㊤ は1831(天保13)年の江戸城・御城碁の棋譜
㊦ は2023(令和5)年の秋田・旧料亭金勇の棋譜
今月から新聞碁の棋譜が大きくなり
「日本囲碁大系」並みに見やすくなった
盤に石を置いていっても目がチカチカしない
棋譜を眺め、解説を読むのも良いが
並べてみるのも一興で、感じるものがある
二百年前の碁が再現されるとは大げさか
碁の上達法としては
手間暇かかるといえなくもないが
静かな独りの時間の楽しみ
と考えれば苦にならない
これもひとつの趣味として続けたい
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大橋成哉七段の著書「棋譜並べ上達法」の
まえがきにある〝棋譜並べの効果〟を
引用する
・落ち着いて局面を見ることができるため、さまざまな手に気づける
・一手一手を理論的に考えるようになり、早打ちの癖が抜ける
・碁を俯瞰的に見る癖がつくことで、大局観が身につく
・盤面を客観的に見られるようになり、形勢判断能力がつく
・布石や定石に詳しくなり、序盤で圧倒されることがなくなる
・プロのちゃんとした打ち手を見るので、筋が良くなる
・打つ手の意味を深く考えるようになり、ヨミの力がつく
氏は修行時代の勉強の9割は「棋譜並べ」で
一日100局並べることを目標にした、という
棋譜並べなくしては、碁の上達はない
と言っていいでしょう、と断言する
一日1局以上が目標のわたしとは雲泥の差であるが
「ゼロ」と「1」とは全く違うゆえ、よしとしたい
蛇足ながら、わたしもニ、三の項目を付け加えたい
・毎日碁石を触るので、手付きが良くなり、所作も洗練されていく
・最後まで並べて整地すれば、ヨセから終局の技術に隙がなくなる
・何より芸術的な打ち回しをいつでも堪能できる