【昭和40年発行「囲碁百科辞典」を紐解けば。 の巻】
■大辞典 局面に難解な定石ができて大変面倒になったとき。また新定石などの場合。
■大大変 一目損をしたくらいでも大変という碁界では、本当に大変だという時にもうひとつ大の字をつけないと人が本気で聞いてくれないというので、いつの間にかこんな言葉が使われるようになった。
■大名碁 殿様碁と同じ。アマイ碁。
■ダメのメはアンマのメ ダメを打つのは意味がない、ということ。(ただし、いまはメディアで使わない言葉。マッサージ師という)
■丹下左膳 一眼しかない状態。
■旦那 賭け碁の時には、よくかせがせてくれるいい相手。
■旦那初段 戦前、アマの段持ちが少なかった時代では、時にはアマイ段をもらうひとがあり、そういうひとを旦那五段といった。
■出歯亀 ノゾキのこと。むやみやたらにノゾイてくる碁。
■手筋らんらん 手筋がバンバンと飛び出してくる。
■天孫降臨(てんそんこうりん) 敵の大模様を軽く消す場合、ポトンと一石を下す。その時、いかにも天から降りてきたような感じを与えるときである。
■道中が長い 四つに組んだ碁。持久戦模様で、なかなか勝負がつかないとき。また中盤を終了してヨセの段階に入っても、ヨセ具合によって どちらが有利か見当のつけにくい碁をいう。
■どうやるとすとれいとふらっしゅ ポーカーのローイヤールストレイトフラッシュをもじって、どうやればいいんだろう、と独言をいうときによくつかう。
■どさくさまぎれ 火事場泥棒ともいう。ある部分で戦いが行われているとき、そのついでにキカシをうったり、地でトクをしたりすること。戦いに関連して打つ手だから相手が手を抜けないのである。行きがけの駄賃とだいたい似た意味。
■殿様碁 殿様のように鷹揚な碁。アマイ碁。
■ドリル キリキリと穴をあけるように、部分的な戦いで相手を突き刺すように、厳しく攻めること。梶原武雄のドリル戦法、などは有名である。ヤスリ攻めとよく似た戦法。
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こうしてみると
江戸の文化のいろが残っていることがわかる。
あるいはダジャレのようなものもある。
みなさん、生類わかりみの令?
わかりみ わかりやすさ。生類わかりみの令は、「わかった」という意味の「わかりみ」からさらに派生した令和時代の若者ことば。もちろん「生類憐みの令」にひっかけた駄洒落