晩秋の僧堂 相国僧堂
雲水が雲板を打つ音が堂内に響き、1日の修行の終わりを告げる。
禅の修行は言葉は発せず、手の所作と鳴り物で合図を出す。例えば座禅に入るときには、最初チーンとリンを打ち、拍子木がパーンと鳴ればもう微動だに出来ない。警策を担いだ直日(じきじつ、修行僧のリーダー)が雲水の間を廻り、座相が悪いと警策を打たれる。又、肩や腰が固まった時には自ら警策を乞う。合掌をしてうつむき、肩に反対側の手を当てる。パンパーンと乾いた音が響いて、次は逆の肩に手を当て同じようにパーン。これだけで体の痺れが吹っ飛ぶ。
雲水修行は座禅だけではない。自給自足が基本なので、作務という農作業や徹底した掃除、托鉢や季節季節の行事を行なう。もちろん読経も。
この絵は1日の修行の終わりを告げる図である。カーーンカーンカンカンカンカンと静寂を破って響き渡る。
絵絹に岩絵具
この絵はパステル画とはチャイます。絵絹の上に岩絵具で描いとりますねん。
日本の風景は油より水で溶く絵の具で描く、ツヤなし、完全フラットの画面の方が似合うー思いますねん。ほんでも油絵と違って、ボカシが自由にできしまへん。濡れとる間にボカすんはおんなじどすが、水はすぐに渇きよるから、さっさとやらんとあきまへんのや。下の絵の具の層が掘れん様に慎重かつ一発勝負どす。しくじったら直すのにものすごー時間かかります。きたのーなりますし。
何十年か前はドライブラッシュちゅー技法でやっとりましたんどすが、時間かかりすぎと、筆がすぐにちびりますねん。今は水で濡れとる上から、水で描いとります。岩絵具やから出来ますんや。
この絵は上から三番目の方が良かばい。上に伸び上がるような動きがあるし、この段階でまとめれば良かった。完成はちょっと描き過ぎ、説明し過ぎ、ちょっと重い。
近頃、絵の描き方を教授する動画、よー見ますねん。グレイズたらスカンブルたらグリザイユゆー古典技法を駆使して描いてはりますわ。かっこよろしおますなー。わてノンはインプリマトゥーラゆー技法ですねんで。わてもやったろー思いますんやけど、動画よーしませんねん。
グレイズ 透明絵の具によるお汁描き
スカンブル 不透明絵の具によるお汁描き
グリザイユ モノクローム描き。この上にグレイズで色を重ねる、まー明治のころ白黒写真に色をつけてカラー写真みたいにしたよーなもんどす。
インプリマトゥーラ 有色下地に白と黒でデッサンをして、上に不透明に絵の具を重ねる。ダビンチの絵でも、黄土地にデッサンだけとってやめた絵がウフィッツィ美術館にありますやろ。なんでやめたんかは知りまへんけど。
過去の名作集弁理士の甥っ子は糞サントリーでいじめ殺されました。
☆頂相画家西村俊廣のパステル画作品集 頂相は信仰の対象であり公開できません。