「太郎ぅ~。顔ばっかり下げないで、尻をもっと下げろよぉ~」
と雪の中、大きな声が響きます。
4人一組になって、リレー形式で行われたシャドウフィールディングでのことです。
しかも、一つひとつの動作をと形を確認するために、ゆっくりゆっくりと行います。
普段やっていることを再確認するように、ゆっくりと動作させると、とても簡単そうに思えますが、身体にとっては非常にきつい。実際に太郎にとっては、恐怖のメニューです。
両足は肩幅よりやや広めに足を広げ、ボールの来る方向に正対して向きます。
今回は両足は真横。実際には左足を少し前に出します。
そして、そのまますとんと真っすぐ腰を落とします。相撲の四股のような格好ですよね。
このときの姿勢で、身体が前後どちあかに傾いていないよう、左右どちらかにひねっていないように安定した真っすぐ保ちます。
あとは、グラブ側の手の力を抜いて、自分のひざがつま先よりも前に出ないよう、ボールを捕球する姿勢を保ちます。
このまま、右へ左へとチームメイトへバトン代わりのボールをパスして行きます。
必要以上に腰を落とす子もいれば、逆に太郎のように腰高な子も。
実際の速い動きの中でバランスを保つようにするためにも、時にはこうやって自分の姿勢を意識させて、姿勢のずれを直して、より安定した動きを身につけるように意識させてみるのも、いい練習になります。