囲碁漂流の記

週末にリアル対局を愉しむアマ有段者が、さまざまな話題を提供します。初二段・上級向け即効上達法あり、懐古趣味の諸事雑観あり

耳赤の一手③

2019年08月02日 | 【カベ突破道場】
 
「絶妙手」と「名局」の評価の巻】
 
▼90~111
白が容易に負けることのない形勢が続きます
見事な打ち回しです 

 
 
▼112~127
いよいよ白の形勢がいい
白26とハザマに期待した瞬間、黒はまさかの手抜き
「黒27」は長考の末に打たれた勝負手だった
華麗な打ち回しの白に、一瞬の空白があったのか
黒27が絶妙手になるのなら、
白26は「い」あたりに打っておくべきだった、となるのだが……
 
 
 

▼128~141
白28はAIが評価したとされる手
2線と低いのだが、分断する手が大きいのだろうか?

逆転といっても、まだ形勢は微細
ともに最善を尽くし、終盤に向かう
ただ「耳赤の一手」におびき寄せられたように、
白は中央にこだわり、しかし手を掛けたにも関わらず
薄い形になっている

このあたりから秀策の適切な着手が連続していく
 
 
 
         ◇
 

■この後、えんえんとコウが続き、差は3目に開いた。
この時代はコミがなかったが、「黒番が有利」ということは分かっていた。
白番は上位者なので、黒が1目か2目勝っても「やや押し込まれた」という評価だった。持碁(盤面引き分け)は白勝ちだが、白1目負けでも白の名局は多い。
 
3目勝ちは完勝とは言えない。
この碁は、黒の序盤のしくじりがあって、白が快調に打ち回したし、中盤の妙手から黒が立て直したものの、とても全体として黒の出来が良かったわけではない。

むしろ「白の名局」と評価する声が多いのである。
 
■また「耳赤の一手」についても、
呉清源は「一流なら誰でも打つでしょう」との評。
依田紀基も「立派な碁だが、飛び抜けて凄いとは思わない」と言う。
さて、みなさんはどう思われますか?
 


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