【古典の知恵、哲学・宗教の役割、そして老年の価値】
世はコンピューターが支配的になり
世界が、時間が、縮んできた
科学は研究速度を増して
新しいものに重きが置かれ
古いものは当たり前とされ
こともなく上書きされ
捨てられ忘れ去られる運命にある
わたしたちが生きる21世紀
老年にとっては、生き辛さが
とりわけ強調されている
乗合バスの乗り遅れが
情報過疎という名の
屍の山を築いている
一方、新聞ネタには事欠かない
既視感のある政治的経済的ヘマや
繰り返される類似性のある事件事故
「人間は進歩しているのだろうか」と
ため息が漏れ、首を傾げる毎日である
◇
新しい物事にしか興味がなく
価値を置かないとしたら
どんな社会になってしまうのか
現代の「早わかり」の風潮は
社会的な病といえまいか
科学万能主義は諸刃の刃であり、
枝葉末節の迷路に誘い込ませている
薬でもあり、毒でもある
ともすると
枝葉に陥りやすい私たちの関心を、
太い幹に引き戻す力は何かといえば
それは長い時の試練をくぐり抜けて
光彩を失わない古典の一群であり、
哲学や宗教の役割ではあるまいか
碁と懐古趣味の組み合わせも
ムダとの烙印が押されかねないが
果たしてそうともいえまい
日々の書き飛ばしブログも
フォロワーやリアクションの数が
低位安定基調となって久しい
何人かの顔を思い浮かべて
語り掛けるのは、挨拶のひとつだし
コミュニケーションの大事な道具だ
年明けに、開設から4年を過ぎる――
▲こういう本もまたよろし、古い価値を掘り起こすチカラがある
陰気な空想(青い悪魔)を吹っ飛ばし、爽快に過ごそう、と思わせてくれる