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囲碁漂流の記

週末にリアル対局を愉しむアマ有段者が、さまざまな話題を提供します。初二段・上級向け即効上達法あり、懐古趣味の諸事雑観あり

郵便配達は二度ベルを鳴らす

2019年11月17日 | ●○●○雑観の森
真剣勝負は「一度斬り」であるの巻】
 

■わたしは、同じ日に同じ相手と続けて2局を打ちたくない。
碁が荒れて、雑になるから、である。
 

■初戦で負けると次こそ勝ちたい、と思う。
そして、初戦に勝つと連勝したい、と思う。
そりゃ「ゲーム」「勝負」だから、
勝つのが楽しいし、負けると悔しい。

しかし「面白い手を打つ」あるいは「面白く打つ」という“冒険”をしなくなる。
これが、まことに興冷めなのである。

         ◇

■実は、別の同好会で「あまり勝ち過ぎると、相手がいなくなくなるぞ
といわれたことが、軽いトラウマになっている。
下手には連勝せず、1勝1敗で行け、という意味らしい。
 
ここは半期リーグ戦と、年間リーグ戦とを同時並行で行っていて、
半年間で同じ相手と計4回の公式戦を戦うことになっている。
わたしは三段だった頃、半期を23勝7敗(勝率7割6分)で四段に昇段した。
確かにそんなに勝たなくても、昇段できる。
趣味の同好会である。
皆、碁を楽しみにやってくる。
その高段者の言は、それを手加減しないでどうする、である。
その一言で、この会から少し足が遠のいた。
 

■本拠地の同好会でも、前年度までは「優勝すると昇段」と決まっていた。
すると年に2段階、3段階もアップする可能性が出てくる。
降段の仕組みがないので、あとは無理な階級で打たなくてはならない。
ボクシングみたいなもので、一階級上がると、とたんに勝てなくなる
これでは面白味が、苦しみに変わろうというものだ。
ただし、これは今年度にポイント制(勝ち負けで点数が上下し、ランクが自動決定)
という新しい試みが導入され、改善された。英断である。

         ◇

■昨日の本拠地同好会の例会。
入会したばかりのM四段と対局し、初戦は中盤で大石を切り取って中押し勝ち。
もう一番やりたい、とおっしゃる。
次局は、いつものように負けた。
真剣に打ったつもりだが、どうしても勝ちたいというチカラが入らない。
負けたのは相手が上手かったのだが、勝負というものは、やはり「」である。
一度お手合わせした相手なので、次回は「同じ日に2度打たない」ことにする。
 
真剣勝負は、勝っても負けても、一度だけ。
斬られるとおしまい、なのである。
 
 
 

争碁(そうご) 勝敗に重大な結果を賭けた碁の対局。江戸期には「家元の名誉」や「名人碁所」の地位を賭けた。1645年、幕命により空白の碁所を賭け、二世本因坊算悦と二世安井算知の間で行われたのが最初。黒番と白番を3局ずつ9年に渡り争ったが、互いの黒番を勝ち3勝3敗の打ち分け。碁所は一時預かりになった。その後、算悦は48歳で病死し、算知が碁所に任ぜられた。これを不服とした算悦の跡目・道悦。幕府の意に反して争碁を申し込み、負けたら遠島も覚悟の上で打ったところ、道悦が12勝4敗4ジゴで勝ち、算知は引退する。道悦も公儀に異議を申し立てた責任をとり、跡目を道策に譲って引退した。

番勝負(ばんしょうぶ) 囲碁・将棋のプロ棋戦などで、同じ二人の対局者が複数回の対局を行い、勝数が多い方を勝者とする決定法。「番」は対局の局数を意味する。現在のタイトル戦は「七番勝負」「五番勝負」などと数字を冠して表記する。囲碁では「番碁」ともいう。
         
 

碁にも名人戦つくれ  坂口安吾

https://www.aozora.gr.jp/cards/001095/files/43155_30637.html

 

         ◇

 
 
 
郵便配達は二度ベルを鳴らす 米国の作家ジェームズ・M・ケインの小説。妻が愛人と共謀して夫を殺すという実際の事件を下敷きにしたサスペンスドラマ。この作品で郵便配達は登場しない。作者は、友人の脚本家が「郵便配達員がいつも二度ベルを鳴らす」という話を聞いて、重要な出来事は全て2回ずつ起きていることから、本作のタイトルに相応しいと閃いた、と話している。 
  


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