ワケあり商品とは、商品の機能性以外の理由により規格外となった商品のことで、見切り品、B級品とも呼ばれる-
一般的には型落ち品、新古品、展示品処分、キズ物、不揃いサイズなどにより規格外とされ、通常の販売ルートでは流通されないが、見た目だけの問題で機能としては問題がないものが「ワケあり商品」と呼ばれています。
他にも、ワケあり商品の例としては「不良品を再調整した結果、品質基準を満たさなくなったもの」もあります。
さて、今年、最大11.5ゲーム差をひっくり返し、2連勝で王者・福岡ソフトバンクホークスを抜いて優勝した北海道日本ハムファイターズ。2000年代中盤以降のその安定した成績と選手の育成能力は12球団の中でもずば抜けています。
「獲れる選手ではなく、獲りたい選手にいく」「その年のナンバーワンにいく」というのが、ファイターズのスカウティングの原則になっています。また、ドラフト以外の補強に関しても、FA戦線のようなマネーゲームなど関心なし。つまり、ドラフトかトレードというスカウティング力で集めた選手を育てています。
よって、以前よりちょっと変わった戦略であり、素行不良・練習嫌いといった、ワケありもウェルカムなのです。
2005年入団のダルビッシュ有選手(現;テキサス・レンジャース)。高校球界では屈指のピッチャーと呼ばれていましたが、「ケガが多い」「練習嫌い」「性格に難あり」などの噂があり、入団後には未成年でありながらも、喫煙姿が週刊誌にスクープされてしまうという状態でした。しかし、その後の活躍は誰もが知るところです。
2008年にはトレードで二岡智宏さんと林昌範さんが入団しました。二岡さんは某フリーアナウンサーとのスキャンダルが発覚し、林さんはファンに送ったお下劣写メが週刊誌に流出してしまい、「スキャンダルで汚れた選手は要らない」とトレードに出されたものでした。そして林さんは2009年、二岡さんは2009年、2012年のリーグ制覇に大きく貢献しました。
2008年入団の多田野数人さん。大学時代に特殊業界のビデオに出演していたことが発覚。当時、ドラフトの目玉でありましたが、どこも指名することはなく、米球界へ渡り、MLBで活躍。そして2008年に日本球界に戻って来ています。ちなみに、ビデオには出たことは事実ですが、特殊業界の人ではないそうです。
2014年のキャンプ中に矢野謙次選手がご乱心写真が週刊誌に出ました。すると当たり前のように矢野選手がトレードでやって来ます。当時、出場機会も減っていた矢野選手は今では代打の切り札になっています。なお、一緒にご乱心写真に写っていた方は現在は監督になっています。
2014年のドラフト6位で慶応大から指名された白村明弘選手。才能はあるものの、とにかく練習嫌いと素行不良が有名で、大学時代には自主休部を勧められ、10ヶ月の謹慎。チームメイトからも名句が生まれたそうです。
白村が 投げる打たれる やっぱりな
だってあいつは 練習しないし
よって、ドラフト上位指名を予想されていましたが、他球団からは手が挙がらず、指名したのは6位でのファイターズ。通常、慶應大は「下位指名ならお断り」というらしいのですが、白村選手は逆に慶應大から喜んで送り出されたようです。入団後は改心し、実力が開花。150km/hを超える剛球で、近い将来のセットアッパー、クローザーとして期待されています。
どんなワケありであっても、好きでワケありになった訳ではないでしょう。また、そういうワケありを受け入れる組織がなければ、どこにも行くところがなくなってしまいます。だからと言って、あまりにも、やんちゃすぎるのは困るでしょうけどね。
なお、現在日本ハムは優勝セールを行っていますが、ワケあり商品でのセールではありません。念のため。