囲碁漂流の記

週末にリアル対局を愉しむアマ有段者が、さまざまな話題を提供します。初二段・上級向け即効上達法あり、懐古趣味の諸事雑観あり

歴史は知っている 7

2020年08月22日 | 雑観の森/政治・経済・社会

 

わが身に巡ってきた吉凶禍福を思い起こす一日 の巻】

 

江戸のはじめ、

熊本城内で蜷川治部が風呂に入っていると

火を焚いていた下男が、友達に話し掛けている。

「俺は殿様と同年同月同日同時の生まれなんだ。

しかし貧富というものは これと関係がないとみえ

殿様は大国を治め、俺はようやく風呂焚きである。

何という不運のことであろうか」

 

この話を治部から聴いた細川忠利が、

小姓に命じて「桐の箱」を三つ用意した。

中に入っているのは

「黄金五枚」「小判三両」「銭十五文」

であった。


かの下男を呼び寄せ

「その方、生まれ年月は余と同じであるそうだが

しかし、恵まれないのを嘆いていると聞く。

至極もっともであるが、定めて境遇が悪かったのであろう。

そこでただいま、お前の生まれつきの貧富を試す。

これらの箱、どれでもよいから取ってみよ」


下男は喜んで一つを選び取ったところ、

空けてみると「銭十五文」であった。

すると忠利は重ねていわく

「このように、すべてである。

よって、天を恨まず、また余を悪くいってはならぬ。

この三つの箱は、お前の老後の養い料として与える」

 


細川忠利(ほそかわ・ただとし) 肥後国熊本藩初代藩主。細川忠興の三男で、母は明智光秀の三女・玉子(細川ガラシャ)。幼少時は病弱だったため、玉子が洗礼を受けさせた。

 


         ◇

 


本日、昭和31年生まれの わたくしの誕生日。

 

 

 


 花束を君に♡  2020/08/19投稿



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