囲碁漂流の記

週末にリアル対局を愉しむアマ有段者が、さまざまな話題を提供します。初二段・上級向け即効上達法あり、懐古趣味の諸事雑観あり

たかが碁、されど碁/余話3

2022年01月12日 | ●○●○雑観の森

 

【プロもハマる「13路盤」「置き碁」の世界

 ~ たくさん負けて、たくさん学ぼう】

 

 

囲碁は

ルールが簡単なのに

取っ付きにくいのは

「盤面が広すぎて

どこに打った良いのか

さっぱり分からない」

という点にあります

 


以前は「19路盤」で

教えるのが普通でした

19×19=361地点から

1地点を選んで

石を打たねばなりません

 

初手は361分の1ですが

2手目は360分の1

3手目は359分の1

となるのですから

局面は狭くなり

着点の選択肢は少なくなります

 

しかし

石を取ったり

囲いを破ったり

という局面では

大きな価値を持つ着点が

いきなり出現するという

複雑性が潜んでいます

 

それはともかく

361分の1とは

気が遠くなりそうですが

現実の有力な着点は

そう多くありません

よさそうな着点を見つけ

幾通りかのヨミを入れて

そして決断し着手するのです

初級あたりにはそれが難しい

 

そこで

「9路盤」「13路盤」

入門・初級者向けに

使われるようになりました

 

9×9=81地点

13×13=169地点

となりますから

選択肢は少なく

対局に慣れるまで

基礎固めにぴったり

というワケです

 

では、

やさしいかといえば

そうではありません

九路盤の対局は

いきなりバトルになり

序盤から接近戦で

1手の巧拙で

勝敗が決まります

 

十三路盤の対局は

布石が重要となり

布石→中盤→ヨセの流れも

十九路盤に似た感覚で

ステップアップの手掛かりが

つかめます

 

この辺が案外楽しく奥深い

トップ棋士をも

夢中にさせる魅力

あることが分かりました

 

最近は

プロ同士の勝ち抜き戦が

開催されることもあり

注目を集めています

 

わたしはスマホゲームで

ときどきコンピューターと

対局しています

 

13路盤でも超早碁ですから

5分10分で決着します

やっかいなのは

段級位が上がるほど

相手はグンと強くなります

 

一局ごと勝ち負けにより

段級位が変動します

「有段になっては

級位に叩き落される」

という繰り返しです

初段~3級あたりを

ウロウロしています

最高でも四段止まり

 

でも

戦いやヨセの勉強

役立っているようです

何よりヨミの速さ

格段にアップしました

なにより、どういう手を打てば

負けるのかが分かってきました

 

 

▼「13路盤」のプロ対プロのガチ対決

 

 

また、

十九路盤の「置き碁」も

プロ同士で楽しむことも

あります

日本棋院の教本では

「プロとプロの置き碁」

掲載されています

生きたお手本として

置き碁の勉強には

最適です

 

プロ同士のガチ対決ですから

マネできない高度な技も

随所に出てきますが

正しい石の方向、形と筋

体感できます

 

ちなみに

石田芳夫九段のプロ対局譜では

詳しい解説と対局結果が

掲載されています

 

置き石ひとつの価値

ざっくりと理解できます

❶手数❷結果

そして❸置石1子の価値

を、わたしなりに解釈し

以下に記載しておきます

 

九子局=214手完、黒中押し勝ち

八子局=237手完、黒130目勝ち、16目

七子局=240手完、黒78目勝ち、11目

六子局=214手完、黒72目勝ち、12目

五子局=205手完、黒71目勝ち、14目

四子局=250手完、黒55目勝ち、13目

三子局=246手完、黒29目勝ち、9目

 

 

 

 

主な参考図書

並べて楽しむ囲碁ドリル12・実践編(日本棋院)

囲碁の文化誌(日本棋院)

囲碁有段シリーズ「置碁—白の作戦」(山海堂)

どんどん勝てる置碁作戦集(山海堂)

囲碁の世界(岩波新書)

並べるだけで二・三子強くなる(誠文堂新光社)

 

 

 

 



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