7月21日(日)決勝。
30年前の1989年(平成元年)の決勝、丸子実業高(現;丸子修学館高) vs. 岡谷南高、以来の公立校同士の対戦となりました。元号が変わった年の決勝が令和になっても公立校同士というのも、不思議な巡りあわせですが、飯山高の吉池監督は丸子修学館高(旧;丸子実業高)出身、伊那弥生ケ丘高の柿沢監督は岡谷南高出身という、これも、不思議な巡り合わせとなりました。
松本市野球場の駐車場関係は9:35現在で、すべての駐車場満車になるという状態。試合が進むにつれて、内野席は満員状態。外野芝生席にも多くのお客さんが入っています。
近年の決勝戦で、中信地区のチームではない対戦でここまで球場にお客さんが入るのも、珍しく、2007年(平成19年)の決勝の松商学園高 vs. 長野高以来の観客の多さ(長野県高野連発表で、約8000人)になりました。
飯山高の先発はエース・岡田選手。
1回表:伊那弥生ケ丘高
2アウトから相手のエラーでランナーを出すものの、無得点。
伊那弥生ケ丘高の先発もエース・藤本選手。
1回裏:飯山高
大川選手が2ベースヒット、送りバントで三塁に送った後、2アウト後、内野ゴロが一塁への悪送球になり、飯山高が先制。さらにランナー二塁から小林選手が三遊間を破るレフト前タイムリーヒットで、さらに1点追加。
決勝の緊張か、ここまで堅い守備をみせていた伊那弥生ケ丘高は痛いエラー。
2回表:伊那弥生ケ丘高
三者凡退
2回裏:飯山高
1アウトから石澤選手が2ベースヒットで出塁。次のバッターのピッチャーゴロで二塁ランナーが飛び出し、アウト。2アウト一塁から大川選手がライト前へ2本目のヒットを放ち、三塁送球の間にバッターランナーが二塁へ進塁し、二・三塁。しかし、次のバッターを打ち取られ、無得点。
飯山高の大川選手は準決勝4安打。決勝もここまで2安打。
3回表:伊那弥生ケ丘高
先頭バッターが相手のエラーで出塁。次のバッターが送って、1アウト二塁。2アウト三塁となって、伊藤選手がライト前にポテンヒットで1点を還し、登内選手がライト前にヒットで続くが、次のバッターが三振で1点どまり。
3回裏:飯山高
先頭の小山選手がライト前ヒットで出塁。1アウト後、小林選手がライト前へこの日2本目のヒットを放ち、一・二塁。2アウト後、村松選手のレフト前タイムリーヒットで1点を追加。ここで、伊那弥生ケ丘高はピッチャーを富永選手に交代となり、後続が打ち取られたものの、リードを2点に広げる。
飯山高の岡田選手は、この大会初失点となりました。
4回表:伊那弥生ケ丘高
三者凡退に打ち取られる。
4回裏:飯山高
2アウトから若林選手がセンター前ヒットで出塁。しかし、この回は無得点。
両チームのピッチャーが踏ん張り、試合が落ち着いてきた感じです。
5回表:伊那弥生ケ丘高
この回も三者凡退に打ち取られる。
5回裏:飯山高
1アウト後、小林選手がショート内野安打で出塁。盗塁でランナー二塁。さらにフォアボールで一・二塁とするが、二塁ランナーがけん制でアウト。しかし、次のバッターがデッドボールで、さらにフォアボールを選び満塁。ここで、ピッチャーの岡田選手がレフトへタイムリーヒットで1点追加。次のバッターは打ち取られ1点のみ。
伊那弥生ケ丘高、飯山高の一球一打に大きな拍手と声援が送られています。
伊那弥生ケ丘00100
飯山 20101
6回表:伊那弥生ケ丘高
3点を追いかけるこの回は上位打線からの攻撃。1アウト後、登内選手がこの試合3本目となるライト前ヒットで出塁。そして、二者連続でフォアボールを選び満塁の大チャンス。さらに遠藤選手が内野ゴロ、二塁でアウトとなるが、一塁送球がボールデッドゾーンに入り、二者が還り2点を還し、1点差。さらにランナー二塁から森田選手がセンター前にタイムリーヒットを放ち同点。ここで、飯山高は常田選手にピッチャー交代。続いて、藤本選手がライト前ヒットで一・二塁とチャンスを広げるが、この回の反撃はここまで。
6回裏:飯山高
追いつかれた飯山高も、この回は上位からの攻撃。1アウトから小山選手がライトへヒットを放ち出塁するが、ダブルプレーで攻撃終了。
この回の同点の勢いが、伊那弥生ケ丘高へと流れを持ってきた感じになりました。
7回表:伊那弥生ケ丘高
先頭バッターの大久保選手がライト前ヒットで出塁。送りバントで二塁にランナーを送る。ここで、登内選手がライト前へヒット、4安打め。ランナー一・三塁と勝ち越しチャンス。しかし、後続が打ち取られ、勝ち越しできず。
7回裏:飯山高
この回の飯山高は三者凡退。
飯山高は何とかしのいでいく。
8回表:伊那弥生ケ丘高
先頭バッターがフォアボールで出塁。2つの内野ゴロで2アウトランナー三塁とするが、得点できず。
8回裏:飯山高
先頭バッター石澤選手がセンター前ヒットで出塁。次の送りバントは伊那弥生ケ丘高のキャッチャー登内選手の好守でニ塁でランナーアウト。次のバッターが内野ゴロダブルプレーに打ち取られ、得点できず。
お互いに譲らないがっぷり四つの試合。いよいよ9回の攻防へ。
9回表:伊那弥生ケ丘高
伊那弥生ケ丘高は打順よく一番から。2アウトから登内選手が5本目のヒットで出塁。ここで飯山高はレフトの守備を交代。次のバッターの打席で一塁ランナーが盗塁し、スコアリングポジションにランナーを進めるが、ライトフライに打ち取られ、勝ち越し出来ず。
9回裏:飯山高
飯山高も上位からの好打順。しかし、3人で抑えられる。
互いに譲らない、令和元年(2019年)の決勝の延長戦は、2015年の上田西高 vs. 佐久長聖高以来になります。
伊那弥生ケ丘001003000
飯山 201010000
10回表:伊那弥生ケ丘高
2アウトから森田選手が三遊間を破るレフト前ヒットで出塁。続く藤本選手は一・二塁間を破り、ライト前ヒットで勝ち越しチャンス。しかし、次のバッターが内野ゴロで、この回も得点できず。
10回裏:飯山高
1アウトから倉科選手がセンター前ヒットで出塁。次のバッターがデッドボールで、ランナー一・二塁のサヨナラのチャンス。ここで、センターへ犠牲フライで二塁ランナーが三塁へ進み、一・三塁。ここで、ピッチャーの常田選手がセンター前にサヨナラヒット。
伊那弥生ケ丘0010030000 |4
飯山 2010100001x|5
5回までは完全に飯山高のペースでした。6回表に飯山高の岡田選手が制球を乱し、伊那弥生ケ丘高が一気に同点に追いつくと、今度は伊那弥生ケ丘高が押せ押せの状態になりました。しかし、連投の飯山高の常田選手がピンチをしのいで、最後は自分のバットで甲子園出場を決めるという劇的な結果でした。
敗れた伊那弥生ケ丘高は、あと1本あればでした。また、最後は打たれてしまいましたが、2番手富永選手は好リリーフでした。
試合後には、勝った飯山高、惜しくも負けてしまった伊那弥生ケ丘高の両チームに、惜しみない拍手が送られていました。
長野県勢の公立校の夏の甲子園出場は2010年の松本工業高以来、9年ぶりです。さらに飯山勢としては初の甲子園出場です。
飯山高は2007年に飯山南高と飯山照丘高が統合し、開校した県立校です(2014年には飯山北高とも統合)。高校のある飯山市は長野県最北端。多いときには3mも積もる豪雪地帯で、3月までは雪深く、グラウンドが使えるようになるのは4月に入ってからになります。
雪のような、その真っ白い純白のユニフォームが甲子園へと向かいます。