野球小僧

戦場のピアニスト(The Pianist)

「戦場のピアニスト(The Pianist)」とは、2002年9月25日にフランスで公開された、第二次世界大戦下におけるユダヤ系ポーランド人のピアニストのウワディスワフ・シュピルマンさんの実体験記基にした、ポーランド・ワルシャワを舞台としたフランス・ドイツ・ポーランド・英国の合作映画です。日本では2003年2月15日に公開されています。

以下、ネタバレありますので、ご注意ください。

1930年代後半、ポーランドのワルシャワ。ユダヤ系ポーランド人のピアニスト、ウワディスワフ・シュピルマン(演;エイドリアン・ブロディさん)は、ラジオ局で演奏を録音していた。しかし、その途中で爆撃が建物を襲う。シュピルマンは逃げる途中で、友人の妹ドロタ(演;エミリア・フォックスさん)と知りあう。

1939年9月に英国とフランスがドイツに宣戦布告し、シュピルマンと家族はポーランドは安泰だと喜ぶが、ポーランドはドイツ軍に占領されてしまう。1940年後半になるとドイツ軍により、ポーランドではユダヤ人と判るように腕章をつけることなどが義務化されたりして、ユダヤ人に対する差別が広がってきていた。そして、ワルシャワ市内のすべてのユダヤ人が、狭いユダヤ人居住区(ゲットー)に移住しなければならなくなってしまう。

シュピルマンは非ユダヤ人向けのレストランでピアノを弾く仕事を得るが、ある日、シュピルマンと家族は多くのユダヤ人と一緒に戸外に集められ、財産を取り上げられる。そして、強制収容所行きの列車に乗せられるが、シュピルマンは知り合いのユダヤ人警察署長に助けられる。

残されたシュピルマンはゲットー内で強制労働を課せられるが、仲間から力のいらない仕事を回してもらいながら生き延びていた。やがてゲットー内で武装蜂起を準備していることを知る。シュピルマンは蜂起への協力を志願し、食料調達の立場を利用してゲットーへの武器の持ち込みを手伝う。そんなある日、食料調達のためゲットーの外に出たシュピルマンは市場で知り合いのポーランド人歌手に手引きしてもらい、ゲットーのそばにあるアパートの1室に隠れ住むことになる。しかし、隣人にばれてしまい、緊急時用に渡されていた連絡先を訪ねると、なんとその相手はドロタだった。ドロタは別の男性と結婚し、夫と共に反政府活動を行っていた。ドロタと夫はシュピルマンに隠れ家を用意する。

そして、1944年8月、ポーランド人の抵抗勢力はワルシャワ蜂起を起こすがドイツ軍に鎮圧され、ワルシャワは報復として破壊を受け、シュピルマンは廃墟と化した都心の中で完全に孤立無援となった。

ある日、一軒家で食べ物を探していたシュピルマンは缶詰を発見。そこへドイツ軍がやって来て、屋根裏部屋に身を隠したシュピルマンは、何者かが弾くベートーヴェンの「ピアノソナタ第14番 嬰ハ短調 作品27-2 月光」の旋律を耳にする。

その後ドイツ軍が去り、夜になって何とか缶を開けようと悪戦苦闘していたシュピルマンは、再びやって来たドイツ陸軍将校に見つかってしまう。この家は、ドイツ軍が拠点として使うことになっていた。

将校はシュビルマンの素性を尋ね、ユダヤ人ピアニストであることを知ると1階の居間に残されていたピアノを弾いてみるようにいう。シュピルマンの弾くショパンの「バラード第1番 ト短調 作品23」が廃墟の街に流れる。その演奏に心を動かされた将校はシュピルマンを屋根裏にかくまい、食料を差し入れるようになる。将校はまた、ドイツの敗退を予想していた。

ソビエト(ソ連)軍がドイツ軍と交戦し、ドイツ軍が劣勢のなか将校はシュピルマンにコートと食料を渡す。別れ際にシュピルマンの名前(ドイツ語で楽師や演奏家を意味する)を初めて知った将校は、「ピアニストに相応しい」との言葉を残して去った。

しばらくして、拡声器でポーランド国歌を放送する1台のトラックが通り、次いでポーランド軍が現れた。ドイツ将校のコートを着込んだシュピルマンは兵士たちから誤射されるが、同じポーランド人であることが辛うじて伝わり、逃亡生活はようやく終わる。

ドイツが敗れ、戦争は終わった。ユダヤ人は強制収容所から解放された。

終戦後、シュピルマンの友人のユダヤ人バイオリニストが、捕えられたドイツ軍兵士を見かけ、罵声を浴びせる。すると彼が音楽家だと知った将校が声をかける。「自分はシュピルマンというピアニストの命を救った。彼に自分を助けてほしいと伝言してくれ」。しかし、話をしているのが見つかってしまい、友人は将校の名までは聞くことができなかった。

シュピルマンはその話を聞く。しかしシュピルマンにも将校の名前はわからず、将校はそのまま1952年にソ連の戦犯捕虜収容所で亡くなった。

戦後、シュピルマンは再びピアニストとして活動を再開する。そして、2000年に88歳で亡くなっています。

直接的に音楽が問題を解決することはできません。それでも、音楽が人を助ける力があると感じます。言葉が違っても、育ちが違っても、同じ人間。本質的には人間はみんな同じなのだと思います。優しさというものは、誰かの人生に影響を与え、そして人生を変えることもできると思います。

そして、戦争はとても醜いことだとも思います。

本日も私のブログを読んでいただき、ありがとうございます。

今日はどのような一日になるのでしょうか。または、どのような一日を過ごされたのでしょうか。

その一日でほんの少しでも楽しいことがあれば、それを記憶にとどめるように努力しませんか。そして、それをあとで想いだすと、その日が明るくなる、それが元気の源になってくれるでしょう。

それを見つけるために、楽しいこと探しをしてみてください。昨日よりも、ほんの少しでも、いい一日でありますようにと、お祈りいたしております。

また、明日、ここで、お会いしましょう。

コメント一覧

まっくろくろすけ
macaronteapartyさん、こんばんは。

コメントありがとうございます。

戦場であっても人は人ということなのでしょうね。非日常のなかでの日常がいかに必要なのか・・・。というよりも、やはり非日常が続くことがなくなってほしいものですよね。

力づくで奪い取っても、そこに暮らす人々は本当に幸せなのかはわからないと思います。いつか、また、何かしらの火種になりそうに思えます。

ちなみに、「バラード第1番ト短調 作品23」はフィギュアスケートの羽生結弦選手が使用していました。この映画のなかでは、やっぱり哀しく聴こえてきてしまいます。
まっくろくろすけ
eco坊主さん、こんばんは。

コメントありがとうございます。

「戦場のメリークリスマス」もいい映画ですが、この「戦場のピアニスト(The Pianist)」もいい映画です。いつか機会があればレンタルDVDで観てみてください。

この話がノンフィクションだったということ。だったら、まだ信じられるものがあるはずですよね。

ただ、音楽というものは、観ている映像で、こんなにも悲しく、哀しくなるのかと。
macaronteaparty
>優しさというものは、誰かの人生に影響を与え、

そうか、音楽(や芸術)は“優しさ”なのかもしれませんね。

以前にディズニーのことを調べたことがあります。
ナチスドイツ下のドイツでは娯楽も制限されていたのですが、
なんと、ディズニー社のミッキー映画はこっそり上層部の娯楽のために
輸入されていたそうです。

ナチスの将校たちが喜んでミッキー映画を観ていたらしいのです。

面白いですよね。

この「戦場〜」の映画をまた観てみたくなりました。
ナチスドイツは敗退しましたが、ロシアは…。

不当に攻め入って、他国の領土を占領して、それが既成事実として
承認されてしまっては、結局殴り得、ということになります。

それは許せないことなのだと国際世論が思ってくれることを願うのですが…。

またの記事を楽しみにしています😊
eco坊主
おはようございます。

「戦場のピアニスト(The Pianist)」は知る由もなく・・
何せ「戦場のメリークリスマス」もタイトルと坂本龍一さんやビートたけしさんが出ていたというくらいしかしらない映画音痴ですから😅
私は先天性音楽機能不全=調子はずれですのでやはり聴くだけですが最近はラジヲだけで歌番組さえ見ません。

>戦争はとても醜いことだとも思います。
↑そして大地と人の心の破壊しか残さないとも思います。 悲しい・・・
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