「キューバ危機」とは、私が生まれるはるか前の1962年10月22日から13日間にわたって、核戦争の一歩手前まで行った世界を震撼させた国際的事件です。
米国の南、カリブ海の大アンティル諸島(西インド諸島の一部)にあるキューバ共和国で1959年1月1日にフィデル・カストロさんの指導によるキューバ革命が成功。キューバで社会主義国家の建設が進み、米国資本を追放するなどの政策により、米国に敵視されたキューバは、当時続いていた冷戦による対立を背景にソビエト連邦(ソ連)と接近。
1960年にソ連と正式な外交関係を結ぶと、米国は1961年1月3日に国交断絶に踏み切る。さらに米国はキューバ政権転覆を謀り、亡命キューバ人のキューバ侵攻を支援し、同年4月に亡命キューバ人に侵攻させ、政権の転覆を謀るが失敗。それに対してキューバは反米姿勢を強めてソ連に近づき、ソ連も第三世界への支援と核戦力の強化によって対米優位を得ようとしてキューバに核ミサイルの配備を計画。
1962年10月14日、米国空軍の偵察機がキューバ上空で撮影した写真で、ソ連によるミサイル基地が建設進行中であることが判明。これは核兵器による米国本土攻撃を可能にすることであり、米国は10月22日夜、攻撃的兵器が運び込まれるのを防ぐため、キューバ周囲を海と空から海上封鎖することを宣言し、空軍には核兵器搭載を命じる。一方のソ連は潜水艦に護衛された攻撃的兵器を積んだ艦船をキューバに向かわせており、このままでは米ソの直接衝突、つまり最悪の事態では核戦争の危機が迫る。
これにより、米ソは誤った判断が間違いなく核戦争を勃発させることになると認識する中、裏面での交渉を重ねていく。
10月26日、ソ連は米国がキューバに侵攻しないと約束するならミサイルを引き上げると伝える。10月27日午前に米国国家安全保障会議が開かれる。
正午には米軍の偵察機がキューバ上空で撃墜されたというニュースが入り、米国軍部はキューバ報復を主張。このとき、米国政府首脳は、この日が生涯最後の日になると覚悟したという。また、ソ連の首脳も家族にモスクワから脱出するよう連絡したという。
しかし、午後4時、米国は報復攻撃を行わないことと、ソ連の提案を受け入れることを決定。午後8時頃、米国からソ連に伝達され、10月28日午前9時にソ連がキューバからミサイルを撤去すると発表を行い、危機は回避された。
私たち人類にとって、キューバ危機は大国間の戦争にはなりませんでした。また、キューバ危機の反省から、米ソ首脳は緊張緩和(デタント)を模索することなり、両国はホットラインで直接対話できるようになり、核開発競争には一定の歯止めが行われるようにもなりました。
一方でキューバは大国間に振り回されつづけられました。「キューバを防衛する」という名目でソ連に援助を持ちかけられたものの、何の相談もなくそれを撤去させられ、1991年にソ連が崩壊すると、キューバの経済はかつてない規模の衰退に陥りました。キューバから脱出すべく、米国を目指して亡命を図る人々が増加し、亡命を希望しなかった人々の間でも1993年に米ドルの所持が解禁されると、格差が生まれ、それまでの平等主義体制に亀裂が入る結果となります。
そこには、小国は常に大国間政治に踊らされる運命というものもあるでしょうか。
現代の「キューバ危機」といえば、2021年5月下旬~8月中旬の中日ドラゴンズ。
ライデル・マルティネス選手、ヤリエル・ロドリゲス選手、アリエル・マルティネス選手のキューバ選手が東京オリンピックの野球競技出場をかけて5月1日~6月5日に米国フロリダ州で開催される予定の米大陸予選に参加するため、5月下旬に離脱する予定です。もしも、予選でオリンピック出場権を獲得でなければキューバは台湾で行われる最終予選に出場、そして、オリンピックで決勝まで進んだ場合、8月13日のペナントレース再開まで約2ヶ月半も不在という可能性があるのです。
3選手の離脱は当初からわかっていたことですが、想定外といえば代役クローザー候補の筆頭だった木下雄介選手がオープン戦で右肩を脱臼し、手術して今シーズン絶望。シーズン当初にクローザーを任された祖父江大輔選手も昨シーズンに比べるとピリッとしていません。 福敬登選手、谷元圭介選手、鈴木博志選手らの中継ぎ陣も今一つの調子です。
となりますと、今シーズン唯一安定している又吉克樹選手か、藤嶋健人選手に任せるかですが。
また、キューバ野球連盟が発表している最終候補者36人には、福岡ソフトバンクホークスのアルフレド・デスパイネ選手、ジュリスベル・グラシアル選手、リバン・モイネロ選手が選ばれていますが、選手層が厚いこともあり、ドラゴンズほどの危機にはなりそうもないと思いますが。
何にせよ、この期間の停戦協定もあり得ないでしょう。大国間(読売ジャイアンツと阪神タイガース)に踊らせられないよう、強力な攻撃力を装備していない小国(ドラゴンズ)は、専守防衛に徹するだけです。
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