日本野球機構(NPB)と日本サッカー協会(Jリーグ)が設立した「新型コロナウイルス対策連絡会議」の第3回会議が3月12日に行われ、感染症の専門医などでつくる専門家チームから選手やスタッフの感染対策、ファンの観戦時の対応策などが盛り込まれた提言書が提出されました。
選手や球団関係者には、検温や手洗い、うがいなどに加え、ロッカー室やシャワー室の時間差利用、同じポジションの選手ができるだけ行動をともにしないなどの具体的な対策が示されるとともに、感染経路を特定可能にするため、各自の行動記録も推奨されました。
チーム内に感染者が出た場合、当該者を入院や自宅待機にして、チームは活動を停止することなく練習や試合が可能らしいですが、個人的にはチーム全体として考えるべきだろうと思えます。
観戦者の対応についても、感染リスクとして、プロ野球の応援の風物詩となっているジェット風船やトランペット応援、ホイッスルなどの鳴り物、メガホンを打ち鳴らす声援、観客同士のハイタッチ、両手をメガホン代わりにした大声、手旗観客同士のハイタッチなどが挙げられました。
その中でも、特に専門家から感染リスクが高いと指摘された応援スタイルとして、これらのほかに、広島東洋カープのスクワット応援、埼玉西武ライオンズなどで見られるフラッグ応援など具体的な例も挙げられました。
また、感染リスクが要検討とされた中には、読売ジャイアンツの新外国人・パーラ選手のサメダンス、巨人などの応援タオルを振り回す、横に広げて左右に振るスタイルも指摘されました。
これでは球団ごとの名物応援はほとんどできなくなりそうです。なお、応援団による歌唱、拍手指導や通常の声援は中リスクとされています。
NPB事務局は、「必ず守らないといけない提言」としており、開幕するには感染防止対策の確立とともに、ファンの応援に関しても感染のリスクとならない方法が求められそうです。
過去に、2014年に中日ドラゴンズの応援団が応援出来ない時期があり、ちょうどナゴヤドームで試合を観る機会がありましたが、何とも言えない寂しい感じがしました。
2011年6月30日には、東北楽天ゴールデンイーグルスが「Sound of Ball Game」という鳴り物応援禁止試合を企画したものの、当該試合の観客動員数は9649人と同年シーズン平均の1万6225人より6500人以上も減少してしまい、翌年以降は実施されずに終わっています。
プロ野球の鳴り物応援は、1978年ごろに広島市民球場で広島東洋カープファンが始めたことから、日本プロ野球に定着したとされています。今や日本プロ野球の風物詩でもあります。
状況が状況だけに、応援自粛や企画とは違いますが、開催された後は果たしてどのような光景になっているのでしょう。また、これから先、ずーっとということではないでしょうけど、応援スタイルも変わっていくのかも知れません。
一つだけ、想像できるのはアルコール飲料の販売は観客席ではなく、売店に限定することも検討材料となっていますので、あの、「ビールいかがですか~」の声はスタンドから消えることになります。
こういう笑顔はしばらく見られなくなってしまうのですね。