覚えていらっしゃる方もいるかと思いますが、2019年の話です。当時、TVニュースや新聞などでも全国版で取り上げられました。
那覇市の高校二年の男子生徒(当時)が、与那国島の伯父さんの葬儀に参列するため早朝に那覇空港へ向かっていましたが、途中で航空券代が入った財布を落としてしまいました。途方に暮れていると、一人の男性が「どうしたんだ」と声を掛けました。
男子高校生は事情を話し、「いくら?」と聞かれたので「6万円」と答えました。男性は「そんなにかかるのか」と一瞬、疑問もよぎったが、「あまりに悲しい顔なので、貸すことは先に決めていた」と、空港駅のホームで6万円を渡し、身元を確認しないまま、出発便へ急がせました。
男性は埼玉に戻る前に念のため警察に行き、困った高校生がいたと、いきさつを説明。警察からは、「高校生が誰かわかるわけない」といわれたそうです。また、帰ってから職場の同僚らと話題にしたが、「だまされたんだよ」と笑われ、半ば諦めもあったが、「俺は信じている」と思っていたそうです。
一方で、男子高校生は「借りたお金を返したい」という気持ちがあり、葬儀から戻り、お父さんや先生にこのことを相談。地元の新聞社に連絡し、顔写真付で「人探し」の記事を掲載してもらいました。
すると、たまたま、その経緯を聞いていた男性の同僚が、「ネットで話題になっているのは、お前のことじゃないか」といわれ、先方の高校生が自分を探していることを知ります。そして、男性は高校へ連絡をしました。
男性は、「捜してくれていることに感激して泣けてきた。信じていて良かった」と涙を流しながら喜んだそうです。また、学校から恩人が見つかったことを知らされた男子高校生も、「今すぐ連絡したいほど嬉しい。あの時の感謝が思いだされて胸がこみあげる」と再会を望んだそうです。
男性は首里中・高校出身で大学医学部を卒業後、大学病院で脳神経外科の教官を経て各地の病院で脳神経外科医として活躍。沖縄でも脳神経外科部長を務めたりして、よく沖縄を訪れるとのことです。
男性は後日、沖縄を訪れ、滞在中に男子高校生さんや学校関係者と面談し、男子高校生から感謝の気持ちを伝え、借りたお金を返し、「工業高校生らしく自作の品もプレゼント」したそうです。男性は、「やはり沖縄の人は優しいよ。涙が止まらなかった」と、新聞社の取材に泣きながら話したそうです。
その後、落とした財布を拾ってくれた方がいて、男子高校生の元に警察から届けられたそうです。
私が男性の立場だったら。いくら困っている人が目の前にいるからといって、見ず知らずの人にいきなり6万円を貸してあげることができるのかどうか。そもそも、6万円も持っていないので無理かもしれませんが。それ以前に男性のように、「だまされた」などと思わないことができるのか。
日本という国は困っている人がいるならば、力の弱い人がいるならば、見ず知らずの人でも助け合える国です。そのいいところを逆にとって詐欺まがいの犯罪や事件などがあります。だから、「だまされたんだよ」などと考える人もいるのでしょう。
みんなが普通に信じ合える世の中がいいですよね。
本日も私のブログを読んでいただき、ありがとうございます。
今日はどのような一日になるのでしょうか。または、どのような一日を過ごされたのでしょうか。
その一日でほんの少しでも楽しいことがあれば、それを記憶にとどめるように努力しませんか。そして、それをあとで想いだすと、その日が明るくなる、それが元気の源になってくれるでしょう。
それを見つけるために、楽しいこと探しをしてみてください。昨日よりも、ほんの少しでも、いい一日でありますようにと、お祈りいたしております。
また、明日、ここで、お会いしましょう。