忘憂之物

男はいかに丸くとも、角を持たねばならぬ
             渋沢栄一

【速報】岸田総理 靖国神社参拝見送りで玉串料を奉納

2023年08月17日 | 随感随筆




カーチス・ルメイは米誌のインタビューにて「私たちは、東京を空爆したあと、とにかく可能な限り早く他の都市を爆撃した。日本軍が低空の対空砲火を準備するなどの対策を考えて反撃してくる前に、徹底的にやりたかったからだ。だが、爆撃を中止にした。なぜだかわかるか?」と問い、インタビュアーが「わかりません」と言うと「焼夷弾が切れたからだ」と答えている(日本大空襲「実行犯」の告白・鈴木冬悠人 著)。肉声のテープも残るが、忘れっぽい日本人でもこのとき、ルメイが笑いながら答えていることは胸に刻みたい。

ルメイ率いる325機のB-29は1945年3月10日午前1時21分、130万人の日本人が眠っている東京の下町に32万7000発の焼夷弾を落として無辜の民を大量に殺戮した。続けて13日から名古屋、神戸、大阪と続き、19日に再び名古屋の町を焼き払った。使用した焼夷弾は実に192万発。米空軍の在庫は空になった。冒頭の「中止にした理由」だ。

ヒマになったルメイはニミッツに対して「爆弾がなければ釣りをするしかないがいいか?」と催促し「出撃を4倍にする」と煽っている。ひと月後に爆撃は再開し、軍事施設でもない日本人の暮らす大都市を焼き尽くした。こんな鬼畜に対し1964年、時の佐藤栄作内閣は勲一等旭日大綬章を贈っていることも忘れないようにしたい。ちなみに贈られた理由は「航空自衛隊の育成ならびに日米両国の親善関係に始終献身的な労力と積極的な熱意とをもって尽力した」とのことだった。戦争に負けるとはこういうこと。まさに「恥辱」である。

言うまでもなく、その恥辱はいま現在でも同じ。私は以前から8月に入ると努めてテレビなどは見ないようにするが、それでも不可抗力的に見聞きするモノが8月15日の靖国参拝だ。

日本のマスコミは「中国韓国が怒ってます」のあと、日本の総理大臣が「私費」で「自民党総裁名義」で真榊代を奉納しました、と舌打ちするが、時の首相が「政府専用機」でアーリントン墓地に行けば「公費」でリーフを購入し、名義を「Prime Minister of Japan」としても何も感じない。

よく考えるまでもなく異常な事態である。日本国総理大臣が自国の英霊には私費、私人として真榊奉納して参拝はしない。他国の戦没者には公費で公人として哀悼の誠を捧げる。なんだったら反日プロパガンダ施設にもお参りする。鳩山某は土下座までしていた。異常だ。

戦後78年。日本人はいったい、いつになったら真面目に物事を考えるのだろうか。職場でも「終戦記念日」ということで「今日は何の日クイズ」みたいな雑談の中、私が「違う。敗戦の日だ」と言うと「どっちでも一緒でしょう」と返されて二の句が継げなかった。

言っているのは立派な日本人青年だ。仕事も真面目で信用できる人物だが、それでも「勝てる見込みもないのに他国に攻めて行ってボコられて、最後は原爆まで落とされないと気付かない阿呆みたいな国だった。靖国神社なんかもA級戦犯を埋葬しているんだから叩かれて当然」が彼の意見だった。

堂々たるものだった。完全に自分は正しいことを言っている、という自信に満ちた態度だった。周囲に同意する者も少なくない。私もネトウヨ扱いだろう。今更だが、NHKや朝日新聞の威力は凄まじかった。知らぬ間に頭を左に巻き込まれた親と確信犯の日教組の戦果だ。こんな将来のある日本人青年が、頭の中を開けてみたらラサール石井だったことに、少なからずショックを受けた。

そういえば最近、会社の人から「右にエッジが効いてますね」と言われて聞き捨てならず、その真意を問うたら「安倍さんの慰霊碑に行ったんでしょ?」と返されて驚いた。現役の大物政治家、憲政史上最長の内閣総理大臣、そんな元総理が選挙演説中に暗殺された。その死を悼み、悲しみ、せめて哀悼の意を捧げたいと想うことが「右翼」とされる雰囲気がある。

少し考えれば、自分が何を言っているのか、日本のマスコミなどが異常であるとわかると思うが、例えば「ソンミ村事件」のコスター准将は軍事法廷で裁かれた後、ウエスト・ポイント基地に埋葬されている。そこにアメリカ大統領や政府高官が献花したら、ベトナムのメディアは「虐殺事件を正当化するのか」と叩くだろうか。コロラドスプリングズの空軍士官学校にはカーチス・ルメイが埋葬されるが、その場所でバイデンがコケようが、ルメイの墓に献花しようが、日本人なら「そいれはまあ、そうだろう」と納得するはずだ。何故に日本だけが、日本人の政治家が日本国内にある神社に参拝するだけのことを、日本のマスコミは問題視し、阿呆なコメンテーターは参拝した政治家を攻撃するのか。

よく考えねばならない。たぶん、時間はもう、あまりない。

安倍元総理の国葬に反対していた連中、献花台に行列をつくる人らを小馬鹿にした連中は靖国神社の参拝も小馬鹿にするし許さない。たぶん、本能的に拒絶反応を示している。連中は「日本なるもの」の発見、学びを警戒する。「日本人」を思い起こさせるものを嫌う。日本人が日本人に「戻る」ことを恐れる。

もうすぐ、日本の総理大臣が安倍さんの墓参りをしても叩かれるようになるかもしれない。そうなればもう、間に合わない。





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