囲碁漂流の記

週末にリアル対局を愉しむアマ有段者が、さまざまな話題を提供します。初二段・上級向け即効上達法あり、懐古趣味の諸事雑観あり

論語読みの論語知らず

2020年07月19日 | 雑観の森/心・幸福・人生

儒教の経典である「論語」を
したり顔で語ることはできても
教えを実践できていない者の愚かしさから
書物を読んでも表面的に理解するだけで
真髄を分かっていない人をあざけっていう言葉である

 

 

民には知らしむべからずか? ~ 頭の中に消しゴムを持て の巻】

 

 

民は之に由らしむべし 之を知らしむべからず

(たみはこれによらしむべし これをしらしむべからず)

      


これを

「人民というものは、政府の政策に

盲目的に従わせておけばよい」

と、解釈されていた時代があった。

あの家康も、施政の根本方針としていた。

 


ところが、これは漢文の読み違えであり、

「人民には政府の施策を従わせることはできるが、

人民に政府を政策を知らせることはなかなかできない」

という解釈に やがて落ち着いた。

 

ボタンの掛け違い?により

孔子は「民衆を愚とする封建専制政治を唱えた者だ」

と、長く曲解されていたのである。

 


近現代は、バランス感覚を保持しつつ

良識的編集権を持つ数少ないマスメディアが

「知らせる」という役割を担うはずだった。

紙と電気の発明によってである。

ところがネットという“魔物”が現れ、席巻している。

「権力」と「メディア」と「読者・視聴者」の間に

一定の信頼関係がなくては成り立たないのに。

無理解と偏見は強まり、疫病と不安が広がり、

さらなる分断を加速している。

挨拶をしない、返事をしない、交流しない。

今も昔も、無理解と差別とバイアスを増殖させる

悪しき温床の元がこの辺にある。

 

 

 

 

科学が万能だというのは近代人の一つのミスですね

              鈴木大拙(すずき・だいせつ)

 



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