今シーズン5位に終わり、7年連続Bクラスとなった、我らが中日ドラゴンズが誇れる記録が2つあります。
その一つは、ドラフト会議における一巡目重複抽選時の、交渉権獲得率の高さです。昨年、4球団が重複した根尾昂選手(大阪桐蔭高)を与田監督が引き当て、2019年ドラフト会議でも、3球団が重複した石川昂弥選手(東邦高)を見事に引き当てました。
「運も実力のうち」と言いますので。
二つめは、胸を張って堂々と言える、今シーズンで12球団最少の年間45失策(最多は阪神タイガースの102失策)になります。これは、2004年にドラゴンズがマークしたセ・リーグ最少記録に並び、さらにその年の守備立.991(守備機会5186)を上回るシーズン最高守備率.992(守備機会5373)のセ・リーグ新記録となりました(パ・リーグ記録は1991年西武ライオンズ、2017年福岡ソフトバンクホークスの38失策、最高守備率は2017年ホークスの.993)。
就任1年目の伊東ヘッドコーチは、「確かに、エラーで負けたのは1試合あったかなかったぐらい」、「春季キャンプの練習で、みんな守備がうまいなあと感じた。そのことがドラゴンズのコーチになって、最初に驚いたことだった」と振り返っています。
外野手では大島選手、平田選手は派手さはないものの、昨年はゴールデングラブ賞の外野手部門に選ばれ、今年も守備力でチームの勝利に貢献しました。また、サードの高橋選手、セカンドの阿部選手も、堅実なプレーでピッチャーを助けました。特に高橋選手はセカンドからサードへ移った時に、「上手くなった」と思えました。さらに打つ方に関しては、まだまだ課題のある京田選手の守備の進歩は凄いと思います。特に、球際の強さにはセ界一だと思えるほどです(繰り返し、バッティングはいまいちですが)ほど、ショートでゴールデングラブ賞をとってもおかしくないレベルに成長していると思います。
でも、想像以上に凄いと思うのがビシエド選手。内野手が送球した難しいショートバウンドした球でも器用に捕球します。ほかの内野手の失策をかなりカバーしてくれていると思えます。
このあたりは、今シーズンまで内野守備コーチだった奈良原浩さん(現;東北楽天ゴールデンイーグルス)の手腕も大きかったのではないかと思うだけに、来シーズン以降は多少の不安も感じます(後任は、荒木雅博コーチだから大丈夫でしょうけど)。
さて、現在、宮崎フェニックスリーグにおいて、強化指定選手の1人となっているのが、根尾昂選手です。
1年目のウエスタン・リーグは、9月は月間打率.355と好成績を残しましたが、通算では打率.210とどまりました。ショートの守りでは、ウエスタン・リーグで24失策。単純計算でドラゴンズ全体の約半分の数字になってしまっています。閉幕直前に昇格した一軍でも、エラーこそありませんでしたが、いきなり不安定な送球を連発してくれました。
根尾選手には誇れるものを、確実に継承してもらいたいものです。