経済産業省資源エネルギー庁の給油所小売価格調査によりますと、2022年1月31日にレギュラーガソリンの全国平均は170.9円/ℓまで上昇しました。現在も上がったり、ちょっと下がったりしている状況です。
そもそも日本でガソリンが一番安かった時代(といわれている)のが、1966年4月〜8月ころは50円/ℓだったそうですが、1973年10月に開戦したイスラエルとアラブ諸国との第4次中東戦争と、1978年12月のイラン革命による2度のオイルショックを迎え1982年には177円/ℓまで値上がりしました。
その後、代替エネルギーや省エネルギー推進や、中東地域以外の原油生産量が増えたことなどにより、過剰供給となって、1986年ころには逆オイルショックになりガソリン価格は下がります。
しかし、1990年8月イラクがクウェートに侵攻し、一時的に原油価格は高騰し、2007年夏ころからの米国のサブプライムローン(=低所得者向けの住宅ローン)問題による、不動産価格の下落をきっかけに金融機関の経営が破たんし、投資家が現物投機にシフトし、原油価格が上がります。
この直後の2008年にはリーマン・ショックによる経済不況により、一時的に価格は急落したものの、再び市場は反転し、2010年頃から2014年前半までは高値安定でしたが、米国が原油輸出を解禁したことにより、2016年3月には落ち込んでいます。
2020年になりますと、新型コロナウィルス感染症の世界的パンデミックによる経済停滞によって、価格は激しく下がっていきました。
ところが、2021年の秋ころから経済回復傾向やウクライナ情勢などによって再び高騰しています。
と、このような感じでいろいろな社会的環境に影響されながら原油価格の乱高下でガソリン価格も乱高下しているのですが、近年(とはいっても1990年以降)でガソリン価格がもっとも安かった/もっとも高かったのはいつだか憶えていますでしょうか。
最安値:91円/ℓ(1999年3月~5月)
最高値:185.1円/ℓ(2008年8月)
安いときの記憶はともかく、この最高値のときはちょうど夏休みに小さかった息子たちと海水浴に出かけ、その帰り道に給油した際に1万円以上かかったことを今でも覚えています。
さて、日本政府は2022年1月27日に「ガソリンの急激な値上げを緩和するための緊急措置」を発動しました。これは史上初の措置で、海外から原油を購入しガソリンを精製している石油元売り業者(ENEOSや出光など)へ補助金を投入することで、ガソリンの販売価格を抑制するものですが、一瞬ガソリン価格が下がったような気がしますが、現状、価格は下がってきていません。
理由は、補助金でまかなえる範囲を超える状況で原油仕入れ価格の上昇しているためです。原油価格が上がれば、ガソリンだけでなく軽油や灯油などの価格も上がりますから、寒いこの冬の影響も大きいです。
そもそも、私個人的には補助金投入にはあまり期待はしていませんでした。この補助金が、どこでどのように消えていくのか?でしたので。
また、先日は国会でガソリン価格が高騰した際にガソリン税を引き下げる措置の「トリガー条項」を含め、あらゆる選択肢を排除せず、早急に、追加の対策を検討していく考えが示されました、これはこれでいいのですが、あくまでも一時的なことです。
そんな中、一般社団法人日本自動車連盟(JAF)が公式アカウントで、怒りの声明を発表しています。
(JAF(@jaf_jp)ツイッターより)
「何度も申しますが、現在のガソリン税は『Tax on Tax』や『当分の間税率』など不可解な仕組みで到底理解・納得できません。補助金などの対策ではなく、そもそも不可解な課税形態を見直すべきです」
ということです。
「当分の間税率」というのは、1974年に道路整備の財源不足を賄うための措置として、ガソリン税にさらに課税を上乗せした特殊な税率、「暫定税率」のことです。つまり、税金に税金がかかっているのです。
ほかにも身近なものでは、「酒税」「たばこ税」「石油石炭税」「石油ガス税」「自動車取得税」「ゴルフ場利用税」などもそれらの税額を含んだ小売価格に対して消費税が課されているのです。ほかにも、「固定資産税」「関税」などは商品やサービスの費用として含まれるため、その部分に関しては二重課税なのです。もっと、私たち国民は怒った方がいいのかもしれません。
まあ、私が家族会員会費も払っているだけのこともあり(?)、代弁していただいた今回のJAFの主張はごもっともなことです。
そうはいっても、そう簡単にこの仕組みは変わらないでしょうし、個人でできることといえば少しでも燃費のいい運転を心がけるしかないでしょうね。たとえば、急発進をしないとか、余分な荷物は下ろすとか、暖気時間を短くするとか、タイヤの空気圧のこまめに確認するとか。
ちなみに省エネルギーセンターの調査結果では、タイヤの空気圧が適正より50kPa低いと市街地で2.5%、高速道路で4.8%も燃費が悪化するそうですから。
本日も、私のブログにお越しいただいてありがとうございます。
今日はどのような一日になるのでしょうか。または、どのような一日を過ごされたのでしょうか。
その一日でほんの少しでも楽しいことがあれば、それを記憶にとどめるように努力しませんか。そして、それをあとで想いだすと、その日が明るくなる、それが元気の源になってくれるでしょう。
それを見つけるために、楽しいこと探しをしてみてください。昨日よりも、ほんの少しでも、いい一日でありますようにと、お祈りいたしております。
また、明日、ここで、お会いしましょう。