野球小僧

正月は冥土の旅の一里塚 めでたくもあり めでたくもなし

正月も3日です。そろそろ生活パターンも今までどおりに戻っていく頃だと思います。

今年はどんな一年になるのか、誰にも分りませんが、誰もが良い年でありたいと願っていると思います。

さて、今日のタイトルは、一休さんこと一休宗純禅師が著わした「狂雲集(きょううんしゅう)」という詩集に掲載されている一句にまつわる逸話です。

「門松は冥土の旅の一里塚 めでたくもありめでたくもなし」

「めでたいのう、めでたいのう。あの世にまた一歩近づいたのだから、めでたいのう。正月に飾られるの門松は、まるで冥土へと向かう道に築かれた一里塚みたいなものじゃ」

このような意味の一句を詠みながら、一休禅師は年が明けたばかりの正月ムードの京の町を練り歩いたそうです。しかも、手には竹竿を持ち、その竿の先に人間の髑髏(しゃれこうべ)を刺していたというのだから驚きです(どうやって、それを手に入れたかも驚きです)。

現代社会でこれをやったら、すぐさま逮捕され、翌日のワイドショーの話題になってしまうことでしょう。

このことからかは分かりませんが、この出来事から京の人々は正月の三ヶ日の間は外に出ないようにするという風習が広まったとかです。

数え年で歳を数えた昔、正月には共に一つ歳をとることから家族や友人と祝いました。でも、誰もはっきりと自覚したいとは思っていないとおもいますが、正月を迎えることは、それだけ自分の残り人生が少なくなることを意味しています。一休禅師は歳をとるとは死が近づくことでもあると、世の無常をあえて正月に説いたのです。

子どものころには誕生日はうれしいものでした。また一つ年をとって老いてしまったのだなんて、微塵なことにも感じていなかったでしょう。

一休禅師は正月を迎えて、おめでたい、おめでたいと祝うそのような京の人々に、一休禅師はこの一句を詠んで聞かせることで、人々を正気に戻そうとしたのではないでしょうか。

「目を覚ませよ。新年を祝うということは、人生の終わりの近づきを祝っているという意味でもあるんだぞ。ちゃんとそのことを理解した上で、正月を祝うんだぞ。」

そういうメッセージなのでしょう。

さてさて、これをお読みになっていただいてる皆さんは、おそらくスマートフォン(スマホ)やパソコン(PC)などの情報機器を使用していると思います。そこにはメールやLINE、写真、文書、ネット取引などが保存されていると思います。もし、自分の身に何かあったとき、これら残されたやりとりやデータはどうすればいいでしょうか?

「みなさんは、愛する家族を残して死ねますか?」

これは、基本的に「No」でしょう。では、

「みなさんはパソコンやスマホをのこして死ねますか?」

これに関しても、意味は違えど「No」でしょう。

ブログ、Facebook、Instagram、TwitterなどのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を日常的に使っている人は多いと思います。ネットゲームなどもあると思います。デジタルデータは形はないけど、残ります。自分に何かあったとき、データがどうなるのか気になると思います。さらには個人情報も多く、誰かに気軽に頼めるものではないと思います。これは、時代をさかのぼると、Hな本などで思い当たる御仁がいらっしゃると思います。

さらに最近は、持ち主以外がスマホやPCなどを使えないようにするロック機能が強化され、機器の中のどこに、どんなデータがあるのかも、持ち主以外が把握するのは難しくなっています。これは、時代をさかのぼると、いかにも読まないような難しい本が並んでいる本棚の奥などで思い当たる御仁がいらっしゃると思います。

つまり、デジタル遺品は身近にあるにも関わらず、「見えない」のが最大の問題なのです。機器の持ち主が何の準備もしていないと、遺族はものすごく大変なのです。では、どうすればいいか。

まず、持ち主としてデジタルデータにどのようなものがあるかを把握し、「残したいもの」と「隠したいもの」とに分けて管理することです。


たとえば、「残したいもの」として、仕事関係の資料は引き継げるようにしておかないと、同僚や取引先に迷惑をかけてしまうことがあると思います。株やFX(外国為替証拠金取引)などお金が絡む取引をしている場合、家族に伝えられるようにして置いた方がいいでしょう。

一方、「隠したいもの」として、家族にも知られたくないデータは家族が関心を持ちそうもない名前のフォルダーに入れるなどしておけばいいでしょう。これは、必要なデータだけを家族に取り出してもらった後、データ復旧ができないよう、機器自体を破壊処理してもらうように頼んでおくことが前提になります。

遺産相続に詳しい弁護士は、「デジタル世代の引き継ぎノート」を書いてもらっているそうです。ノートには、機器の保管場所やSNSなどの使用状況、メールアドレス、ログインするためのパスワードなどのほか、自分に何かあったとき、デジタル機器やデータをどうして欲しいかの、希望を書く欄もあります。生きている間にノートを家族に見られたくない場合は、銀行の貸金庫に預けるか、そこまでできない場合は封筒に入れ、封印しておけばいいそうです。「残される人に余計な手間をかけないためにも年齢を問わず、デジタル終活を考えて欲しい」ということです。

PCに関するトラブル解決をしている「日本PCサービス」は故人のデジタル機器の問題に対応する「デジタル遺品サポートサービス」を始めています。ネットバンクやSNSなどのアカウント削除方法を案内する「SNSアカウント削除支援パック」は1万2500円(税別)、パスワードロックのかかったPCの「パスワード解除パック」は2万円(同)などだそうです。対応件数は2016年9月~2017年8月は143件と、前年同時期の64件から倍以上に増加しているそうです。最多の依頼は、「パスワードがわからず故人のPCを開けない」という依頼です。実際、パスワード解除により、亡くなった20代の娘のPCから思い出の写真を取り出すことができた母親から喜ばれたこともあったそうです。

さてさて、「ありがたい」という気持ちは、「嬉しい」という気持ちとは性質の異なる感情だと思います。それは、有ることが難しいという「有り難し」であって、生きていることが、当たり前にあることではないのだといいます。

自分が存在すること自体が「ありがたい」と感謝できる一年でありたいものです。

コメント一覧

まっくろくろすけ
eco坊主さん、こんばんは。
私は特に準備はしていませんが、心には留めています。

形見として子どもらに腕時計の分与を決めておいたくらいです。

PC関係は何もないので心配することはないでしょうけど、あっちこっちにある外付けHDDには困るかな、と思うくらいです。

eco坊主
おはようございます(*Ü*)ノ"☀

大晦日~元旦にかけて(年に一度の)夜更かしをしただけで起きた以降~今朝までいつもの休みと同じように生活しております。ある意味メリハリのない新年かなぁ~(笑)

日々カウントダウンをしているという事は意識しています。
Eノートはつけていませんが、何処に何が保管してあるという表は作っていますし、お寺や神社への封筒の表書きと金額、盆や正月の行う内容などは写真も含めて引き継げるようにしてます。
自分の口座の暗証番号も残してますしPCのパスワードも教えてありますわ。

>自分が存在すること自体が「ありがたい」と感謝できる一年
 ↑そうありたいものです。
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