「星空のディスタンス」は、1984年1月21日にリリースされたTHE ALFEE(当時;ALFEE)の17枚目のシングルです。作詞:高見沢俊彦さん、高橋研さん、作曲:高見沢俊彦さん、ボーカルは桜井賢さん。TBSで放送されたドラマ「無邪気な関係」(鶴見辰吾さん・石原真理子さん)の主題歌に起用されました。
52.4万枚を売り上げ、オリコンチャート最高2位を獲得、TBS系で放送されていた歌番組「ザ・ベストテン」1位獲得、同番組1984年度年間4位を獲得した、THE ALFEE史上2番目に大ヒットした楽曲です(ちなみに1番売れたのは1992年にリリースされた「Promised Love」です)。
今年デビュー45周年を迎えるTHE ALFEEは、明治学院高等学校で同級生だった桜井賢さんと高見沢俊彦さん、そして都立墨田川高等学校の生徒だった坂崎幸之助さん(本名:坂崎幸二)の3人で結成されたバンドです。3人とも明治学院大学に進学しましたが、音楽活動に重点を置くため中退。しかし、2014年にこれまでの功績が称えられ明治学院大学初の名誉学士が授与されています。現在、坂崎さんと高見沢さんは65歳、桜井さんは64歳になりました。8月3日と4日に夏恒例のイベントライブ「THE ALFEE 45th Anniversary Summer Best Hit Alfee 2019 夏の乱 Battle Starship Alfee」(何とも長いタイトルですが)を幕張メッセ国際展示場で開催し、約22,000人のファンが集まりました。
高見沢さんはデビュー当時は他の2人とさほどかわらない大人しい格好でしたが、徐々に衣裳とギターがハデになり現在に至っています。とても、還暦過ぎとは思えません。
今年の選抜大会で準優勝した千葉・習志野高ですが、第101回全国高校野球選手権大会では二回戦で敗退。しかし、美爆音で知られる吹奏楽部がアルプススタンドで「星空のディスタンス」を甲子園初披露しました。もともと定期演奏会などで「生徒の親世代も喜ぶ曲を」と歌も込みで演奏されていたものですが、この曲を演奏したところ、「野球応援に使えるんじゃないか」と顧問の海老澤博先生が思い立ち、応援用に編曲されたものです。実際には、甲子園が初披露ではなく、ひと足先にZOZOマリンスタジアムの県大会で演奏されています。
試合では五番を打つ高橋雅也選手の打席で使われました。ただ、四番が桜井亨佑選手だけだったに「星空のディスタンスは桜井の打席でやらんかい」というネット上のツッコミもありました。
「星空のディスタンス」がリリースされた1984年といえば、今の高校生はまだ生まれていません。
この曲がヒットした1984年の日本はこんな年でした。
1月 「週刊文春」にて「疑惑の銃弾」連載開始。いわゆる「ロス疑惑」で連日大騒動
2月 冒険家・植村直己さんがマッキンリー山で行方不明
3月 「風の谷のナウシカ」(スタジオジブリ)劇場公開
5月 NHK衛星放送開始
8月 ロサンゼルス(米国)・オリンピック開幕
9月 自由民主党本部放火襲撃事件
12月 電電公社(現;NTT)民営化法案成立
余談ですが、「星空のディスタンス」は、今回甲子園初演奏ではなく、1984年の第56回選抜高等学校野球大会の4月2日準々決勝で高知・明徳義塾高が岩手・大船渡高戦で応援に使用されていたのが確認されています(おそらく、その前の一回戦から演奏されていたと思われます)。
この曲はこの年の1月発売されたばかりですから、4月の選抜大会で演奏していたということは、明徳義塾高は流行に敏感に反応していたということでしょう。