「記憶にございません!」は、監督・脚本は三谷幸喜さん、主演は中井貴一さんで2019年9月13日に公開された映画です。
病院のベッドで目が覚めた男(中井さん)。自分が誰だか、ここがどこだか分からない、一切の記憶がない。病院を抜け出し、ふと見たTVニュースに自分が映っていた。
演説中に投石を受け、病院に運ばれている首相。それが自分だったのです。
そして、部下らしき男が迎えにきて、官邸に連れて行かれ、「あなたは、第127代内閣総理大臣。国民からは史上最悪のダメ総理と呼ばれています。総理の記憶喪失はトップシークレット、我々だけの秘密です」といわれます。
政策はもちろん、大臣の顔と名前、国会議事堂の本会議場の場所、自分の息子の名前すら分からない。記憶にない件でタブロイド紙のフリーライターにゆすられ、記憶にない愛人にホテルで迫られ、どうやら妻も不倫をしているようで、息子は非行に走っている気配。
そして、よりによってこんな時に、米国大統領が来訪することに・・・。
記憶を失った男が、捨て身で自らの夢と理想を取り戻すというストーリーです。
さて、2月ころから、国会で答弁する方々は、みんな記憶喪失になってしまったのでしょうか。
Q:更新に関して、あるいはスターチャンネルに関して会話はありましたか?
Aさん:要望を受けた記憶はありません
Q:スターチャンネルのことは、話題に上がりましたか?
Aさん:話題に上がった記憶もございません
Q:記憶にないのか、話題に上がらなかったのか?
Aさん:話題にのぼった記憶はございません
別の日。
Q:これ楽しいものでしたでしょうか?
Yさん:記憶がつまびらかではございませんけれども、情報交換という形でございまして、それ以上でもそれ以下でもない
Q:情報交換をしたと。一定程度、仕事の情報を交換することも一つの目的だと思う。情報交換の中身をお示しください
Yさん:何をどんな形でお話しされたかは覚えていない。覚えていないというか、きっちりと記憶があるわけではないですが、何かを頼まれたとかいう記憶はございません
つい先日も、総務省のS電波部長は、「記憶にございません」「記憶はございません」「そのような報告を受けた事実に関する記憶はございません」と質問に繰り返し、「記憶にございません」と答弁しています。
うーん、もしかして、汚職・・・もとい、お食事で「みょうが」でも食べていたのでしょうか。
さてさて、「本をじっくりと読んだのに内容をほとんど覚えていない」という、記憶に残らないということがあります。そもそも私の場合、それ以前も問題で、「本を買ってあるのに読んでいないので、同じ本を買っている」という状況です。
それはさておき。
読んだつもりの読書は単に時間を無駄にしてしまいます。時間つぶしで読書するというのならばいいのですが、何か知識を着けようとか、勉強しようとかでは、これでは困ったことになってしまいます。
実は、人間は寝る前の2時間については「脳のゴールデンタイム」と呼ばれ、「この時間帯に本を読めば10倍記憶にしみ込む読書が実現できます」と日本記憶力選手権で6年連続日本一に輝き、世界記憶力グランドマスターの称号も持つ池田義博さんはいいます。
本を読むという行為にはかなりの集中力が必要で、特に実用書やビジネス書の場合には、集中力は欠かせなくなります。マンガやエンターテインメント系の本であれば、面白さもあるのでそれほど集中力は必要ないと思います。となれば、人間の集中力が高い状態のときに本を読むようにすれば、知識の習得に役立ちます。
ただ、人間の集中力が高い状態、つまり、脳の働きがよい状態というのは、1日中おなじではなく、上がったり下がったりを繰り返しているそうです。ちなみに、私は会社にいる間は常に低く保つようになっているようです。
それもさておき。
脳は身体全体に比べて体積が小さく(体重の約2%)いのですが、エネルギー消費は身体全体の約25%になるそうです。そのため、エネルギー不足にならないように自動的に省エネモードになるようにできているそうです。つまり、脳がエネルギー全開モードの時がチャンスになります。
人間は原始時代では身の回りに生命の危険に関わる条件が多く、生きるために生命の危険に関わる情報に対しては非常に敏感だったとのことです。その中でも重要だったのが食料の確保で、飢えを回避することが生活における優先事項でした。食料を確保するときとというのは、お腹が空いているときです。よって、人間は空腹のときに脳がいちばん活動するようになっているとのことです。考えてみれば、「今日、何を食べようか?」と考えるときが、いちばん生き生きとしますし、ある意味、幸せにも感じますから(あくまでも、個人の感想です)。反対に食後には、脳は満足感で省エネモードになるとのことです。眠くなるのもそういう理由の一つかもしれません。
朝食、昼食、夕食前後の時間でも、朝は起きたばかりということもあって、脳はこれから活動を開始する準備段階でありますので、昼食前の時間帯が1日の中で最も脳の働きがよくなる時間帯となるそうです。昼食後の脳は働きを低下させ(確かに眠い)、この状態が夕方まで続き、夕食前が再び脳が活動し始め、夕食後はまた下がっていきます。
そして、就寝前の1〜2時間は少し特殊な時間帯の「ゴールデンタイム」と呼ばれるほどの最適な時間だそうです。それは、脳は睡眠中は昼間あった情報を、脳の記憶の中心の海馬(かいば)という場所で整理します。そこで、きちんと整理された情報だけが記憶に定着されるそうです。
よって、たとえば朝一番に入ってきた情報より、直前に入ってきた情報のほうがすぐにその整理にとりかかることができるため、記憶の定着しやすいそうです。まあ、よほど印象に残る場な情報の場合は、そちらが優先されてしまう場合もあると思います。つまり、中日ドラゴンズが勝った日には寝る前のスポーツニュースを観れば、いい夢も見られ、翌日もいい気分でいられるということ・・・なのでしょうか?
ただ、もちろん個人差はあると思いますので、すべての方には当てはまらないと思います。
AさんもYさんもSさんも、「記憶がない」というのは、「接待」よりも、もっと「楽しい何か」があったのかも勘ぐれちゃいますが、これも個人差なのでしょうね。
さてさてさて、元祖「記憶にございません」という迷言は、1976年2月16日に「ロッキード事件」の国会証人喚問に呼ばれた証人が「記憶にございません」と回答し、話題となりました。
ロッキード事件とは、米国ロッキード社から日本の政界へ、30億円とも言われる資金が流れた疑獄(政治問題化した大規模な贈収賄)事件です。この事件にかかわり、取り調べの対象となったのは国会議員、民間人、官僚などを含め、約460人以上、そのうち起訴されたのは16人、逮捕者は18人と、政財界を揺るがす大事件でした。
衆議院予算委員会で行われた証人喚問は、全国にTV中継されましたが、証人喚問に呼ばれた証人がそろって、「記憶にございません」と回答したこともあり、以降、都合の悪い場面で真似されることが多く、流行語にもなりました。
すでに流行した言葉ですが、まさか2021年度の「新語・流行語大賞」をみんなで狙っているわけではないと思うのですが。
今日も、私のブログにお越しいただいてありがとうございます。
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どうぞ、お元気お過ごしください。また、明日、ここで、お会いしましょう。