先日、MLBサンフランシスコ・ジャイアンツから2020年のコーチングスタッフが発表されました。
その中でアリッサ・ナッケンさんがアシスタント・コーチとして起用され、MLBの歴史上で初の女性の常勤コーチが誕生しました。ナッケンさんはサクラメント州立大のソフトボール選手として、4度全米学生優秀選手に選出されたキャリアを持ちます。
その後、2014年にジャイアンツの野球運営部門にインターンとして勤務を始め、2015年にはサンフランシスコ大でスポーツマネジメントの修士号を取得し、チーム初の社員リソース・グループの議長を務めていました。
近年、MLBでは少しづつ女性の雇用を進めてきており、2015年にジャスティン・シーガルさんがオークランド・アスレチックスの教育リーグのゲストコーチとして雇用され、MLBでの初の女性コーチとなりました。シーガルさんは、2017年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)にて、イスラエル代表チームにWBCでは初となる女性コーチとして帯同しました。その後、2019年には、日本のBCリーグ・福島レッドホープスに臨時コーチとして就任しています。
また、ニューヨーク・ヤンキースのAAには2020年2月からレイチェル・バルコヴェツさんがバッティング・コーチに就任することになっています。バルコヴェツさんは、大学時代にソフトボール部に所属しキャッチャーとしてプレー。2019年8月から「ドライブライン・ベースボール」で働き、バッターのアイトラッキングとピッチャーの動きに関する研究を行っており、これまで(話題の)ヒューストン・アストロズAAなどでコンディショニング・コーチも務めていました。
ジャイアンツのゲーブ・キャプラー監督(2005年の読売ジャイアンツに所属)「アリッサはこの組織の中で高く評価されています。今後、同チームの『勝利への組織作り』に貢献してくれることを、嬉しく思っています」とコメントしています。
ヤンキースのバッティング・コーディネーターのディロン・ローソンさんもバルコヴェツさんについて、「なぜこのポジションにレイチェルを選んだのかを答えるのは簡単だよ。彼女は良い打撃コーチ、良いコーチなんだ」と語っています。
一方で、残念なことに、ジャイアンツでもプレーしたMLB通算1699安打のオーブリー・ハフさんがTwitterで、「元女性ソフトボール選手から野球の指導を受けるなんて想像できないよ」とジャイアンツを批判。また、現役時代には赤いTバックを穿いてプレーしていたこともあり、「女性記者がクラブハウスにいる時、Tバックを穿くことが厄介だったよ。フルタイムの女性コーチがいたんじゃ、どうなるのか想像できない。これも#metooや#BelieveAllWomenの一環なんだ」と、女性差別と捉われてもおかしくない発言をしています。
能力ある人は男性だろうが、女性だろうが関係はないと思いますし、誰にでも平等にチャンスを与えるお国としては残念なことです。
このような発言をしている人にコーチングされるのは、御免と思う選手は多いのではないでしょうか。