忘憂之物

男はいかに丸くとも、角を持たねばならぬ
             渋沢栄一

岸田首相連発「しっかり」「検討」=低姿勢に野党攻めあぐね―参院予算委

2021年12月18日 | 忘憂之物





クレーム対応のコツ、みたいな本も出ているが、およそ書いてあるノウハウは同じようなもので、会社の対応部署での指導もこれらに似る。ポイントを整理すれば「心情を理解して寄り添う。共感する」「不便や不快を与えてしまったことへの誠心誠意の謝罪」「現状の確認と提案、解決策を提示」「本件に関する謝罪と情報の提供や同意に対する感謝」などになるか。

某大手量販店の窓口対応の責任者に友人がいる。話を聞くと理不尽極まりない。また、顧客側の明らかな虚偽申告も見過ごされるのがルールだ。別の会社、クレーム対応が回ってくるポジションの知り合いはこう言う。

「お客様とは争わない。お客様とは戦わない。お客様とは嘘をつかない」

もちろん、最後のところは違う。インド人もびっくりするし、インディアンも嘘をつくのが世の常だ。しかしながら組織の歯車、上からの動力に逆らってもネジが外れて飛んでいくだけだ。それならバカのふりしてへらへらと、顔だけ真面目、態度だけ恐縮、言葉だけ丁寧にやり過ごし、くるくる回って帰りのチェーン居酒屋でハッピーアワー、レモンサワーが何杯でも190円とかで愚痴ればいい。今日の客は最悪、昨日のアレも頭がおかしい、とかやればいい。

みんな大好き地上波テレビでも、こんなひどいクレーマーがいました、とかやる。視聴者応募で再現ドラマを作り、正義の常識者がそれをやっつけてスカッとするような番組もあるが、いろいろやっても客観性が乏しいからそういう言動を取るわけで、それら番組は知っていても「自分のことではない」としてみているのだろう。その根拠は「自分には正当な理由がある」になる。

いつも間違っているのは相手であり、自分は正しい側にいると知れている、というマインドだ。いわゆる「認知バイアス」に含まれる「確証バイアス」だ。自分が正しいと思いたい、自分には非がないと思いたい、という心理状態で起こるが、まあ、簡単なことだ。要するにワガママ勝手、阿呆な餓鬼のことだ。

例えば、気持ち良さそうに手を広げながら、全国中継のテレビの前で「金正恩が北京に来るかもしれない。如何なるチャンスも逃さないなら、岸田総理は北京五輪、行くべきではないですか、どうですか」とかやる帰化人議員のことだ。あんなの「自分が正しい」と脳内に練り込まれていないとやれない。もし、私がアレをやれと言われたら、本気で堪忍してくださいと泣くかもしれない。想像しただけでも体毛が逆立ち、羞恥心で心が潰れそうになる。



他にも、自分の子供が自分に似て頭が悪い。遺伝子学的にも説明がつくほどの当り前をして「教師が悪い。塾が悪い」。どこまでも自分の育て方や子供の頭の不出来は悪くない。また、ついでに書いておくと、子供が勉強をしないんです、と相談してくる親は先ず、自分が勉強していない、ということだ。お父さんはテレビで野球中継見ながら酒飲んでばかり、お母さんは阿呆な番組を見ながらゲラゲラごろごろ。子供にだけ「宿題はしたの?」。子は嫌でも親の背を見て育つ。するわけがない。蛙の子は蛙。お前の子はお前だ。




ところで、この岸田総理。クレーマー対策室長ならまあまあか。いまの特定野党の議員相手なら、巷のクレーム対策が用を供するかもしれない。

ポイントも抑えている。なにを聞かれても「ご指摘の内容については、非常に重大、且つ、重要なことだと認識しているところでございます」と言われたら、とりあえず、文句も言えない。また返答の際、キーワードを繰り返したり、相手の労を認めることも効果的だ。最近聞く「言うべきは言う」なども秀逸。なにを言うか、は絶対に言わないところが肝要だ。本当に「クレーム対応」に関するビジネス本の類を読んだのかもしれない。


しかしながら、巷の「確証バイアス」的なクレーマーに言っておきたい。あまり調子に乗り過ぎると、その代償は安くないこともある。

知り合いの某飲食チェーン、チンピラ風の3人組が店舗責任者をはじめ、従業員一人、エリア幹部一人を正座させて説教、およそ6時間ほど店内に居座って、真面目に働くおじさんやおにいさん、おねえちゃんを虐めた。料理に紙屑が入っていた、という古典的な昭和のいちゃもんだった。阿呆には言いがかりも思いつかないのか、とちょっと笑ってしまったほどだ。

夕方にまた連絡するから、今回の件、どうやってケジメつけるのか、社長と相談して決めておけ、と捨て台詞で勝ち誇ったチンピラは後日、土下座でも許してもらえないことになった。平たく言うと逮捕されて起訴された。民事でもまあまあの賠償金額、チンピラには多額と思われる金を請求されている。

店内には防犯カメラもある。音声も残る。顧問弁護士もいる。専門のチームもある。社長は言った。「オレの部下にあんな真似させやがって、絶対に許さんぞ、あのクソ餓鬼ども」。

事なかれ主義で対応してお茶を濁すのは世間体やらコストやら、まあ、いろいろあるが、本当のところは「客商売としての矜持」で流しているだけだ。心の底からお客様に感謝しているから、当社、当店において「ご不便をかけた、不快な思いをさせてしまった」ということに真摯に向き合っているからである。

だからこそ、安易にそこを踏み越えてきたら容赦もしない。客商売をしている者が「客と認知しない」となれば、そこにいるのは莫大な資金力を持ち、絶大な社会的信用があり、多数の関連業者からなる巨大ネットワークがあり、本気の勉強やら努力やらを前提とした成功者だ。夜の駐車場で襲わぬ限り、そこらのチンピラがどうにかできる相手ではない。ちゃんと正攻法でヤラれるだけだ。その正座させられたおねえちゃんは「心労」で入院した。後遺症も心配だ。さて、いったい、チンピラはどうケジメをつけるのか。他人事ながら同情する。


クレーム対応などで、もうひとつ大切なことは、だ。

相手が反社とかなら早急に対応する、ということだ。日常生活と己の人生に不満ばかりの人の所為おばはんなのか、承認欲求のお化けみたいなマウントじじいなのか、親の保護下でなくては生きていけないくせに、一端の消費者を気取る勘違いのハナタレなのか、それとも暴力団と関連する注意人物、団体、組織なのかは判別しなければならない。それならすぐに警察に相談となる。

先ほどの知人の言葉を変えて言うとこうなる。

「反社とは争わない。反社とは戦わない。反社とは嘘をつくどころではない」

火事は消防署に通報。コロナは保健所に連絡。反社は警察署に相談だ。自分でなんとかする、の先にあることだ。間違えないようにしたい。



ところで、中国共産党に対する「対中非難決議」がまた決議の採択がされなかったとか。シェイシェイは「今はタイミングではない」と言っているらしい。現在進行形のジェノサイドや数多ある人権侵害、領土拡張主義や軍事力による現状変更への明確な意思。まさか、そのタイミングとやらは「五輪前だから」ではあるまいな、と心配になるが、たぶん、岸田政権はチンピラとヤクザを峻別できていないか、深刻な「暴対法違反者」がたくさん紛れ込んでいる。

日本が危ない。




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