長野大会準決勝は小雨が振る松本市野球場で、東海大諏訪高 vs. 伊那弥生ケ丘高、上田西高 vs. 飯山高の準決勝2試合が行われました。夏の甲子園切符を懸けた戦いは最終盤を迎えました。
■松本市野球場
第1試合
東海大諏訪高は背番号11の清水選手、伊那弥生ケ丘高はエースの藤本選手が先発。
東海大諏訪高は3回裏にヒット2本とフォアボールで2アウト満塁としますが、藤本選手の気迫あるピッチングで抑えられます。
伊那弥生ケ丘高は5回表に先頭バッターがフォアボールで、送った1アウト二塁から森田選手がタイムリー2ベースヒットで先制。追う東海大諏訪高は5回裏に先頭バッターがフォアボールで出塁して、2アウト満塁とチャンスを広げたものの、活かせず、伊那弥生ケ丘高が固い守備もあり、1-0で東海大諏訪高をリードして前半を終える。
6回表から東海大諏訪高はエース横田選手を投入して追加点を阻もうとするが、伊那弥生ケ丘高は向山選手の2ベースヒットなどで、2アウト二・三塁とし、桑原選手のタイムリーヒットで1点を追加。2点差を追う、東海大諏訪高は2アウトから平澤く選手が2ベースヒットで出塁し、奥原選手のタイムリー2ベースヒットで1点を還す。
7回裏から伊那弥生ケ丘高のピッチャーは、藤本選手から富永選手に交代。すると、先頭バッターがサードのエラーで二塁まで進み、1アウト後、ライトへのフライで二塁ランナーがタッチアップで三塁へ進むものの、ランナーの離塁が早くダブルプレーとなり、この回、東海大諏訪高は無得点。
その後、両ピッチャーが踏ん張り、2-1で伊那弥生ケ丘高リードのまま9回表。遠藤選手がヒットで出塁し、2アウト二塁となった場面で、富永選手のタイムリーヒットで1点を追加。さらに伊藤選手のタイムリー2ベースヒットで、ダメ押しともなる、この回2点めを追加。
追いつめられた、東海大諏訪高は第1シードの意地の反撃。先頭バッターがデッドボールで出塁し、続く代打の宮澤選手がフォアボールでノーアウト一・二塁。阿南選手がヒットで続き、満塁へとチャンスを広げる。1アウト後、早川選手が押し出しのフォアボールで1点を還し、松山選手の内野ゴロでさらに1点を還し、さらに同点・逆転のランナーを残したが、次のバッターが内野ゴロに倒れ、試合終了。
伊那弥生ケ丘 000011002|4
東海大諏訪 000001002|3
Bシードの伊那弥生ケ丘高が、第1シードの東海大諏訪高を4-3で振り切り、初の決勝進出を決めました。
第2試合
上田西高は一年生の山口謙選手が先発。飯山高はプロ注目の常田選手が先発。
1回表に飯山高は大川選手、若林選手の連続ヒットでノーアウト一・二塁。犠牲フライで1アウト一・三塁と先制のチャンスを作るがダブルプレーに打ち取られる。その裏、上田西高もスコアリングポジションにランナーを進めるが、得点なし。
先制点の欲しい飯山高は2回表2アウトニ塁から石澤選手のタイムリー2ベースで1点先制。その裏、上田西高は1アウト満塁で、先発の山口謙選手に早くも代打を送るが、外野フライ。三塁ランナーは雨でぬかるんだグラウンドに脚を取られて、タッチアップできず。続くバッターもサードライナーでチャンスを逃す。
飯山高は4回表に待望の追加点。上田西高の2番手山口直選手を攻め、1アウト二塁から村松選手のタイムリーヒットで1点追加。
リードされた上田西高は5回表からエースの阿部選手をマウンドに送り、追加点を阻み、飯山高は先発の常田選手がランナーを背負いながらも上田西高打線を0点に抑えていく。
雰囲気的には第1試合の伊那弥生ケ丘高と東海大諏訪高の試合展開に似てきたところ。
6回表に飯山高は2アウト満塁のチャンスを逃し、6回裏に上田西高はノーアウト一・二塁。次のバッターのピッチャーライナーで二塁ランナーが飛び出し、ダブルプレーでチャンスを逸す。
8回表に飯山高は1アウト二塁から村松選手のタイムリー2ベースヒットで1点を追加し、その裏からエースの岡田選手をマウンドに送ります。上田西高は2アウト一・二塁とチャンスを作るが、この回もチャンスを活かせず、飯山高3点リードのまま最終回へ。
9回表に飯山高はチャンスをつかむものの、得点できず、いよいよ試合は9回裏の上田西高の攻撃のみ。
追いつめられた9回裏の上田西高は先頭バッターが相手のエラーで出塁。1アウト後に清水選手ライト前ヒットで一・二塁。一発が出れば同点の場面。しかし、反撃もここまで、後続を打ち取られ、試合終了。
飯山 010100010|2
上田西000000000|0
ノーシードの飯山高が、第3シードの強打・上田西高を3-0の完封リレーで抑え、初の決勝進出を決めました。
決勝は伊那弥生ケ丘高と飯山高の、ともに初の決勝進出となりました。
伊那弥生ケ丘高は松本国際高、小諸商業高や第1シードの東海大諏訪高、飯山高は第2シードの東京都市大塩尻高や岡谷南高などに勝ちながら成長してきています。
伊那弥生ケ丘高 柿沢章浩監督
「決勝進出と言われてもよく分かりません。私は伊那弥生ケ丘に来たのが4月からですから。私の力ではないです。選手がよくやってくれています。そういう意味では私は持っていると言うことなんでしょうか?」
飯山高 吉池拓弥監督
「こちらには負ける覚悟はある。向こうにはないだろうから、唯一勝っているのは、その覚悟があるかないかだけだ」
平成元年(1989年)は公立 vs. 公立の決勝。丸子実業高(現;丸子修学館高) vs. 岡谷南高でした(5-4で丸子実業が勝利)。
令和元年(2019年)も公立 vs. 公立の決勝。伊那弥生ケ丘高 vs. 飯山高となりました。
どちらが勝っても、初の甲子園になります。