野球小僧

ラグビーワールドカップ2019 日本大会 決勝トーナメント 準々決勝 日本代表 vs. 南アフリカ代表

ラグビーワールドカップ準々決勝は東京味の素スタジアムで10月20日午後7時15分キックオフで行われました。

世界ランク6位の日本代表は、5位の南アフリカ代表に9月6日の壮行試合で6トライを奪われ、0-22で大敗した雪辱も果たすべく果敢に立ち向かいましたが、3-26で敗れ、史上初の準決勝進出を逃しました。

前回大会の1次リーグでは南アフリカ代表に「ブライトンの奇跡」「スポーツ界最大の番狂わせ」などと呼ばれる34-32の大金星を挙げ、達成感から涙した選手もいましたが、今大会では1次リーグでアイルランド代表、スコットランド代表の欧州の強豪国を連破して4連勝で首位突破。奇跡ではなく、実力で勝ち上がり、史上初の決勝トーナメント進出という日本ラグビー界に新たな歴史の1ページを刻みました。

先手は南アフリカ代表でした。前半3分、日本陣内でスクラムで押し込み、SHデクラーク選手のパスをWTBマピンピ選手がタックルを跳ね飛ばし、トライ。コンバージョンキックは外したものの、5-0と先制。

前半10分に南アフリカ代表選手が、危険なタックルでシンビン(10分間の一時退場)で日本代表が数的優位となり、15分にスクラムからWTB福岡堅樹選手が一気にゴールに迫りますが、反則でチャンスを逃す。しかし、その5分後に、南アフリカ代表の反則で得たペナルティゴールをSO田村優選手が決めて3点を返す。

前半終了間際には、南アフリカ代表にインゴールまで運ばれ、トライを奪われたかに見えましたが、その前に反則があったとして取り消し。

日本代表は五分に渡り合い、主導権を握らせず、3-5の2点差で前半を折り返した。

大声援の中でスタートした後半は、立ち上がり3分にSOポラード選手に約40mのペナルティゴールを決められ3-8。8分にも再び反則を犯し、ペナルティゴールで8点差とされる。

ここからは、日本代表エリアで防戦一方。懸命のディフェンスで耐え続けたものの、23分に3本目のペナルティゴールを決められ3-14とじわじわリードを広げられ、その3分後にもラインアウトからのモールで一気に押し込まれ、最後はデクラーク選手にトライを奪われ、コンバージョンキックも決められ、3-21と苦しい展開。

28分には南アフリカ代表エリア深くまで攻め込むも、ラインアウト失敗からターンオーバーされ、最後はマピンピ選手にダメ押しのトライを決められる。

そして、前回大会とは逆に、最後まで攻撃の姿勢を見せた南アフリカ代表の前にノーサイドの笛を聞いてしまいました。

試合を観ていて、南アフリカ代表とのパワーの差だけではなく、日本代表をよく研究していると思えました。前回大会のことがありますし、壮行試合の様子からしても、事前準備をしっかりとしてきたのだと思います。

サッカーや野球の国際大会でも同じですが、日本代表は相手が決まっていて時間的余裕のある1次リーグは、事前準備できていますが、一発勝負ではなかなか勝ち上がれないところは、やっぱり相手の研究も含めて事前準備不足のところもあるのではないかと思います。

でも、日本代表は立派な成績を残し、国民に勇気と感動を与えたと思います。ラグビーに負けないように、他の競技のこれからが楽しみになりました。

地元開催で、(失礼ながら、思ったより?)日本代表の活躍もあり大きく盛り上がり、並みならぬプレッシャーもあって、日本代表は本当にお疲れさまでした。

ですが、まだ、ワールドカップは続きます。もう少し、世界最高のラグビーを楽しみましょう。

ラグビー日本代表FLピーター・ラブスカフニ選手。

代表テストマッチデビューは、2019年7月27日に岩手県釜石市で行われたパシフィック・ネーションズ・カップのフィジー戦で、今回の南アフリカ戦が代表8キャップ目となります。

ラブスカフニ選手は、南アフリカのプレトリア(大統領官邸を始めとする行政府が立地し、対外的には南アフリカ共和国の首都と認識されています)出身。U-20南アフリカ代表でプレーし、フル代表の候補にもなりましたが、ケガで実現しませんでした。また、スーパーラグビーのチーターズ(2017年シーズンで撤退し、プロ14に参加)やブルズでも活躍してきました。

ラブスカフニ選手にとって、日本代表は来日前から気になる存在でした。2015年ワールドカップでワールドカップを2度制した南アフリカ代表を相手に、挑み続け、3点ビハインドで試合終了間際に得たペナルティ獲得の場面では、ペナルティゴールを狙わずにスクラムを選択。そこから見事にトライを決めて逆転勝利。勝ちに行く選択をした日本代表の姿勢が、ラブスカフニ選手の心に強く響いたそうです。

そして、日本のトップリーグのクボタスピアーズから誘いを受けて2016年に来日。日本でのプレーは4年目で、トップリーグでプレーを続けるうちに日本代表でプレーすることを目標としてきました。2018年からはサンウルブズでもプレーしてきました。

日本代表候補選手の強化の場として用意されたサンウルブズでの初めてのシーズン、スコッド(いわゆる強化選手)入りした時、「ここでチームのために頑張る。そうやって、いつか日本代表でプレーできたらいいな」と、語っていました。

そして、日本代表として迎えた今大会では1次リーグ4戦すべてに先発出場。ロシア代表戦では、後半に流れを呼び込むトライを決め、第2戦のアイルランド代表戦と第3戦のサモア代表戦では、FLリーチマイケル選手に代わってゲームキャプテンを務め、リーダーシップを発揮してきました。

物静かな性格でプレーに派手さはありませんが、冷静で堅実に相手をつぶし、ボールを味方につなぎ、チームのためのプレーに徹します。それは、日本代表が掲げる「ONE TEAM」そのもののプレーになります。

ジェイミー・ジョセフ日本代表ヘッドコーチは、「来日して3年半になるが、日本ラグビーに素早く溶け込んだ。それは彼が誠実で人格者で、知性的で精神的なタフさを兼ね備えているからにほかならない」「特にそのタフな精神力は私の指導者人生でも群を抜いている」と称賛しています。

「僕は南アフリカの国も人々を愛している。でも、日本の国も人々も愛している」「僕らは自分たちが決めた目標を達成するためにハードワークを続けてきた。それはこれからもやめない。お互いのために戦い続ける。この国の全ての人に誇りに思ってもらいたい」とラブスカフニ選手は試合前に語っています。

ラブスカフニ選手は、今大会前に、ほかの外国出身選手とともに「君が代」の歌詞の意味を学びました。

君が代は 千代に八千代に さざれ石の巌となりて 苔の蒸すまで

「小さな石が集まって大きな岩になる。このチームのようだね」と、日本代表が永久に続けと願う思いを込めて、国歌斉唱では力いっぱい歌いました。

今大会、日本代表は準々決勝で南アフリカ代表に敗けてしまいましたが、ラブスカフニ選手は日本代表と母国南アフリカの2つの誇りを持って、次の大会でも、日本代表を勝利に導いてくれると思います。


コメント一覧

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eco坊主さん、こんばんは。

世界のトップとの実力の差を、南アフリカ代表がまじまじと見せつけられた試合だったと思います。最後の1プレーを切らさずに、攻撃を続けた姿勢に、前回の敗戦からの進化を観たように思えます。

ですから、きっと日本代表も、次のフランス大会で進化した試合を見せてくれることだと期待したいと思います。
eco坊主
おはようございます。

日本代表残念でした。
(福岡の試合よりこちらの方を観ていました。)
前半の感じから後半最初に得点すれば何とかなると思っていたのですが・・
その後はやはり押されてしまいましたね。
前半ボール支配率で勝っていたのにエリア支配率では劣っていたというのが南アとの差を物語っていたのでしょうか?
日本代表の試合は終わってしまいましたが皆が受け取った感動と勇気は残り続けるでしょう。感謝しかないです。ありがとう!

次は被災地復興へ”ONE JAPAN”ですね!!
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