中日ドラゴンズからドラフト4位指名された慶應義塾大の郡司裕也選手が11月2日の東京六大学野球秋季リーグの早稲田大戦で勝ち越し、中押しの2打席連続ソロホームランを放ち、3季ぶり37度目の優勝に貢献しました。
また、打撃3部門(打率、ホームラン、打点)でトップとなり、東京六大学では2012年秋季の杉山翔太選手(早稲田大 – 中日ドラゴンズ)、慶応義塾大では1996年春季の高橋由伸さん(元;読売ジャイアンツ)以来の三冠王に輝いています。
即戦力として期待がかかっており、10月23日に松永編成部長、米村チーフスカウト、近藤スカウトから指名あいさつを受けた際には、「開幕一軍」を目標に掲げ、「僕のセールスポイントは頭を使ったリード、配球、試合全体を見た指示、コミュニケーション。なかなか目に見えにくいが、そういったところを見てもらえれば」と話しています。
ドラゴンズも頭脳を高く評価しており、指名あいさつをした米村チーフスカウトは「投手をいかにリードするか、ピンチの時にどう対応するか、そういうところをわれわれは評価している。高校(宮城・仙台育英高)の時はオール5で、そういう部分も評価している」と語っています。
現在、卒論にも取り組んでおり、テーマは「バーチャル野球とリアル野球の比較」とのことです。これは、人気ゲーム「実況パワフルプロ野球」を利用した野球の研究といい、「野球部員に協力してもらい、パワプロの上手い人は実際の野球はどうかを見ている。パワプロが上手い人も野球の上手い人も、あちこちを見るのではなく、見るべきところを抑えている」なのだそうです。
郡司選手と同じく、慶応義塾大からドラゴンズに2012年に入団した福谷浩司選手の卒業論文は、「投球動作における球の出所の見づらさの定量化」というものでした。
大学卒業前に学会でも発表をしており、 「フォーム解析には感覚的な表現が多い。それを少しでもかみ砕いて数値化し、おいおいは個別指導に生かせるようにしたい」と説明しており、曖昧さの一つである「球の出所の見づらさ」を、数式を用いて明確に表現したそうです。
さて、慶應義塾大は秋季最終戦の早稲田大に負け越し、完全優勝は逃しましたが、明治神宮大会への出場が決まっていますが、ここまで指揮を執ってきた大久保秀昭監督が退任します。
大久保監督には、「俺のために早慶戦をやらなくていい」と言われていたそうですが、郡司選手は、「監督のために戦うのは日本一を取る時」と強調し、明治神宮大会・大学の部で優勝。郡司選手は日本一の監督として大久保監督を送り出すとともに、自らも先制ホームラン、4打点と完封を演出しました。
座右の銘は「運命を愛し、希望に生きる」。
次はプロ野球。郡司選手の活躍を、ドラゴンズファン一同、お待ちしています。