第92回選抜高等学校野球大会(2020年3月19日から13日間:阪神甲子園球場)の運営委員会と臨時理事会が3月4日午後2時から開かれ、結果は午後6時に会見が開かれ、報告されました。
偶然にも新型コロナウイルスの感染がさらに拡大した場合に備え、安倍晋三総理大臣は3月4日夕方から、公明党の山口代表とともに立憲民主党、国民民主党、日本維新の会、共産党、社民党の野党5党の党首と個別に、「緊急事態宣言」を可能にする法案の早期成立に向けての会談が行われました。
どちらも歴史的な決断となりました…と、思います。
そして、今回発表された内容は、「無観客開催を前提に調整する」とのことでした。
最終的には3月11日に臨時運営委員会を開き、最悪、開催中止もあるとしています。
日本高校野球連盟と主催者の毎日新聞社は通常開催を模索していたと考えられます。しかし、日本政府が2月26日に今後2週間の大規模イベントの自粛を要請。さらに、翌日の2月27日には小中高生の全面休校を発表して状況が変わり、通常開催は難しくなり、無観客で開催するのか、中止するのかの二者択一だったでしょう。
延期の判断については、4月7日からはプロ野球の公式戦が阪神甲子園球場で開催されるため、そもそもの選択肢はなかったでしょう。
選抜大会は3月19日開幕のため、目安とされている3月15日の自粛期間後となりますが、集団感染のリスクを回避するためにも通常開催を断念したのでしょう。また、予定されていた開幕前の行事関係は中止および変更を決定しています。
中止されるのは3月12日のキャプテントーク、責任教師・監督会議、キャプテン研修会、3月15日と16日の甲子園練習、3月18日の開会式リハーサル、3月19日の開会式。変更されるのは3月13日の組み合わせ抽選会で、今までは監督、主将が出席して、主将が抽選を務めていましたが、今回は主催者による代理抽選とするとのことです。
無観客で開催としても、選手や関係者の移動や宿舎生活を送ることにおいて、長時間密閉空間にいたりして感染のリスクにさらされる懸念はあると思います。
各校の移動手段や時期、感染予防策のガイドライン作成しなければならいでしょうし、報道関係者、プロ野球などのスカウトの扱いなどの細部を早急に詳細に決定していかなければなりません。
他競技の選抜大会も中止が相次いでいる中で、高校野球だけ特別扱いできないはず。3月11日に最終判断というのは、「開催前提」に向けての苦渋の選択なのでしょう。
「高校野球は教育」とも言っており、開催することが教育観点からどうだったのかは現時点ではわかりませんが、実施するのであれば1人でも感染者を出したら大変なことになってしまいますので、相当の覚悟を決めて判断しなければならないでしょう。また、実施するのであれば後に、「開催して良かった」と言われるような大会にしてもらいたいと願います。
「春は選抜から」という言葉があります。
すでに暦や気候的には春を迎えています。大会期間中には阪神甲子園球場周辺の桜はきっと満開になっていることでしょう。
でも、私たちの日本に本当の春はいつやってくるのでしょう。