しっしょう【失笑】 (笑ってはならないような場面で)おかしさに堪えきれず、ふきだして笑うこと=広辞苑 第6版
本来は「あきれて笑う」などの侮蔑的な意味は一切ない。若者中心に「誤用」が広がってきたのが気がかりだ。
【「こう思う」「こうします」を観察するの巻】
■二十数年前の中国・天津。
■大事な仕事で通訳を務めてもらった現地の20代青年と、朝から晩まで一週間ほどを過ごしました。
■狭い団地の借家で両親と暮らし、現地で働きながら日本語を会得した元苦学生でした。
当時の百貨店の売り子の月給が8000円前後。日当1万円の通訳は桁外れに割りのいい仕事。
一週間の食事代は、ちゃっかり、こちら持ち。でも通訳のスキルは想像以上の出来でした。
仲良くなり、団地に招待され、両親にご挨拶。わたしの娘にも土産を用意してくれました。
「まもなく貯蓄が800万円ほどになる」といい、戸建て住宅を買って親孝行したいと話す。
この国の大発展の兆しを至る所で実感したものです。この小さな旅の予期せぬ収穫でした。
■「彼との毎日」で教えてもらったことを一つ紹介します。
「中国の街を歩いていて、日本人はすぐに見分けられる」と言い切ります。
彼は、人ごみの方向に指を差しては「あれは日本人」「あれもそう」と次々と言い当てていきます。
彼は、人ごみの方向に指を差しては「あれは日本人」「あれもそう」と次々と言い当てていきます。
「なぜ分かる?」
「日本人はヒトの良さそうな顔をしている」
「え?」
「ボーとしている。みんな隙だらけだ」
◇
■さて前回投稿のヒトラーの言葉「今日ではカネが唯一の人生の尺度になったかのようだ」の意味がお分かりですか?
■「話をしても分からない者は殴る」のと同様、国家間では概ね「経済交渉が決裂すれば開戦」となります。
■以前書いた通り「すべての戦争は要するに強盗行為」(ヴォルテール)ですから、好戦勢力の素顔が見えてくるでしょう。凡庸な頭の中は、実はがらんどうで、「損か得か」が泡の如く詰まっています。
◇
■政権への大衆の期待は「経済政策」「景気対策」のようですが、遺憾ながら半分は的外れ。経済格差が広がったこの国において、景気がよくなったからといって、裾野にまで恩恵が回ってくるのは最後の最後。増税分をカバーできるほどのリターンは、かなり先のことです。
■問題の根っこは、20年余り前、欧米流「自己責任論」に悪乗りし、大衆を惑わせた「真のワルたち」にさかのぼります。ならば、どうすればいいのでしょうか。
◇
■近現代人の多くは、教養を積むより、富を求めるほうに、数千万倍もの努力を捧げています。
■当然、視界は狭く、一歩外の世界に出ると、簡単に騙される。カネを必要とする刹那的享楽以外に価値を見出せず、「外面はカネ持ち、内面はビンボー」のビミョーなヒトも少なくありません。だましあいのゲームのような人生を送ります。
■第二次世界大戦前夜の「かの国の状況に酷似している」といくら指摘しても、耳を貸すヒトが極少数の理由は、このあたりにあります。「歴史は繰り返す」のはやむを得ないこと。残念ですが。
▲▼公共放送が「お楽しみシュール劇場」になっている。言うまでもなく選挙戦は「契約の事前説明」だ。
「何をする」かを注意深く聴く。「やるやる詐欺」「やると言わないでやらかす詐欺」の判別は来週から。
「世情」 中島みゆき作詞・作曲
♪ 世の中はいつも 変わっているから
頑固者だけが 悲しい思いをする
変わらないものを 何かにたとえて
その度崩れちゃ そいつのせいにする
シュプレヒコールの波 通り過ぎてゆく
変わらない夢を 流れに求めて
時の流れを止めて 変わらない夢を
見たがる者たちと 戦うため
世の中は とても 臆病な猫だから
他愛のない嘘を いつもついている
包帯のような嘘を 見破ることで
学者は世間を 見たような気になる