-count/e/a51d4a3447d15efce9b066e79970f697)ということを書きましたが、ストライクゾーンが狭まって打撃戦が増えれば、試合時間は確実に長くなると思われます。事実、「ストライクゾーン改正により攻撃が間違いなくスパークすると誰もが認めている。だが、攻撃力が高まれば、それは試合時間が長くなることと同義だ。新コミッショナー、ロブ・マンフレッドの最優先事項の1つに試合時間短縮がある。この2つのバランスは非常に難しい」とMLBでは分析しています。
低めへの投球が今までストライクだったものがボールになれば、日本人ピッチャーのピッチングにも影響があることでしょう。る田中将大選手(ニューヨーク・ヤンキース)、岩隈久志選手(シアトル・マリナーズ)、上原浩治選手、田澤純一選手(ボストン・レッドソックス)らはストレートだけでなく、変化球を低めに制球できることが強みで、評価されています。
ひざ頭の下から上へ約5cmの違いは、それほどの対策を考えるほどではないと思いますがストライクだったのがボール、ボールだったのがストライクに変わるのですからメンタル的にピッチャーにはバッターには有利に動くかもしれません。
MLBに導入されれば、一年後にはNPBにも導入されることが多いルール改正。来年または再来年には日本のストライクゾーンも変わるでしょう。
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