国際オリンピック委員会(IOC)は3月17日に電話会議による臨時理事会を開いています。議題は、新型コロナウイルスの感染拡大で中止や延期が相次ぎ、混乱している各競技の東京オリンピックの選考会になるとのことです。その後に国際競技連盟(IF)や各国オリンピック委員会(NOC)、アスリート代表と選考会について電話会議を予定しているとのことです。このブログを書いている時点では、その結果はまだわかりません。
さて、日本プロ野球機構(NPB)の開幕が延期になり、「開幕はいつになるか」「どのような形式になるか」が注目され、直前まで無観客で開催する意向だった選抜高等学校野球大会が中止。海外でもメジャーリーグベースボール(MLB)の開幕が延期になっています。
その状況の中で、当然というか、やっぱりというか、ひっそりと、「感染拡大する新型コロナウイルスに対応して選手、関係者、ファンの健康と安全を守るために、東京オリンピック・アメリカ大陸最終予選を延期する」と世界野球ソフトボール連盟(WBSC)が3月12日(日本時間3月13日)に発表しました。
野球競技のアメリカ大陸最終予選は、3月23日~27日まで米国アリゾナ州テンピとサプライズで行われる予定でしたが、WBSCは米国野球協会、地域の保健当局と協議した結果、延期を決定したのです。すでに4月1日から5日間、台湾で開催する予定だった世界最終予選も6月に延期が発表されています。
東京オリンピックの野球競技出場チーム数は6。
現在、開催国の日本のほか、2019年9月のヨーロッパ・アフリカ予選を勝ち抜いたイスラエル、2019年11月のプレミア12で2位の韓国と3位のメキシコの4チームがすでに出場権を獲得しています。残るはアメリカ大陸予選と世界最終予選の各優勝国に与えられる2枠となっています。
アメリカ大陸予選には8ヶ国が出場することになっています。プレミア12で4位となりこのアメリカ大陸予選で出場権獲得を目指す米国は、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で2大会連続準優勝のプエルトリコ、第3回WBC優勝のドミニカ共和国らと同じグループAに入っています。
また、中日ドラゴンズのライデル・マルティネス選手とヤリエル・ロドリゲス選手、福岡ソフトバンクホークスのジュリスベル・グラシアル選手、アルフレド・デスパイネ選手、リバン・モイネロ選手など日本プロ野球に関わるメンバーを擁するキューバは、ベネズエラやカナダといったWBC常連国と同組になっています。
アメリカ大陸予選は、一回総当たり戦のグループリーグで各グループ2位までが決勝ラウンドに進出し、優勝国に東京オリンピック出場権が与えられることになっています。
残り1枠のオリンピック出場権を世界最終予選で、アメリカ大陸2、3位、台湾、オーストラリア、中国、オランダの6ヶ国が参加して競うことになっています。そのため、アメリカ大陸予選が終わらなければ、世界最終予選を開催することは出来なくなってしまいます。
米国では非常事態宣言が発せられ、ドナルド・トランプ大統領は、「今後8週間が極めて重要だ」と強調していますので、「8週間=約2ヶ月」ですから単純計算で5月中旬まではこのままのイベント関係中止が考えられます。つまり、アメリカ大陸予選のスケジュールは、それ以降となり、世界最終予選が6月ではなく、さらに延期される可能性があるという意味になると思います。
よって、東京オリンピックが予定どおりのスケジュールで開催されたとしても、野球競技自体の開催はピンチであることは間違いないかなと考えます。
さて、WBCの予選も延期されました。
WBC組織委員会は、2010年に開かれる同大会の参加国を20ヶ国に拡大していますが、本選に参加する4ヶ国を追加で選抜する予選を3月13日~18日、3月21日~26日の2度にわたって米国アリゾナ州ツーソンで開催する予定でした。
WBCを主催するメジャーリーグ事務局は、新型コロナウイルス感染拡大が引き起こした米国の非常事態宣言によって、3月13日にオープン戦を中止し、シーズン開幕を2週間延期することを決め、WBCの予選もその影響を受けてしまったということになります。
東京オリンピックの野球競技は、新型コロナウイルスに完封負けしてしまうのでしょうか・・・「9回裏2アウトランナーなし」まで追い込まれている状況です。