忘憂之物

男はいかに丸くとも、角を持たねばならぬ
             渋沢栄一

ひろゆき氏、喫煙注意で暴行受けた高校生に「治療費振り込みますよ」“悪いヤツは放っておく”…

2022年01月31日 | 忘憂之物






時間の経過にていろいろわかってきた。

宇都宮線の暴行事件だ。居合わせた乗客の証言も出てきた。予想通りだ。

「青年が宮本容疑者に向かって何か大きな声で怒鳴っていました。その後、自分の席を立ち、寝転ぶ宮本容疑者の前まで行くと、見下ろすような形で何かを言っていた。逆上した宮本容疑者がダウンを脱ぐと、腕に入れ墨が見えました。それで青年も焦ったんじゃないでしょうか。土下座しようとする青年に『いいよ、顔を上げなよ』と言って止めに入っている宮本容疑者の友人らしき男性もいましたが、その男性まで激しい勢いで突き飛ばして、一方的に青年に暴行を加えていました 」(週刊FRASH)

加害者のチンピラはホスト。画像も出回っているが、べつに強面でもない。ガタイもそれなりにあっただろうが、ダウンを着ていたらさほど「でかい」「強そう」とか思わなかったのではないか。よくプロの格闘家が気弱な若者のような恰好をして、街のチンピラに「タバコのポイ捨て」などを注意し、相手が怒ったら「やりますか?」と言ってシャツを脱ぎ、シャドーで動くと、相手がビビッて「格闘技か何かやってるの?」としおらしくなる動画があるが、あれと同じだ。ただ、今回はチンピラ役が男子高校生だった。

この男子高校生もダンベルなどの器具を持っていた。体格もよくて野球部だ。つまり、体を鍛えていた。腕っぷしに自信がないわけでもなかったと思うが、相手は喧嘩慣れしたチンピラだったから、薄っぺらい正義感など吹き飛んだ。

ガチの不良に対して舐めてキレさせてからイモを引く。典型的な「いちびり」だ。ヤンキーはイチビリを蛇蝎の如く嫌うが、昔からこんなイチビリは何人もみた。実にみっともない。なにが「自分が謝ったら手を出さないですか 」だ。気持ち悪い。出すに決まってるだろう。謝って済むなら警察はいらないから、相手のチンピラホストは逮捕されている。

それで被害者に回り、世間から、とくに阿呆なマスコミから「正義感が強い」「勇気がある」「見ていただけの周囲は情けない」とかやってもらえる。ひろゆきから褒めてもらって治療費ももらえばいい。実に無様である。

そもそも「ぜんそく」で煙草を注意したかった、と言うなら、そっと席を立ち、隣の車両にでも移動してから車掌なりに連絡すればいい。優先座席で寝転がり、電子タバコをふかしているチンピラに対し、公衆の面前で罵倒したのなら、覚悟を決めて最後まで戦うのが筋だ。勝った負けたはその結果だが、しかしながら、たぶん、この男子高校生は「喧嘩するつもりはない」というわけでもない。相手が弱かったら、あるいは相手が怯んだなら、17歳の特権である「少年法」を駆使してなにをしたかと思うに、単なる正義感の強い真面目な高校生とはとても思えないのである。事実、チンピラの襟首を掴んでいる。

どうせションベン刑だ。宮本一馬 (28)もすぐに出てくる。働いている店なんかも、正義の味方のメディアが調べてくれている。宇都宮のホストクラブを訪ねてお礼参りして来い。ぼてぼてに殴り倒して電子タバコを踏み壊してこい。逮捕されてもどうせ起訴されない。正義の男子高校生が素行の悪い、常識のない、凶暴なチンピラを成敗したと報じてくれるだろう。

それができないなら、怖くてとてもできませんなら、車掌さんとか警察に連絡しろ。右頬骨骨折らしいが、それで済んでよかったと思うべきだ。勉強代だ。人間は素手で人間を殺せる。存外、簡略に、だ。

また、高校生といえば、最近なら沖縄署襲撃事件もあった。生卵やロケット花火ならともかく、中には鉄パイプもあったとのことだからアウトだ。刑法208条 、凶器準備集合罪だ。凶器の定義は「人の身体を殺傷すべき特性を有する一切の器具 」とある。もちろん「鉄パイプ」は明確に記載されている。

しかも、現実に襲撃もしている。器物損壊罪、公務執行妨害、威力業務妨害、ま、その他諸々で数え役満みたいなものか。更に相手は警察だ。全員が高校生で未成年でもなかろう。「おはタイ(おはようございます。タイホです)」まで待ってるがよろしい。BLMの真似事は高くつく。

ところで、この右目を失明したという高校生。警察官が「警棒で右から殴ってきた」とのことだが、現在、両者から事情を聴いているらしい。まあ、普通に明るくて嘘をつかない良い子なら、制止する警察官の横をすり抜けて逃げたりもしないが、いずれにせよ、国家公安委員会規則第十四号 、警察官等警棒等使用及び取扱い規範 というのがある。長ったらしいが、要するに「警棒を使ってよい場合」のことなどが書いてある。

該当部分は第4条。「警棒の使用」の項にはこうある。

「警察官は、犯人の逮捕又は逃走の防止、自己又は他人に対する防護、公務執行に対する抵抗の抑止、犯罪の制止その他の職務を遂行するに当たって、その事態に応じ、警棒等を有効に使用するよう努めなければならない 」

とりあえず、5回ほど読んでみるも、29歳の沖縄署の警察官に非があるとは読めなかった。走ってきたバイクを制止する、なら両手を広げて「止まれ」に違和感もない。その横をすり抜けて逃げるという行為に正当性もない。

「走行中に急に警官に殴られた 」(琉球新報)もどうか。しかも逃げた理由を「止まれば殺される 」(同)と思ったとのことだ。人民警察じゃあるまいし、と思うが、学校の勉強もしない、アルバイトも真面目にしない、クラブ活動も懸命にやらない、遊びもダラダラするだけで、とくにこれといってやらない、つまり「小人閑居して不全をなす」。しょうもない阿呆ばかりやってると、困ったときの悪知恵も回らないという証左みたいな餓鬼だ。

この高校生は「突然、警察官が暗闇から出てきて、警棒のような物で殴られた 」(同)と証言している。そう。「警察」と認識してしまっている。

ちょっと頭が良ければ「警察だとは気づかなかった。警察だと気付けば止まるに決まっている」と証言する。それから「止まれば殺されると思った」だ。


普通、警察と認識すれば「止まる」。横をすり抜けて逃げる、という選択肢はない。それも「補導されるから」という理由は弱い。深夜のコンビニで屯しているだけの阿呆、よほどのことがなければ「家に帰りなさい」と言って解散させるのが普通だ。また、珍走団が乗るバイクは往々にして煩いだけで速くはない。見た目がアレなだけで速いわけではないから、警官も「制止しようとしたら」と証言しているが、要するに、あの不快な「音」によって、かなり手前から走ってくるバイクに気づいていた可能性がある。


「明るくて優しい子。絶対にうそをつくような子じゃない」。母とおじは口をそろえた。(沖縄タイムス)

同感だ。トロント大学オンタリオ教育大学院の研究で「嘘を上手につく子供は認知能力が高い」ということがわかった。「嘘をつく」という行為は正常な成長過程における一部であり、早い時期から「嘘がつける」子供は自己制御力に長けいていることもわかった。

私も賛同する。この沖縄の高校生は「嘘をつける子」じゃない。




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