忘憂之物

男はいかに丸くとも、角を持たねばならぬ
             渋沢栄一

第3次大戦は「何としても避ける」…軍事介入への慎重姿勢を貫くバイデン氏

2022年03月12日 | 忘憂之物





ロシア軍によるウクライナ侵攻。相変わらず玉石混合、情報が飛び交っているが、ちょっとロシアが阿呆すぎるのが気になる。外相会談後のロシア、ラブロフ外相の発言「我々はウクライナを攻撃していない」を取り上げて「ロシアのプロパガンダが酷い」「堂々とフェイクを言う神経はどうか」とのことだ。

SNSやらネット番組なんかみていると、如何にロシアの言い分が陳腐なものかを例えていた。いくつか覚えているのを書くと「日本にも在特会がある。それなら日本全体が極右勢力なのか」「日本に連合赤軍があるから、あるいは日本共産党があるから、日本は共産国家ということになるのか」などか。

ちょっと単純が過ぎないか。

先ず、念のために確認しておくが、ロシアがいま、ウクライナに対して行っているのは良くも悪くも軍事侵攻だ。ウクライナの住民が犠牲になっていることに胸が潰れそうになるのは、人類共通、一般国民ならみんな同じだ。求められているのは「速やかなロシア軍の撤収」であり、ウクライナ民間人の安全確保であり、誰も死なない、誰も傷つかないのがいちばんだ。

そんなことは阿呆でもわかる。辻元清美でも福島瑞穂でも言う。つまり「阿呆みたいなことではないこと」に引っかかる。また、そこが明確にならない限り「原因」などがわからないはずだ。原因がわからないなら解決策や打開策も見誤る可能性がある。ウクライナ人のためにロシアを倒せ、プーチンを殺せ、だけが解決策だとはどうしても思えん。プーチンが狂ってる、も苦し紛れ感がすごい。70年代のSF映画でもあるまいし、暗黒皇帝さえ倒せば日本はもう安全だ、とはどうしても思えんのである。

アメリカの下院議員、マルコ・ルビオが「プーチンを暗殺するしかない」と議会で述べて叱られていたが、日本の地上波テレビでも公然と「プーチンを暗殺するしかない」と言う元県知事もいた。チベットやウイグルでのジェノサイドを行っている習近平にも同じことを言うかと思うに、やはり、なんか引っかかりはしないか。「斬首作戦でもやれ」と言うなら金正恩も的にならねばおかしい。プーチンをヤレるなら、これもやれるのではないか。

少し戻るが、在特会とか日本第一党と比較されているのは「アゾフ大隊」などウクライナの極右勢力だ。在特会も出世したものだが、同じく昇格したアゾフ連隊は正式なウクライナ国家親衛隊だ。在特会が自衛隊と同じ装備をつけて軍事訓練を受けているのか。桜井誠がアンドリー・ビレツキーだと言うつもりか。在特会がキエフに侵攻するロシアの戦車部隊を相手にドニエプル川東岸、ブロバルイにてドローン攻撃して大破させることができるか。拡声器で「ロシアは出ていけ」とは言えても、対戦車砲で軍事攻撃はできないと思う。そもそもからして比べる対象ではない。

もちろん「連合赤軍」などは、もう、7名が指名手配されているだけだ。不気味ではあるが脅威でもない。日本共産党は事実、白鳥事件やら大須事件もあった。昔のこととはいえ、たしかに怖いが実際は規模が違う。また、いわゆる「日本の保守系論者」や「保守系団体」などについても極右などと称される場合があるが実際はどうか。日本会議なども掲げているのは「美しい日本の再建と誇りある国づくり」だ。私は会員ではないが異論はない。

「大日本帝国の復活」やら叫んでいるのは鳥肌実くらいだが、あれは仕事だ。

また、ゼレンスキー大統領はユダヤ人だ、で論破、議論の余地なしという雰囲気も勘弁だ。だからなんだ、と言う他ない。石平氏は元中国人だが中国共産党、習近平を蛇蝎の如く嫌っている。日本人でも「反日日本人」がたくさんいて困ってるはずだ。帰化人政治屋も何人か並べて、日本に対して愛国心があると、自信をもって言えるのは何人いるのか。「ユダヤ人が反ユダヤ」はなにも不思議ではない。いったい何に誰に何処に気を使っているのか。

それにマイケル・スケイキンが「ナチスになったユダヤ人」を書いたように、ウイグルでもチベットでも生きるために、あるいは否応なく、全体主義の体制側にスタンスを置くこともある。こんなことは常識の範疇かと思う。

それに戦争の一部である情報戦だ。相互に不信感を持つのも致し方がない。歴史に学べば「戦意高揚」や「国民感情」を扇動するために戦争広告屋がいるのも周知の事実だ。「ナイラ証言」やら「原油にまみれた水鳥」も有名だろう。先の大戦中だけではなく、今でも日本はかなりヤラれていると思うが忘れてしまったのだろうか。いわゆる「従軍慰安婦問題」やら「南京大虐殺」もそう。「バターン死の行進」に「東京裁判」に正当性はあるか。爆撃された上海駅に取り残された赤ん坊のプロパガンダ写真は本物か。日本兵はインドネシアやフィリピンで何万人も犯して殺したのか。ぜんぶプロパガンダだったではないか。

ロシア軍が産院を攻撃した、としてゼレンスキー大統領は

「産科病院への空爆こそウクライナで虐殺が行われている証拠だ。占領者がマリウポリで行っているすべての行為は残虐の域を超えている。ヨーロッパの人々、ウクライナの人々、マリウポリの人々。きょう我々はロシアの戦争犯罪を糾弾するために団結しなければならない 」

と声明を出している。ロシア、プーチンに対して「産院はナチスか、妊婦はロシアにとって脅威なのか」と名セリフだ。

さすがは国民的人気者の元俳優さんだ。何度も何度も日本のテレビ、地上波でもやっていた。たしかに普通の感覚なら涙なくして見れない。毅然と語るゼレンスキー大統領に対して、そこに痺れる憧れるのもわかる。絵に描いたようなヒーロー、リーダー像がそこにあった。日本なら「総理大臣役」といえば田村正和か木村拓哉か、津川雅彦でも中井貴一でも渡辺謙でもいいが、たぶん、同じこと言ったら格好よろしい。個人的には北大路欣也なら疑わないかもしれない。私も大泣きするだろう。

しかし、涙を拭いて、冷静になってから「ナイラ証言」とか思い出して、ちょっと考えてみる。「保育器から赤ん坊が放り出されて殺された」をみたときの涙を思い出す。あれで米軍は出た。つまり議会の承認を得た。とっくにフセインは完全に悪魔化されていた。フセインは絞首刑になる直前、立会人から勧められた目隠しを拒否して「アッラーフ・アクバル。この国家は勝利するだろう。パレスチナはアラブのものだ 」と叫んで吊るされた。悪魔ならもっと気の利いたセリフがあったのではないだろうか。


いずれにせよ、だ。

私はこのブログの過去記事でも散々、ロシアやプーチンを批判している。最近はもう、餓鬼っぽいから止めたが、以前は「露助」と書いていた。とはいえ、いまでも旧ソ連もロシアも嫌いな国であるし、全体主義や共産主義は人類の敵だとすら思っている。中国共産党も「早くどうにかなったらいいのに」とか思う。日本を敵視する、あるいは日本に対して侮辱的な言動をみせる国は当然ながら嫌悪する。そういう意味ではアメリカも信用はしても信頼はできない。バイデンから信用すら危ういと思っている次第だ。

しかし、いま行われているのはワールドカップではないしWBCでもない。プーチン対ゼレンスキーの格闘技イベントでもない。「応援する」という概念とは少し違うはずだが、国会議員までもが黄色と青でコーディネイト、ネクタイにヒマワリを入れてみました、ウクライナがんばれはどうか。

日本の優れた保守論者も「ロシアが一方的に攻め込んだからロシア人が死ぬのは自己責任」で思考停止か。国家が崩壊する可能性があるのに「何故に」プーチンは攻め込まねばならなったのか、まったく、気にもならないのか。このままなら欧州全体に戦火が広がるという懸念もないか。プーチンは本当にNATOと大戦争をしたいと思っているのか。普通に考えて勝てる見込みはないから、出てくるな、として核攻撃の恫喝くらいして当然ではないか。

今年の11月8日はアメリカの中間選挙だ。立憲民主党ではないが、このままならバイデン民主党は「負けるか、ボロ負けか」ではなく、壊滅的な敗北を喫する。もう、国内での偏向報道も情報統制も利きが悪いはずだ。トランプをホワイトハウスから追い出すために、かなりの無茶をやった代償ともいえる。

いま、世界中が「米軍が何とかすべき」と思っている。なぜ出てこないんだ、どうしてウクライナを助けないのか、と憤っている。あながち外れているとは思えぬが、ウクライナ紛争でネオコンが儲けるだけ、とか悪口も聞こえてくる。欧州とロシアの離間工作だ、という識者もいる。もちろん、ある意味では同意する。しかし、だ。

戦火が大きくなり世界大戦となって、世界から「助けてください」と声が出るとき、押っ取り刀でフルチャージの米軍が出てくると、国際社会はどう動くだろう。たっぷりと軍産複合体も儲けを出したあと、バイデン民主党は大好きな戦争をしないだろうか。いや「何故に」いま、バイデンは頑なに「避ける」と言わされているのだろうか。それも言わなくて良いタイミング、言ってはならないタイミングで。

事実は小説より奇なり、といういことで素人の予測をすると、バイデンは夏前に急に死ぬかもしれない。それから不人気のカマラハリスではない「新大統領」が議会の承認を得て米軍に出撃命令を出す。当たり前だが、それらのシナリオ、軍事作戦はもうできているだろう。

極悪非道の大量殺戮兵器も躊躇なく使用する「暗黒国家ロシア」を中心とする悪の枢軸に対し、全力の本気を出した火力の米軍が一網打尽、そのときアメリカ国民は「我が国は世界の警察ではなく、人類の偉大な救世主になった」と歓喜しないか。それが今年の夏が終わる頃にあったとすれば、トランプ、アメリカ共和党は巻き返せるだろうか。実はそこから「始まる」のではないだろうか。

私は日本が心配だ。日本政府にはどうか、巧く立ち回ってほしいと切に願う。





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