忘憂之物

男はいかに丸くとも、角を持たねばならぬ
             渋沢栄一

麻生太郎副総裁、台湾で講演中国念頭に「戦う覚悟」を強調

2023年08月09日 | 随感随筆




それでもまだ、河野太郎よりはマシだ、とみんな思い込んでいた2021年10月4日、総理大臣に就任した岸田文雄を台湾メディアは好意的に報じていた。台湾北部の基隆市にあるイタリアンレストランは岸田首相の曾お爺ちゃんが建てた、とか紹介されていた。地元の人も「この建物は日本統治時代のものだと聞いていたが、まさか日本の首相の先祖様の店とは知らなかった。岸田首相にぜひ来てほしい」とコメントをしていた。

安倍政権と同じくらい外交、外遊に力を入れているのに支持率が浮揚しない、と産経新聞が書いている。それじゃあ、どうすれば浮揚するかといえば、それは麻生さんがやってみせた。

中国共産党は早速、台湾周辺に戦闘機24機を飛ばして怒っている。いくら岸田が台湾で「酒が強い」とか書かれても中国共産党は反応しないが、麻生副総裁が「日本も戦う覚悟が必要。台湾有事のとき日本の防衛力は使う」と言ったら、日本共産党も立憲民主党も小沢一郎も騒いでいる。ゲンダイも「麻生また暴言」の見出しで盛り上がるが、中身はネットの左巻きの安モンと同じ。9条に反する、軽々に言うな、お前が頭を冷やせ、などだ。

「先ず、お前が前線に行け」とか左臭い阿呆の書き込みと変わらぬ低レベルだ。万年平社員が社長に現場で働け、と言うに等しく出来の悪い餓鬼の屁理屈に過ぎない。相手にする必要はないが、コレらがこの国の政治家だというから、早々になんとかしたい。ゲンダイは買わなければいいが、国会議員なら公金がもったいない。


小泉内閣で外務大臣をしていた際、麻生外務大臣(当時)は内閣のメルマガにおいて、外交について「外交で使う武器は一にも二にも言葉です」とし、外交とは日本国民を幸せにするためにするもの、相手との交渉を経て、日本のためになるようにするのが仕事です、と言う。普通に当たり前のことだと思うが、麻生さんもメルマガの中で「当たり前だとお思いになるでしょうが、ここが大事なところです」と念を入れている。要するに「それがなかなか難しいところなんだよ」と言っていると思う。理由はいくつも思いつく。

そもそも人生、当たり前を当たり前にするためだけで必死だ。真面目に生きてきた人らはそれを知っている。そうじゃない連中は人様の必死をわからず、何もしない自分にも当たり前をよこせ、人類みな平等だろが、とたかるわけだが、この連中、核を持っていない国に核廃絶しろ、戦争していない国に戦争するな、を言う不思議な連中でもある。最近ではミサイル防衛や住民避難用のシェルターにまで反対を言う意味不明になってもいる。つまり、当たり前の向こうにいるから、話なんか通じないことになった。

だから安倍さんの言った「台湾有事は日本有事」も意味が分からないのだろうが、中国共産党が台湾に対して武力でナニかすれば、瞬時にして「日本は有事になる」ことくらい松川るいでも知っている。おフランスに行く前の松川るいですら「台湾有事シミュレーション」に「米国務長官」の役で参加して「有事抑止の重要性を改めて認識するとともに、様々な課題を抽出でき極めて有益でした」くらいの感想は当たり前に述べている。「弾薬や装備といった継戦能力の供給網の重要性にも気付かされました」とか、そんなことくらいは「日本戦略研究フォーラム」で机上演習する前から知っていてほしいものだが、それでも当たり前にそれくらいは言う。

麻生氏の発言を叩く連中は「日米台で中国相手に戦争する気か」と口から泡を飛ばすが、台湾問題に介入すれば日本を核攻撃する、と言っているのは中国共産党である。そして、台湾が中国共産党に侵略されたら日本の今後はどうなるのかの想像もつかない。もしくは意図的に中国共産党の走狗として騒ぎ立てる。そしてその愚行は世間の「当たり前」と大きく乖離する。

安倍さんが習近平を名指しして「見誤るな」と言った翌年、アメリカに対しても台湾に対する曖昧政策を見直せと言い、日本に対しては核抑止の手順を確認すべき、と警告した2か月後に大和西大寺で暗殺された。そしていま、麻生さんが台湾で「今ほど日本、台湾、米国をはじめとした有志国に強い抑止力を機能させる覚悟が求められている時代はないのではないか」を言う。安倍元総理の遺志を引き継ぐ、というのはこういうことだろう。





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