【GoToトラベルの全国一時停止
~ なぜ、遅きに失したのか の巻】
「殿様」と呼ばれた江戸期の大名・旗本は
五千数百人ほどいた、といわれている。
知行高にして数十万石を誇る大大名は一握りで、
100~200石程度の小禄の旗本がそれなりにいた。
池波正太郎の小説「鬼平犯科帳」の主人公「鬼平」こと
長谷川宣以(のぶため、通称・平蔵)は400石だった。
火付盗賊改方の長官職といっても
この殿様は幕臣のなかでは“上級管理職”といえようか。
「殿」は、貴人が住んだ「邸宅」のことを指した。
古事記に
「伊弉諾尊(いざなぎのみこと)、
伊弉冊尊(いざなみのみこと)が、
八尋殿(やひろどの)を建てられた」
と、あるのがはじまりである。
それから「殿」という呼び名が建物に使われた。
宮中では紫宸殿、清涼殿、大極殿などがみえており、
神社でも拝殿が、貴族の奥舎に寝殿があった。
ところが平安中期ごろから意味が変わり
それらの「殿に住む人」の敬称になった。
藤原道長は入道殿、藤原頼道は関白殿と呼ばれた。
女子は女御殿と大鏡、栄華物語にある。
武家時代に入ってからも、これにならい
源義朝は頭殿(とうどの)、
源頼朝は佐殿(すけどの)と呼ばれ、
こののちも盛んに用いられたが
室町時代に入ってからは、どういうワケか
「様」と重ねて用いるようになった。
◇
「とのさま」といってもピンキリだったが
封建時代は身分・家格が厳然としていた。
庶民からはいずれにしても遠い存在だった。
いまはどうか といえば、
金バッジを付けると踏ん反り返り
落選すればタダの人となる。
虚栄心と傲慢を持てるうちは、
社交や奢侈、娯楽、遊興、浪費に励み
せいぜい自分だけは特別と思うがよい。
ヒトのカネ(税金)も自在に動かし放題である。
ただし堀の中に堕ちる「先生」も時々おられるので、
そのあたりのご用心をお忘れなく。
忘年会の自粛呼び掛けているのに……
菅首相「国民に誤解招き反省」 その夜また、はしご会食
東京新聞 2020年12月16日 23時54分
菅義偉首相は16日、政府の新型コロナウイルス対策などを巡り、官邸で記者団の質問に応じた。首相は観光支援事業「Go To トラベル」の全国一時停止を発表した直後の14日夜、自民党の二階俊博幹事長らと8人程度の会食を行った。政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会は会食は少人数にするよう呼び掛けており、首相は14日の会食について「国民の誤解を招くという意味において、真摯に反省している」と語った。
首相は「他の方との距離は十分にあった」とも釈明した。首相は14日夜、都内のステーキ店で二階氏やプロ野球ソフトバンクの王貞治球団会長、俳優の杉良太郎氏、政治評論家の森田実氏、タレントみのもんた氏らが参加した「忘年会」で会食した。その前には、都内のホテル宴会場で複数の経営者らとも懇談した。
政府の分科会は10月、「5人以上の飲食では感染リスクが高まる」と注意を促し、今月11日には、忘年会・新年会は「普段から一緒にいる人と少人数で」開くよう提言した。感染者が急増するステージ3相当地域では、大人数の忘年会は見送るよう求めた。
◆徹底すれば5人以上の会食OK? 問われる首相の姿勢
首相の会食について、16日の衆院内閣委員会では西村康稔経済再生担当相が「いろんな状況がある。感染防止策を徹底することが大事だ」と釈明。立憲民主党の大西健介氏は「対策をしていれば5人以上でも会食していいかのような発言だ」と、整合性の取れない対応を批判した。