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野球小僧

第100回 全国高等学校野球選手権記念大会 三回戦 西東京・日大三高 vs. 京都・龍谷大平安高

龍谷大平安高が第100回目の夏の甲子園で、甲子園春夏通算100勝。史上2校目となる「100勝」の大台到達は、1908年創部の伝統校にとっての悲願でした。春夏通算74回の甲子園出場、夏3度、春1度の全国制覇を伝統校です。

現在、その龍谷大平安高野球部を率いるのは、「僕は、誰よりも平安が好きなんです」と言う、自称「平安ファン」の原田英彦監督です。幼少期から憧れ続けた母校・龍谷大平安高を誰よりも愛すると自負する原田監督にとって、「だから、100回大会の甲子園に平安が出ないなんて、しゃれになりません」と反感を買いながらも固い信念のように言い続けていました。

そんな原田監督ですが、その世代間のギャップで言葉が通じないという悩んだ時期があったそうです。

2016年夏。その春、龍谷大平安高は選抜でベスト4に進出し、甲子園通算99勝に到達していました。「夏は全国制覇して、100勝」と原田監督は燃えていましたが、選手たちの気持ちが対照的に盛り上がってこないのを感じていました。「春、ベスト4に入ったでしょ? そうしたら、大学の推薦が決まる。新聞や雑誌からもたくさん取材を受けて、いろんな記事も出てくる。周りにも褒められる。そうすると今の高校生って、満足してしまうんですね」と、現状で満足してまった様子だったそうです。それは、もう一踏ん張り、さらに上を目指して、夏を戦う闘志の炎を大きくしてくれませんでした。

原田監督はミーティングで涙ながらに、「俺ともう一回、甲子園に行って、100勝をしようや。俺は、お前らと一緒にやりたいんや」と選手たちに言いました。選手たちも感動の涙を流したのだそうです。しかし、そのモチベーションは、やはり続かず、その年、京都大会の四回戦敗退に終わってしまいました。

「だから、今の若いヤツはダメだ。根性がない。ハングリー精神もない。そう言うのは簡単だが、ただそれは指導者の単なる不満に過ぎず、何の解決策も生まれない。なら、どうすればいいのか。若い世代の心を、どうやって動かすのか」原田監督は自問自答を繰り返しました。

今年、「甲子園100回目の夏。どうしても甲子園に出たい。母校・龍谷大平安の通算100勝を何としても達成したい」と「100回目の甲子園で100勝」という原田監督の気持ちを表現する、キャッチフレーズは自然に出来上がりました。あとは選手たちをどう盛り上げるかです。

「だから、自分はこの夏、壊れたんです」と原田監督は、自分を“変える”ことにしたのです。京都大会。選手たちがヒットを打てば、ベンチ前で拍手、ホームインすればグータッチで迎えるようにしました。以前は厳しい表情を一切崩さずに戦況を見つめ、ミスにはベンチ内で怒鳴り上げた“鬼”指揮官の、180度転身です。勝利後のミーティングでは「お前たち、最高だぜ!」と、かつての原田監督からは、考えられない場面もあったそうです。

それは甲子園でも変わらず、一回戦の鳥取城北高の試合で先制点を取ると原田監督は両手で拍手し、生還した選手と右手でハイタッチしました。一塁側ベンチの右端の定位置から原田監督は何度も拍手し、笑顔で声を上げ、大きなジェスチャーで指示を送っていました。

ただ、優しい顔だけではなう、試合前には鳥取城北高の試合のビデオを徹底的に分析し、140km/h台の直球と鋭いスライダーを投げる鳥取城北高のエースの弱点(ランナーを背負ってのセットポジションでクイック投球が上手くない)を見抜いていたそうです。
それが、サヨナラに繋がる9回裏の2アウトからの二盗、三盗となり、得点圏にサヨナラのランナーがいるというプレッシャーを相手にかけるというプレーになったそうです。

「選手たちが……。ホントによくやってくれました……」「この舞台で……。そんなに気持ちが強くないんですが……。成長が……うれしいです」
試合後のインタビューで、原田監督は言葉が途切れ、涙があふれ、何度も声が震えました。

目標を掲げ、それを達成するために、リーダーは何をすべきなのか。

「ついてこい。やるぞ」

もう、その一方通行の指示では、誰もついて来ない時代です。だったら、どういうやり方で選手たちのモチベーションを上げ、目標に到達させるのか。人が変わればやり方も変わるのです。

第4試合
龍谷大平安 0 0 0 0 2 0 1 0 0|3
日大三   0 0 2 0 0 1 0 1 x|4
日大三高が全国制覇した2011年以来の準々決勝進出です。


(画像は画面キャプチャ)

龍谷大平安高は、2度同点に追いつきながら、8回に勝ち越し点を奪われ、2011年以来のベスト8入りを逃しました。

原田監督は「去年の秋から考えると、みんな必死にやってくれて、重圧に耐えて耐えて(甲子園通算)100勝も達成してくれた。これ以上ないよくやってくれた。本当によくやってくれた」と、声を震わせて涙を何度もタオルでぬぐっていました。

さらに「この(100回)大会に集中してやってきたから、彼らを労う気持ちが強い。OBとして、連れてきてくれてすごくありがたい」と、100回大会での通算100勝を挙げたナインに感謝していました。

京都勢春夏通算200勝は逃しましたが、「負けて悔しいけど、本当にこいつらはよくやった。負けた後にそう言いました。みんな泣いていたけど本当によくやりました。少しでも長く付き合いたかった。寂しいですね」と涙が止まらなかったそうです。


第1試合
常葉大菊川 0 0 0 0 0 0 1 0 3|4
近江    1 0 1 0 2 0 2 3 x|9
近江高が2001年以来のベスト8入りです。

第2試合
横浜  2 0 0 0 0 1 1 0 0|4
金足農 0 0 2 0 0 0 0 3 x|5
金足農高が23年ぶりのベスト8です。

第3試合
下関国際  0 2 0 0 0 0 0 1 1|4
木更津総合 0 0 1 0 0 0 0 0 0|1
下関国際高は初の準々決勝進出です。


(画像は画面キャプチャ)

これで、ベスト8が揃いました。

コメント一覧

まっくろくろすけ
eco 坊主さん、こんばんは。
甲子園に出場するようなチームは、どこのチームもやっているでしょうけど相手の分析は徹底しているのでしょうね。話によれば、ほんのわずかだそうです。

それが徹底して出来るのが、強いところなのでしょうね。

でも、これで龍谷大平安高の100勝目の話では、必ず、鳥取が出て来るので、まあ、良しとしましょう。

にしても、本日の試合は予想もつかない結果で。
eco坊主
おはようございます。

龍谷大平安には勝ち続けて欲しかったなぁ~だってあの鳥取城北が100勝をプレゼントしたんだから・・・あれっ!?(笑)

9回裏の2アウトからの二盗、三盗はそういう分析があったのかぁ~知らなかった!!!

ベスト8の戦い 楽しみですね^^
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