忘憂之物

男はいかに丸くとも、角を持たねばならぬ
             渋沢栄一

丸山穂高氏文通費問題指摘の維新に「毎月じゃぶじゃぶ使っている組織活動費の件は?」

2021年11月17日 | 忘憂之物




日本共産党という政党は実に立派な政党で、全体の収入のうち86%が「しんぶん赤旗」など機関紙の事業収入。残りは党費と個人献金になる。つまり、政党助成金などの公金は使っていない。

その理由も立派だ。赤旗にはこうある。

<政党助成金は、毎年約320億円の税金を各政党で山分けする仕組みです。国民は支持していない政党にも強制的に寄付をさせられることになり、「思想の自由」を踏みにじる憲法違反の制度だと日本共産党は考えています >

つまり、日本共産党を毛嫌いするような極右、安倍シンパな有権者からの金は要らん、という宣言だ。実に清廉潔白。窓を開けていてもハエも入ってこないほどの清廉潔白だ。鄧小平も感心するほかない。

また、企業献金についてはこうある。

<また企業・団体献金は腐敗政治の温床です。利益をあげることを目的とする企業が、見返りを求めずに献金するでしょうか。大企業の強大な財力が影響を与えれば政治はゆがめられてしまいます >

だから堂々と大企業は内部留保を吐き出せ、労働者の賃金を上げろと言える。自民党をして大企業、金持ち優遇政策だ、と批判もできる。まさに「言は必ず信あり、行いは必ず果たす 」(孔子)がそのまま政党になったようなものだ。立憲民主党などはもう、そのまま身を任せて吸収されるほうがよろしい。


そんな立派な共産党と比べて、ダメなのが他の政党だ。いま話題の文書通信交通滞在費 も「たった4時間で100万円」は衝撃的だ。時給1000円のフリーターからすれば時給25万円は怒り心頭、政治家は金に汚い、金の亡者どもめ、モリカケサクラガーとなる。

ここで「おかしいと思いませんか」とやれば賛同者も少なくない。逆らえばハチの巣にされる。だから自民も維新も「日割りで」「法整備をして」などと乗る。丸山穂高氏もフォロワーが増える。ちなみに私もフォローしている。

お茶の間の人気者、橋下徹氏も庶民の気持ちを代弁している。スポーツ報知によると、

<領収書添付の実費支給法案にして国会を動かせるかが勝負。国会議員たちは日割りで逃げる。国会を動かすのに、維新幹部たちが活動費で領収書抜きの飯食いをしていたら説得力なし>

とか、一刀両断だ。大阪のおばちゃんに人気があるのも無理はない。ここに「社会常識に照らして」と言われたら返す言葉もない。だって、みんな普通にそうしている。恐る恐る領収書を出して「これは経費では落ちません」とかNHKのドラマにもなった。国会議員にもこれをやれと言う。庶民にウケないはずもない。地上波テレビも応援する。

つまり、日本共産党がいちばん立派だ。既存のエリート層である政治家、知識人や大企業と大衆を分断させて対決姿勢を取らせるべきだ。一般大衆には賃金を上げさせて労働条件を向上させる、とでも言えば人気者になれる。イタリアのファシズム、ドイツのナチズム、アルゼンチンのフアン・ペロン政権もそうだった。格差に不平等だと騒いでから敵味方に分断、それらを争わせて一般大衆を扇動する。独裁政治の前段階、衆愚政治だ。

領収書もなしにメシを喰っている、として政治家を糾弾すれば誰でも文句は言い難い。環境保護、世界平和、人権重視、差別撲滅、日中友好、感染防止、予防接種みたいなもので、とりあえずは誰も逆らえない。

どうせ日本にはスパイ防止法がないんだから、ぜんぶ、なんでもクリーンでオープンがよろしい。活動費でメシを喰うな、いや、それより喰ったら何を喰ったのか、誰とどこで飲んだのか、ぜんぶ詳らかにせよ、という正義の経理部みたいなことを言えば、テレビの前では大喝采だろうと思う。


1950年代、毛沢東は反腐敗運動をやった。「三反運動」だ。反腐敗、反浪費、反官僚主義。いま、日本の不気味なメディアもポピュリスト政治屋もこれを言うと喜ばれる。毛沢東のスローガンは「大虎も小虎も同時に叩け 」だった。習近平は「小虎」を「ハエ」に変えたが内容は同じようなものだ。

三反運動のとき、最初に公開処刑されたのは劉青山と張子善だが、このふたりは革命戦争の英雄で中華人民共和国の建国に命を賭した。それでも「腐敗は許さない」として毛沢東は公開処刑を命じている。なにかといろいろ、効果抜群だったと思うが、それから70年以上が過ぎて、そんな手も古臭くなった。


そもそも100万や200万くらいの小銭でころころ転がされる政治家なんか怖くて使えない。見目麗しい中国人女性が財布を拾ってくれた、というベタなトラップでODAを増額する元総理もいたらしいが、要するに潔癖症もいい加減にしないと、夕食後に洗い物をする、という総理大臣を選んで悪夢をみた教訓から学べない。

多くの日本人はいま、裏と表のある政治の世界に領収書を求めているのではなく、例えば現在でも公安の監視対象である政党と、警察白書にも記載される革マル派組織などの極左暴力団体から献金を受けていた野党第一党の「元」代表が「共闘」して政権を奪おうとしていた事実にこそ危機感を覚えている。

政治家は金も使って日本人の生命と財産、日本国としての誇りを護ってくれればいい。メシ喰った領収書なんぞ出さんでいいから、それより地方で外国人に住民投票させないとか、外国人から日本の土地を好き放題に買われないようにするとか、ジェノサイドしている野蛮国家に制裁決議くらい出すとか、余所の領土に不法上陸する警察庁長に逮捕状出すとか、中国人からは受信料を取らないNHKをぶっ壊すとか、やるべきことはいろいろとある。




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