2019年10月17日に東京都内のホテルで行われたドラフト会議で、我らが中日ドラゴンズは東邦高・石川昂弥選手を1位指名。オリックスバファローズ、福岡ソフトバンクホークスと3球団競合、抽選の結果、与田剛監督が当たりクジを引きました。4球団競合だった2018年の1位・根尾昂選手に続いての引きの強さです。
事前の1位指名公表は、一本釣りを狙ってだと思いますが、ふたを開けてみれば想定外の3球団競合でした。なお、ホークスは夏前から石川選手の1位指名を決めていたそうです。
何度も書きますが、本番のペナントレースでも、このくらいの強さを発揮して欲しいものですが・・・。
■5巡目指名選手
岡林勇希(おかばやし ゆうき) / 2002年2月22日生
所属 菰野高校
出身地 三重県
位置 投手 / 右投・左打
身長 / 体重 177cm / 74kg
菰野高・岡林勇希選手はピッチャーとしては最速153km/hを投げる本格派右腕です。また、野手としては高校通算ホームラン21本を放っています。ドラゴンズでは、ピッチャーとして指名。どちらで勝負したいか聞かれた岡林選手は「初めは投手として頑張りたい」とのことで、今シーズン、中継ぎで活躍した藤嶋健人選手と同じように、ピッチャーとしても野手としても評価されています。
岡林選手が野球を始めたのは、小学二年生からであり、そのきっかけは小学四年生のお兄さん・飛翔さんが野球を始めて、一緒に野球をやりたいと思ったからだそうです。
ピッチャーを始めたのは小学四年生から。その後、リトルシニアに進み、五番・ピッチャーとして活躍し、中学三年生の時点で135km/hを投げ、三重県内では指折りのピッチャーとして注目されるようになりました。高校はお兄さんが進学した、地元・菰野高。その理由は、お兄さんが投げる試合を観に行き、その試合でお兄さんが150km/hを投げたことに驚き、お兄さんがこんなに成長する菰野高に進んで自分も成長したいと思ったからだそうです。
菰野高は8人を高卒プロに輩出し、そのうち2008年から2018年までの10年間では6選手が高卒プロ入り、さらに今回の岡林選手で3年連続で高卒プロ指名を受けています。県立高ながら、毎年150km/h、140km/h超えのピッチャーを多く輩出する育成力に長けています。
そして、岡林選手は入学時には球速が141km/hキロまで伸び、フォームを変えたことでさらに球速は150km/h近くまで速くなりました。
こうして、高校二年生秋には、東海地区屈指の速球派ピッチャーとして注目を浴びましたが、東海大会で中京大中京高に8回2/3を投げ、被安打11、6四死球、4失点でサヨナラ負け。この負けが転機になり、投球フォームの修正を行うと、球速は150km/hを超えるようになりました。さらに変化球も極め、特にスライダーには絶対の自信を持ったそうです。
ちなみに、ストレートは阪神タイガース・藤川球児選手、スライダーをモデルにしたのが、元;ヤクルトスワローズ・伊藤智仁さん(東北楽天ゴールデンイーグルス・ピッチングコーチ)の握りを参考にしているそうです。
春の東海大会の岐阜・大垣日大高戦では、5回を投げ、6奪三振、1失点と好投。さらに6月の紅白戦では自己最速の153km/hを計測するようになりますが、夏の大会に入ると、思うような感覚で投げられず、準決勝の海星高戦では8回を投げて被安打13、9奪三振、6四死球、6失点と悔しい投球内容に終わり、夏も終わってしまいました。
夏の大会が終わり、岡林はプロ入りを目指すことに気持ちを切り替え、日々の練習に励んできました。また、高校通算ホームラン21本、50m6秒台前半、遠投120mと高い身体能力を持ち、野手としても評価されていることから、野手の練習も行ってきました。
そんな岡林選手の成長にはライバルの存在もありました。「まず兄に負けたくないと思いましたし、1学年上でプロ入りしたノリさん(田中法彦選手。現;広島東洋カープ)にもスピード面では負けたくないと思っていました。また、一緒にプロ志望届けを提出した奥田域太(今年は指名されず)とも競い合うようにやってきた。僕はライバルの存在があったからこそ成長できたと思います」とコメントしています。そのライバルの一人、野球を始めたきっかけとなったお兄さん・飛翔さんは、2017年に広島東洋カープから育成1位で指名され、入団しています。
岡林選手はドラフト前に、「プロの舞台で兄と投げ合うか、兄と同じカープに入って兄弟リレーを実現したい」と語っていましたが、今年10月2日にカープから戦力外となってしまいました。
「兄が苦労している話は親を通じて聞いていました。それもあって、プロは想像以上に厳しい世界だと感じていますが、プロの世界でプレーする覚悟はできています」
お兄さん・飛翔さんから、「『プロは厳しいぞ』と言われた。兄が通用しない世界。もっと技術を上げなければ」とプロでの飛躍を見据えています。
■1巡目指名選手
石川昂弥(いしかわ たかや) / 2001年6月22日生
所属 東邦高校
出身地 愛知県
守備 内野手 / 右投・右打
身長 / 体重 185cm / 90kg
ポイント 力感なくスイングができ、インパクトでの力の伝え方が上手い。特に右方向にも打てる技術があり、守備、スローイングは抜群に安定。
■2巡目指名選手
橋本侑樹(はしもと ゆうき) / 1998年1月8日生
所属 大阪商業大学
出身地 福井県
位置 投手 / 左投・左打
身長 / 体重 180cm / 71kg
ポイント 最速152km/hの左腕。出所が見にくいフォームからクロスボールを投げ、スライダー、チェンジアップと投げ分ける本格派。
■3巡目指名選手
岡野祐一郎(おかの ゆういちろう) / 1994年4月16日生
所属 東芝
出身地 宮城県
位置 投手 / 右投・右打
身長 / 体重 180cm / 85kg
ポイント 各大会で安定した成績を残す本格派右腕。調子の波がなく、一年間ローテーションを守れる。
■4巡目指名選手
郡司裕也(ぐんじ ゆうや) / 1997年12月27日生
所属 慶応義塾大学
出身地 千葉県
位置 捕手 / 右投・右打
身長 / 体重 180cm / 86kg
ポイント 全体をしっかり観察でき、リードもうまくポテンシャル高い、打撃も魅力で打てる捕手。リーダーシップもとれる。
■6巡目指名選手
竹内龍臣(たけうち りゅうしん) / 2001年12月11日生
所属 札幌創成高校
出身地 北海道
位置 投手 / 右投・左打
身長 / 体重 178cm / 77kg
ポイント 投げっぷりの良さと、ストレート、変化球ともにバランスのとれた投球が持ち味。
■育成1巡目指名選手
松田亘哲(まつだ ひろあき) / 1997年5月16日生
所属 名古屋大学
出身地 愛知県
位置 投手 / 左投・左打
身長 / 体重 176cm / 80kg
ポイント 自分で考え、順調に成長してきた頭脳派左腕。