囲碁漂流の記

週末にリアル対局を愉しむアマ有段者が、さまざまな話題を提供します。初二段・上級向け即効上達法あり、懐古趣味の諸事雑観あり

江戸の実験碁③

2019年10月03日 | 【カベ突破道場】

本因坊秀和の技芸の巻】

 

白28と消して白30は、黒の受け方次第で、黒29の一路右にツケるのを狙った手

この後の攻防を予想してください

右上は黒の石数が多いところですが、右辺が手薄で、白が暴れ回りそうな予感がします

 

 

 

 

■お江戸の碁界で最高の舞台は、家元四家(一部の外家を含む)の七段(上手)以上が出場する「御城碁(おしろご)」でした。

年に一度、将軍の前で、日頃磨いてきた技術を披露します。

禄をいただいての士分扱いに対する「義務」であり、その成績が家格と名声を定めました。

なお、将軍によっては欠席する場合も多くなり、その際は代理で老中などが見守りました。また時間無制限だったため、あらかじめ打った碁(下打ち)を並べていくだけ、というスタイルに変わっていきました。 

下打ちの間は「缶詰」の定めがあったことから「碁打ちは親の死に目に会えない」という言葉が生まれました。 

230年余り続き、計67人が出仕して計536局があった、と記録にあります。

 

■御城碁のハイライトは、御城碁19戦無敗の空前絶後の記録を残した秀策でした。

しかし彼は、若くして亡くなってしまいます。

跡目と決めていた兄弟子・秀和の悲嘆は大きく、幕末の混乱によって自身の名人就位の道も絶たれます。 



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