【時の流れの速さについて、現代は激流の如くに の巻】
■マーケティングリサーチ会社「日本リサーチセンター」が昨夏に実施した「時代のスピード感」についてのアンケート結果を公開している。
(全国18~79歳の男女1200人が回答)
問いは、
「一昔」は何年前か? (十年一昔(じゅうねんひとむかし)という「ことわざ」があるが、現代では「何年くらい」だと感じますか?)
ことわざは「世の中は移り変わりが激しく、10年も経つともう昔のことになってしまう」という意味だが、「今の時代感覚だと、何年にあたるでしょう」と聞いているワケ。
回答では、
「5年」が最多の33%
次いで「3年」が19%
通説の「10年」は15%
性別、年代別でも同様の傾向だったという。
■その理由はいろいろあるだろうが、
PC・スマホを抜きに考えられないのではないか。
人間の生活を楽しくするはずのツールが、
忙しくするという皮肉な現象。
しかし、こうした傾向は加速することがあっても、
減速するとは思えない。
パンドラの箱は、もう開けられたのである。
■そうして2016年春。
人類最強囲碁棋士がコンピューターに敗れる衝撃から
早くも4年となろうとしている。
AIは、少なくとも江戸末期から二百年来の碁を変えた。
これは主に序盤においてである。
「感覚的だった中央を精緻に数値化・数量化できた」(趙治勲)
ことが大革命につながったらしい。
しかしAIは、
シチョウが読めない
コウ争いが苦手
部分的な死活に弱い
などの欠点が明らかになってきた。
それでもトッププロより強い。
囲碁という不思議な遊戯の深遠さを、改めて感じてしまうのである。
パンドラの箱 現代は「開けてはいけないもの」「わざわいをもたらすために触れてはいけないもの」との意味に使われる慣用句。ギリシア神話に登場する人類最初の女性パンドラに、ゼウスは「絶対に開けてはいけない」と言って箱を渡した。しかし、開けてはいけないと言われて、気にならないわけがなく、パンドラは好奇心に負けて開けてしまう。飛び出してきたのは、争い・疾病・悲観・不安・憎悪・犯罪・欠乏など。パンドラは慌ててフタを締めるが、既に全ての禍いは人間界に解き放たれてしまう。そして、箱の最後に残ったものが「未来がすべて分かってしまう禍い(希望)」だったとされている。