第68回全日本大学野球選手権大会の決勝戦が6月17日、明治神宮球場で行われました。東京六大学を制した明治大と、京滋大学野球連盟の王者・佛教大の両校が、27代表から決勝戦に勝ち上がってきました。
明治大はプロ注目のエース・森下暢仁選手が中3日で先発。佛教大は右スリークォーターの技巧派・中山塁選手が先発。
2回表、明治大は1アウト三塁から西野真也選手がセンターへフライを打ち、三塁ランナーがタッチアップするが、本塁で刺されて、先制を逃す。
明治大は続く3回、1アウト二・三塁のチャンスから、内山竣選手のファーストゴロを相手が悪送球し、2点を先制。明治大は直後に登板した2番手ピッチャー・丸山惇選手のボークでさらに1点を追加。
佛教大は過去4試合で3度、3点差を逆転している。ただ、明治大は森下選手が素晴らしい投球。最速152km/hを記録した速球、複数の変化球が切れ、制球も安定し、付け入るスキを与えない。4回以降は、6イニング連続ヒットによる出塁は許したものの、ランナーを出してからの連打を許さない。
対する佛教大も4回表から登板した今秋ドラフト指名候補の本格派右腕・福森建選手が好投。
試合は膠着したまま終盤へ。
明治大は9回表、上位打線の出塁で2アウト満塁のチャンス。ここで喜多真吾選手がライト線を破るランナー一掃のタイムリー2ベースヒット。リードを6点と拡げる。
9回裏、佛教大は反撃。野嶋真吾選手が1アウト一塁から、タイムリー2ベースヒットを放って1点を返す。しかし、森下選手が後続を連続三振に打ち取り、試合を締めた。
明治大が佛教大に6-1と快勝し、38年ぶり6回目の優勝。
■決勝
明治大003000003|6
佛教大000000001|1
優勝にはあと一歩、届かなかったものの、初優勝を狙った佛教大は大学として、さらに京滋大学野球連盟としても過去最高となった成績は素晴らしいものだと思います。
主将の吉村颯選手は、「悔しい気持ちはあるが、個人としては良かったと思う」「決勝まで来られてチームにとっても、リーグにとっても、いい経験ができた。今までは手探りでしか練習していなかった。どういう練習をすればいいのかが明確になった。夏にそれに取り組んで、秋には明治神宮大会に必ず出場できるようにしたい」とコメントしています。
全国トップレベルの選手、野球を体感することで勝つために必要なものが見えてきたと思います。それは、敗れ去っていった、地方リーグのチームすべてにも言えると思います。
秋の明治神宮大会はさらに面白い大会になることでしょう。