3月20日に開幕する選抜大会の出場校が今日発表されます。選抜高校野球は夏の選手権とは違って、各県すべてからの出場ではなく、地区秋季大会の結果を中心に高校野球連盟で選考されます。よって、 2015年の明治神宮大会に出ている高校は選抜大会への出場は当確になります。また、地区ごとに出場枠が大体決まっているため、その枠数に従い、地区大会上位成績の高校が選ばれます。
北海道地区 1枠
優勝 ◎札幌第一高校
準優 △北海道栄高校
札幌第一高の初出場が当確でしょう(選手権3回出場)。1990年から道内の大会では常に上位進出をしている高校です。雪が多く、伝統的に北海道の選抜出場校は練習環境に恵まれず不利ですが、昨年の大会で準優勝した東海大四高のような躍進を期待します。エースの上出選手は右の本格派。最速137km/h。
東北地区 2枠
優勝 ◎青森山田高校(青森)
準優 ◎八戸学院光星高校(青森)
ベスト4 △盛岡大付高校(岩手)、△一関学院高校(岩手)
青森県勢の2校でしょう。青森山田高は佐藤信二前監督から兜森崇朗監督が就任2ヶ月で東北地区大会初優勝です。光星学院高は青森県大会では青森山田高を破り優勝しています。実力は拮抗しています。
関東地区 4枠 + 東京地区 1枠 + 関東・東京 1枠
関東大会
優勝 ◎木更津総合高校(千葉)
準優 ◎常総学院高校(茨城)
ベスト4 ◎東海大甲府高校(山梨)、◎桐生第一高校(群馬)
ベスト8 △花咲徳栄高校(埼玉)、△霞ヶ浦高校(茨城)、△日本航空高校(山梨)、△浦和学院高校(埼玉)
東京大会 1枠
優勝 ◎関東第一高校
準優 ○二松学舎大付高校
関東地区は4強進出校の木更津総合高、常総学院高、東海大甲府高、桐生第一高で順当、東京地区は関東第一高で決定でしょう。残り1枠の「関東+東京」の選考が注目されます。関東地区優勝の木更津総合高に準々決勝で1点差で負けた花咲徳栄高か東京地区準優勝の二松学舎大付高のどちらかでしょう。木更津総合高・早川選手、常総学院高・鈴木選手は最速140km/h超えの二人のピッチャーが注目です。さらに、選抜されれば関東No.1と言われる二松学舎大付高の大江選手の最速147km/hもいます。プロ注目の二年生サウスポーがズラリと揃っています。
北信越地区 2枠
優勝 ◎敦賀気比高校(福井)
準優 ○福井工大福井(福井)
ベスト4 △佐久長聖高校(長野)、△長野商高校(長野)
福井県勢2校で決まりでしょう。しかし、ここまで見ていますと、東北地区に続いて県が偏っています。敦賀気比高は二年連続で制し、昨年北海道日本ハムファイターズからドラフト4位指名された平沼選手の後継、山崎選手は188cmの大型右腕として一年生から、注目されています。
東海地区 2枠
優勝 ◎東邦高校(愛知)
準優 ◎いなべ総合(三重)
ベスト4 △三重高校(三重)、△海星高校(三重)
東邦高といなべ総合高は確実。東邦高のバンビ二世と呼ばれる146km/h右腕・藤嶋選手は主将兼四番で甲子園凱旋です。いなべ総合高は東海地区大会決勝で藤嶋投手から9点を奪っており、打線の破壊力に注目です。
近畿地区 6枠
優勝 ◎大阪桐蔭高校(大阪)
準優 ◎滋賀学園高校(滋賀)
ベスト4 ◎明石商高校(兵庫)、◎龍谷大平安高校(京都)
ベスト8 ○智弁学園高校(奈良)、○報徳学園高校(兵庫)、△阪南大高校(大阪)、△市和歌山高校(和歌山)
大阪桐蔭高、滋賀学園高、明石商高、龍谷大平安高のベスト4進出校は確実です。残り2枠は大阪桐蔭高と滋賀学園高の決勝進出校に準々決勝で敗れた智弁学園高と報徳学園高が有力でしょう。なお、滋賀学園高は県大会3位から躍進。バッテリーは一年生コンビ。明石商高は市立高校で激戦の兵庫県大会、近畿地区大会を勝ち進んでいます。甲子園でも旋風を期待します。
中国地区 2枠 + 四国地区 2枠 + 1枠 + 神宮 1枠
中国地区
優勝 ◎創志学園高校(岡山)
準優 ○南陽工高校(山口)
ベスト4 △開星高校(島根)、△如水館高校(広島)
四国地区
優勝 ◎高松商高校(香川)
準優 ○明徳義塾高校(高知)
ベスト4 △済美高校(愛媛)、△土佐高校(高知)
地区優勝した創志学園高と高松商高は当確。準優勝の南陽工高と明徳義塾高も確実。ここに中国・四国の最後の1枠とともに昨秋の明治神宮大会での高松商高優勝によって、神宮1枠が増えただけにややこしい。中国・四国の最後の1枠は高松商高に善戦した済美高が選ばれそうです。神宮枠は同じ四国からとなると土佐高が選ばれるのが順当だと思えます。ただ、地域性が考慮され(21世紀枠も考え)中国・四国の最後の1枠を開星高、神宮枠を済美高とする可能性の方が大きいと思います。なお、創志学園高の右腕・高田選手は150km/h近いストレートで「松坂2世」の呼び声も高いです。
九州地区 4枠
優勝 ◎秀岳館高校(熊本)
準優 ◎海星高校(長崎)
ベスト4 ○日南学園高校(宮崎)、○鹿児島実高校(鹿児島)
ベスト8 △九産大九産高校(福岡)、△臼杵高校(大分)、△八重山高校(沖縄)、△樟南高校(鹿児島)
当確の決勝進出の秀岳館高、海星高とベスト4の日南学園高、鹿児島実高でしょう。秀岳館高は早稲田大で活躍し、社会人のパナソニックでも指揮したアマチュア球界の名将・鍛冶舎巧監督が就任二年目で甲子園に出場してきました。
21世紀枠 3枠
さて、これらの一般選考枠と明治神宮枠のほかに秋季都道府県大会において参加校数が128校を上回る都道府県はベスト16、それ以外の県ではベスト8以上の学校の中から、恵まれない環境、他校や地域に良い影響を与えているなどの理由で認められた高校が3校選出されます。
札幌清田高校(北海道 / 北海道ベスト4)
釜石高校(東北 / 岩手県準優勝)
上尾高校(関東・東京 / 埼玉県ベスト8)
長野高校(北信越 / 長野県ベスト4)
宇治山田高校(東海 / 三重県ベスト8)
長田高校(近畿 / 兵庫県ベスト8)
出雲高校(中国 / 中国大会ベスト8)
小豆島高校(四国 / 香川県優勝・四国出場)
八重山高校(九州 / 沖縄県優勝・九州ベスト8)
この21世紀枠を予想するのは野暮というものかも知れませんが、私はズバリ次の3校だと予想します。
釜石高校(東北 / 岩手県準優勝)
小豆島高校(四国 / 香川県優勝・四国出場)
八重山高校(九州 / 沖縄県優勝・九州ベスト8)
釜石高は東日本大震災の影響を受けながらも部員24人で秋の岩手県大会で準優勝を果たし、東北地区大会でも善戦。地域性でも話題あり。
小豆島高は部員17人で全員が小豆島出身。少ない部員での活動や厳しい環境など話題性だけではなく、秋の香川県大会で明治神宮大会優勝の高松商高を破って優勝。
八重山高は小豆島高と同じく離島のハンデをものともせず、沖縄県大会で優勝し、九州大会でも秀学館に破れてのベスト8と実力は折り紙付き。
「春一番!センバツ甲子園」。春はもうすぐやって来ます。