忘憂之物

男はいかに丸くとも、角を持たねばならぬ
             渋沢栄一

杉田議員は差別発言謝罪を新聞労連が声明

2023年11月05日 | 随感随筆



「日中記者協定」ができたのは1964年。正式には「日中記者交換に関する覚書」というらしいが、そんな世にも珍しい覚書など世界のどこにもないから正式も和式もない。

覚書には当然のように「反中国的なことは書かない」があった。具体例も何もない。なにがどう「反中国的」なのかは中国共産党が判断するわけだ。一党独裁国家のお家芸ともいえる、今に通ずる「如何様にも恣意的な解釈ができる」という優れモノである。

勝手にしろ、と記者を引き上げればいいのだが、その2年後に文革が始まる。1967年には先ず、当然のように産経新聞の柴田記者が追放されたが、続いて毎日新聞、西日本新聞の記者も国外追放された。刃引きして書いても駄目だった。中国を刺激するな、中国に逆らって生きていけるのか、くらいは橋下徹でも知っている。日本の新聞記者は北京に「どう書けばいいですか?こう書けばいいですか?」と問うべきだった。

気をつけていた読売新聞は日本国内で「チベット展」を開催したのがバレて北京常駐記者の資格が剝奪された。日経新聞の北京特派員はスパイ容疑で逮捕、勾留されている。そろそろ「文革のこととか書いたらダメなんじゃ?」と広まる頃にはNHKも共同通信も国外退去されて再入国不可にされた。中国から日本の新聞社の記者がいなくなった、と思ったら、朝日新聞の秋岡家栄特派員だけは残っていた。当時の朝日新聞社長広岡知男、さすがの指示であった。「こういうことを書けば国外追放になるということは、おのずから事柄でわかっている。そういう記事はあえて書く必要はない」(『明日の新聞』日本新聞協会)。

新聞社の社長が新聞記者に「事実を書くな。とにかく中国の機嫌を損ねるな」という指示命令を出す。さすが朝日新聞。非難する気も失せるほどの堂々たる下衆。うれションしながら尻尾を振って毛沢東の素足でも舐めねば生きていけないという覚悟が伝わる。

そんな秋岡特派員。1971年の国慶節パレードが中止され、人民日報から「林彪」の名前がないとなるも、北京と朝日社長の指示に忠実に従い、まったく触れなかった。組織人の鏡だが、北京のルーマニア高官がパーティの乾杯で林彪の名前を省略した、とか報道され、ニューヨークタイムスも「林彪重病か」と報じ、産経新聞は特派員もいないのに「ナゾ深める林彪失脚の原因」と題した記事を出した。すると秋岡特派員はカウンターで「流説とは食い違い」(1971年11月25日)と朝日新聞紙面で反論している。税関に毛沢東と林彪の写真が掲げられている、失脚したならあり得ない、とのことだった。涙無くして読めない律義さだ。

もちろん、林彪は失脚というか、秋岡特派員が「失脚したならあり得ない」と書くひと月前に飛行機事故でこの世からいなくなっていた。日本の新聞社で唯一、北京に残ることを許された記者の面目躍如、退社後のご褒美に「朝日中国文化学院」の初代学長に就任している。

そんな朝日新聞から社説で「議員の資格なし」との烙印を押され、今回また「杉田水脈氏の動画投稿・識者がみるテンプレと自民党の罪」とか吊るされている杉田議員がどれほど朝日新聞などから警戒されているのかもわかる。記事は有料だが、まあ、タダでも読む価値はない(個人の感想)。

全国のマスコミが総出で杉田水脈議員を叩くが、新聞労連も声明で「撤回して謝罪して議員辞職しろ」とのことだ。差別する者は差別されても仕方がない、という正義の論法なのだろうか。自分らとの意見が対立する場合は総攻撃して排除する、可能なら社会的に抹殺することも許されると思っているのだろう。まさに「話し合いのためなら暴力も辞さず」という自己矛盾、カラスの勝手主義である。そこには純粋ではなく悪意に基づいて邪な動機があることを願う。犯意はピュアなほうが怖い。

また、この労連はよく声明を出しているが、最近なら細田衆院議長に対してセクハラは許されない、統一協会の会合に挨拶した、などと非難し、神奈川新聞のスラップ訴訟で石橋記者が逆転勝訴したとか喜び、関東大震災でデマの所為で朝鮮人が虐殺された、などの声明になる。さすがは新聞労連、日本極左マスコミの総本山のようだ。

国内の左巻きが総力を挙げて一人の女性議員を吊るし上げる。杉田議員の存在自体、相当に具合が悪いのだとわかる。ならば普通の日本人が行うべき行動はひとつ。護るのではなく、支援して攻撃力を向上させる。支援の手段も簡単。SNSで「応援してます」と表明するとか、具体的には杉田事務所を通して自民党員になる。次の次くらいの総裁選では「高市早苗」と書いて郵送する。テレビは見ない。とくにニュースワイドショーは見ない。朝日新聞を購読している実家などがある人は、全力で家族を説得して解約させる。国民の過半以上が本気で行えば瞬殺できるレベルなのだが、これがなかなかにしぶとかった。

しかしいま、自民党の古参の支持者と同じく、テレビマスコミを支えているのはジジババだ。高齢化社会、とかいって増えてはいるが、今後、高齢者となる日本人はいま、まだまだ若いということだ。70代80代はどんどん減る。そして次の世代はもう、テレビを見ていない世代だ。朝日新聞なども読まない。橋下徹も玉川徹も知らない。つまり、歪曲も偏向もできない。ミスリードも不可能。影響力の弱体化したメディア媒体など粗大ゴミにも劣る無用だ。

多くの日本人はもう「女性はいくらでも嘘をつける」かどうかはともかく、左巻きマスコミは嘘ばかりだと気付いている。その点、とくに朝日新聞の功績は小さくない。




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