中日ドラゴンズの祖父江大輔選手が11月12日にナゴヤ球場で行われた契約更改交渉で、今年の保留第1号になりましたが、11月19日にナゴヤ球場で2度目の契約更改交渉に臨み、サインをしました。
今シーズン44試合(チーム4位)に登板し、3勝4敗1S3H、防御率3.11といった成績だった祖父江選手。5月3日から一軍登録を抹消されましたが、6月2日に再登録されてからはシーズン終盤まで一軍登録されていました。
契約保留時のニュースでは、球団は契約更改の席で、今シーズンの年俸推定2900万円からのダウンを提示。自身の希望額とかなりの開きがあったためか、祖父江選手は、「一度持ち帰って気持ちの整理をしたい」と契約更改を保留し、会見場にも姿を見せなかったのです。
また、加藤宏幸球団代表のコメントも報じられ、加藤代表は評価理由については明言していませんが、「考え方に差があった」と、過去の登板数(プロ6年間で263登板)も考慮した査定を求めた祖父江選手に対して、「評価はするが査定には反映されない。過去のシーズンも含めた評価をして欲しいならフリーエージェント(FA)権を取って欲しい」といった旨の返答をしたそうです。
祖父江選手が怒る(怒っている?)気後も分からないではないです。昨シーズンも51試合2勝2敗17H、防御率3.14という成績を残しながら、年俸は現状維持。球団がどのような観点で祖父江選手を査定しているのかは不明ですが、この成績で年俸ダウンって球団は何を考えているのか、分かりません。ただ、他人の懐事情を探るのもよくないでしょうけど、祖父江選手にはもっと納得いく説明は必要だと思います。
一方でランナーがいるときの被打率が7割超えという数字もあるにはあり、44試合で3Hという数字・・・勝ちパターンの大事なところで打たれ、途中からはビハインド場面での登板が多かったという印象が強いのです。
ただ、同時に球団トップとは思えないような発言にはちょっと首をかしげたくなります。加藤代表は、シーズン中にも応援歌の「お前事案」で物議を醸しだしており、どこかの政党の大臣たちではありませんが、もっといい方というものがあると思います。
そこへ、何にでも首を突っ込みたがる、シカゴ・カブスのダルビッシュ有選手が自身のツイッターで、「昨年の現状維持もやばいけど、今年のダウンもかなりやばい。推定やから細かくはわからんけど6年263試合で防御率3.08で2900万て。。評価基準を知りたい。」とツイッターでつぶやきました。さらに、この日誕生した自分の長女の報告を差し置いて、動画投稿サイトのYouTubeでも約17分間にわたって祖父江選手を擁護したり、中継ぎの評価に関する持論を主張しています。
加藤代表は、「ダルビッシュ発言?そんなものは別にいいけどね。俺はツイッターとか全然見ないから」と気にするそぶりも見せてはいません。
その後、そもそも祖父江選手の年俸について、球団関係者(でました、関係者)は、「選手が自分の年俸を正直に言わない限りは、あくまで推定なので選手によって誤差が出てしまうのは仕方ないけど、祖父江の年俸は報道よりもかなり開きがあるようだ」と話しており、これには加藤代表も、「2900万円という数字がどういう形で出たのか知らないけど、ベースの金額が違うからね。さすがに2900万円からダウン提示することはない。それを信じた人たちからドラゴンズってひどい球団だと思われるのもね…。ただ、本人が(正確な年俸を)言わない以上、こっちからその金額を言うわけにはいかない」とコメントしています。
この発言後、中日スポーツが後出しで祖父江選手の推定年俸が2900万ではなく3500万だったと推定年俸を上方修正、さらには東京スポーツが4000万に更に修正しており、さながらネットオークションのように推定年俸額が上昇していくことから、「年俸オークション」というネタが生まれてしまった。
加藤代表は改めて球団としては、「ずっと(7年連続)BクラスなんだからAクラスの査定とは全然違う。彼は登板数で言ってくるけど、個人ではなくチーム競技なんだからチームがBクラスより上に行かないと、上がり幅も少ないし、下がるときに下がるのは仕方ない。心情的なものはあるけど、そういう査定になっているんだから。負けてる展開で投げるのと、リードしてるところで投げるのとも評価は違う」と、今後も査定基準を変えないと明言していました。
2度目の交渉後、祖父江選手は増減額や来季年俸について「皆さんにお任せします」と語りませんでしたが、「(前回は)僕の考えがまとまってなくて、もう一度考えさせてくださいとなった。話をして整理できたので、サインさせてもらいました」と話しており、もともと条件で争ってたわけではなく、自分の考えがまとまらなかっただけとのことです。
ちなみに、1回目の交渉では200万円ダウンの提示を受け、最終的には100万円減。また、話題の今シーズンの年俸は3600万円だと明らかにしています。
何だったのか。「大山鳴動して鼠一匹」とでもいうのでしょか。祖父江選手は思わぬ反響に自身が驚いたことかも知れません。
私としては、「FA(権)取っても、行使しないでください」と願いたいです。
それにしても、ダルビッシュ選手はポスト張本の椅子を狙っているのでしょうか。