【プロもハマる「13路盤」「置き碁」の世界
~ たくさん負けて、たくさん学ぼう】
囲碁は
ルールが簡単なのに
取っ付きにくいのは
「盤面が広すぎて
どこに打った良いのか
さっぱり分からない」
という点にあります
以前は「19路盤」で
教えるのが普通でした
19×19=361地点から
1地点を選んで
石を打たねばなりません
初手は361分の1ですが
2手目は360分の1
3手目は359分の1
となるのですから
局面は狭くなり
着点の選択肢は少なくなります
しかし
石を取ったり
囲いを破ったり
という局面では
大きな価値を持つ着点が
いきなり出現するという
複雑性が潜んでいます
それはともかく
361分の1とは
気が遠くなりそうですが
現実の有力な着点は
そう多くありません
よさそうな着点を見つけ
幾通りかのヨミを入れて
そして決断し着手するのです
初級あたりにはそれが難しい
そこで
「9路盤」や「13路盤」が
入門・初級者向けに
使われるようになりました
9×9=81地点
13×13=169地点
となりますから
選択肢は少なく
対局に慣れるまで
基礎固めにぴったり
というワケです
では、
やさしいかといえば
そうではありません
九路盤の対局は
いきなりバトルになり
序盤から接近戦で
1手の巧拙で
勝敗が決まります
十三路盤の対局は
布石が重要となり
布石→中盤→ヨセの流れも
十九路盤に似た感覚で
ステップアップの手掛かりが
つかめます
この辺が案外楽しく奥深い
トップ棋士をも
夢中にさせる魅力が
あることが分かりました
最近は
プロ同士の勝ち抜き戦が
開催されることもあり
注目を集めています
わたしはスマホゲームで
ときどきコンピューターと
対局しています
13路盤でも超早碁ですから
5分10分で決着します
やっかいなのは
段級位が上がるほど
相手はグンと強くなります
一局ごと勝ち負けにより
段級位が変動します
「有段になっては
級位に叩き落される」
という繰り返しです
初段~3級あたりを
ウロウロしています
最高でも四段止まり
でも
戦いやヨセの勉強に
役立っているようです
何よりヨミの速さが
格段にアップしました
なにより、どういう手を打てば
負けるのかが分かってきました
▼「13路盤」のプロ対プロのガチ対決
また、
十九路盤の「置き碁」も
プロ同士で楽しむことも
あります
日本棋院の教本では
「プロとプロの置き碁」が
掲載されています
生きたお手本として
置き碁の勉強には
最適です
プロ同士のガチ対決ですから
マネできない高度な技も
随所に出てきますが
正しい石の方向、形と筋が
体感できます
ちなみに
石田芳夫九段のプロ対局譜では
詳しい解説と対局結果が
掲載されています
置き石ひとつの価値が
ざっくりと理解できます
❶手数❷結果
そして❸置石1子の価値
を、わたしなりに解釈し
以下に記載しておきます
九子局=214手完、黒中押し勝ち
八子局=237手完、黒130目勝ち、16目
七子局=240手完、黒78目勝ち、11目
六子局=214手完、黒72目勝ち、12目
五子局=205手完、黒71目勝ち、14目
四子局=250手完、黒55目勝ち、13目
三子局=246手完、黒29目勝ち、9目
主な参考図書
並べて楽しむ囲碁ドリル12・実践編(日本棋院)
囲碁の文化誌(日本棋院)
囲碁有段シリーズ「置碁—白の作戦」(山海堂)
どんどん勝てる置碁作戦集(山海堂)
囲碁の世界(岩波新書)
並べるだけで二・三子強くなる(誠文堂新光社)