恩師の演奏から

2017-01-06 09:22:38 | 音楽
今弾いているレゲンデなのだが、前のお教室の発表会で先生が
講師演奏されたことがあった。
ありがたいことに、その時の演奏を録音したCDが手元にある。
平成15年の発表会で自分の演奏とともに録音されている。

普段私は、曲の取り掛かりくらいまでしか音源を聞かない。
今のように練習が一巡して大体の仕上がりイメージが見えて
きたら、まず聞かない。

なんでかって。
「私はこんなふうには弾けない」
ってマジマジと感じて、どよよ~んとしてしまうからよ。
ただそれだけ。
本当は音楽的なものの参考に聞く方がいいのかなと思うが。
どうしても、どよよ~んってなってしまうから避けている。

しかし今、私のレゲンデは相当伸び悩んでおり。
前の先生の演奏ならレッスンしてもらうつもりで、とか思って
…思っちゃって。
聞いた。

そしたら、もうなんか圧倒的すぎた。
どよよ~んを通り越して、私なんて豚足で弾いているような
もんだって思った。
意味不明だけど、ニュアンスで…。

私はいつも音程音程って言っているけれど。
まず、そういう問題じゃないよねってトコからスタート。
スタートラインにも立てていない。
こんなに差があるのかって、ムチャムチャショックだった。

いや、取り掛かりの頃にはこのCDを何度も聞いたのだ。
だけど、自分がそれなりに真剣にこの曲と向き合ってみた後
になると、聞き方も感じ方も全然違う。本当に全然。

「私このままじゃヤバイ」って心底思って。
かといって、じゃあどうしたらいいの?って感じ。

しかし考えてみれば、自分と比べた相手は前の先生。
先生は本当にすごい方で、私はヘナチョコ。
比べること自体が間違っている。
だけど、ヘナチョコだからって「もうこれでいい」というわけには
いかない。
ヘナチョコなりの気概ってもんがあるのだし。

一方で先生の演奏を聞いてショックを受ける自分のおこがましさ
みたいなものも強く感じる。
また?いまさら?弾けているとでも思ってた?

……以上のようなことを踏まえて、結局いつものようにやるだけ
やるし、諦めないし、頑張る。
先生の演奏はひとまず置いておいて、自分なりに良く弾けたって
思えることもあるかもしれない。

だけど、なんだか結構泣けた。
色んな感情がアレコレ込み上げてきて。
前の先生にもっと真剣に教わっていたらとか。
自分は年だけとってしまったのだとか。
取り返しのつかないことばかり。

まあ、とにかくどうしたって先生のように弾くのは無理なので、
今の自分が出来るだけのことをやるしかない。
前の先生からいただいた卒業試験みたいな気持ちで取り組もう
と思う。

ちなみに、平成15年の発表会で私はバッハのバイオリンコン
チェルト2番1楽章を弾いた。
久々に自分の演奏を聞いてみたが、なかなか上手だったし、
音が今よりずっとキレイのように感じた。
ホールの音響のせいだろうか。ウソでしょ?って感じ。
こんなにいい音で弾いていたなんてね。
休んでいた6年間で私は一体何を失ったのかなあ…。
なんちゃって。暗すぎ。大丈夫大丈夫。

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