忘憂之物

男はいかに丸くとも、角を持たねばならぬ
             渋沢栄一

最も気が短いのは日本人? コールセンターで待たされる時間は5分以内が限界>2012.6.13

2012年06月13日 | 過去記事

    




最も気が短いのは日本人? コールセンターで待たされる時間は5分以内が限界【アメリカン・エキスプレス調査】(MarkeZine) - goo ニュース

<アメリカン・エキスプレス・インターナショナルはが11か国で行った、顧客サービスに対する意識調査によると、日本を含む11か国で一般的な企業の顧客サービスについての感想を聞いたところ、日本の消費者では「期待通り」と答えた人は全体の46%で、3年連続で低下している。

 日本人が顧客サービスを目的としたソーシャルメディアを利用する理由として最も多かったのは、「自分のサービス経験について情報を共有する」(46%)で、「サービスの優れた企業についてほかのユーザーからおすすめを聞く」(32%)が続いた。

 これに対して米国では、「サービスの問題について、会社からの回答を得る」(50%、日本15%)、「優れたサービス体験について褒める」(48%、日本16%)、「優れた顧客サービス対応をした社員を褒める」(33%、日本10%)など企業とのコミュニケーションツールとして積極的に利用している様子が明らかになった。

 顧客サービス担当者に腹を立てたときに取ったことのある行動としては、日本人で最も多かったのは「店を立ち去った」(27%)なのに対して、米国、英国、カナダは「上司と話がしたいと主張した」、フランスは「他社に乗り換えると主張した」、ドイツは「顧客サービス担当者に名前を教えるよう求めた」との回答がそれぞれ最も高くなっている。

 また、一般的に電話で顧客サービスセンターに連絡した場合、電話がつながるまで最大でどれくらい待てるか聞いたところ、日本人の平均は6分で11か国中最も低い数字となった。


【調査概要】 調査名:アメリカン・エキスプレス・グローバル・カスタマー・サービス・バロメーター 調査方法:オンライン調査 調査対象:18歳以上の男女 サンプル数:計11,000名(各国1,000名) 調査実施国:日本、米国、カナダ、メキシコ、英国、フランス、ドイツ、オランダ、イタリア、インド、オーストラリア 実施期間:2012年3月9日~3月14日 調査協力:エコー・リサーチ社(英国) ※本調査における「顧客サービス」とは、消費者の日常生活で手にする商品やサービスに付随するもの(例:レストラン、デパート等の店員の対応、商品購入後のアフターサービスなど)。企業間のビジネスにおけるサービスとは異なる>








倅がコンビニでバイトしている。以前は「お惣菜屋さん+飲み屋」みたいなところで働いていたが、そこが潰れてしまったわけだ。御蔭で「残りモノ」という名のお土産がなくなって久しい。あの「安っぽい味」は嫌いではなったのだ。

ま、ところで、外に出て働く、という経験はよろしい。勉強ばかりでは阿呆になる。それに生意気にも「親の苦労がわかった」などと抜かすこともできる。自分は親がこんなふうに働いて育ててもらったのだ、と実感するのだと言う。たぶん、ちょっと馬鹿にしている。

倅のコンビニにも「困った客」がくる。よくわからぬ理由で怒鳴ったりするオッサンも来る。夜中、酔ったまま難癖つけてくる阿呆餓鬼やら、未成年が「タバコ」を買いに来たりして困らせるのだと言う。未成年者の方、年齢のご確認ができないお客様へのタバコの販売は致しません―――倅が断乎として拒否すると、相手は「おまえ、名前も顔も覚えたぞ」と怖いことを言った。倅は「3人までならなんとかなる(勝てないけど死なない)」という根拠のない自信を振るい起こし、もう、それはそれは凄まじい堂々っぷりで自転車に乗ったと言う。相手は駐車場にいたが、声もかけてこなかったのだと威張っていた。

遅い夕食時、妻と楽しく会話しながら晩酌する私に対し、倅は「なんで、あんなに怒るの?」と今年二十歳とは思えぬ素朴っぷりで質問してくる。なんでって・・・なぁ?と困った私は妻に話題を振る。妻はあっさり「ちゅうごくじん!ちょうせんじんやからや!さかいに!」と断定する。妻はスイカを喰っている。

倅は「おかあさんも怒ってたときあるやん」とかやる。たしかによく怒っていた。昔の話だが、それはもう、よく怒っていたものだった。

あるとき、国道沿いの牛丼屋に入った。うどんもある店だ。そこで妻はうどんを注文したわけだが、これがまあ、酷く冷めていて出汁も少なく、なにやら「食べかけでわ・・?」というほどのモノだった。カウンターの中にはいかにもなオッサン。リストラされて仕方なく、なんでオレがいまさら、こんな牛丼屋でアルバイトなんぞ・・・という鬱積した不満が顔から出ていた。動きも遅いし、愛想はないし、作業台にケツを付けてぼうっとしていた。妻は怒り心頭、仕事が嫌なら辞めればいい、などと「声に出す」ことも躊躇わない。

私はなんとか妻を宥め、私が喰うはずだった牛丼を妻に差し出し、その「うどん?」のようなモノを一気に流し喰った。それから「まあ、まあ、怒るな」と言いながら店を出た。妻は「なんでか!!」とプンスカ怒っていたが、もういいじゃないの、ということで車に乗った。もちろん、その牛丼屋には二度と行っていない。

またあるとき、妻と昼飯を喰った際だ。寿司と鍋がある「あの店」だった。貧乏だったが、その日はちょっと奮発、私は昼間から日本酒を頼み、中トロなんぞを注文していた。妻も「おとしゃん、中トロたべていいよ」と言ってくれていた。しかし、運ばれてきた中トロは凍っていた。シャーベット状だ。それに包丁が下手なのか、切り身が漫画みたいにつながっていた。でろれ~ん、という感じだ。これに妻はキレた。

もちろん、腐っても中トロ、赤身の580円とは一線を画するお値段だった。それがなんと、まあ、でろれ~んなのであるから、妻が怒る理由は簡単だ。妻は私が止める前に和服を着た女性従業員を呼んだ。しかし、怒鳴るわけでもなく、そこは普通に「ちょっと、コレ、凍ってるんですけど。それに、なんか、つながってるんですけど」という程度のことだった。しかし、この女性店員が最悪、あ、そうですか、と言うだけで謝らず、さっと下げてしまった。妻はむっきぃ~~!となる。

しかし、私はまた、まあまあ、いいじゃないの、と宥めた。それから日本酒を飲み、とくに美味くもない他の料理をつまんでいた。しばらくすると、無愛想な和服が中トロを持ってきた。表面にはもう水滴もない。箸で押すと凍っていない。安心した私は一切れ、適当なところを箸で持ち上げた。すると、だ。やっぱり、でろれ~んだった。

作り直したのではなく、そのまま放置して溶けただけだった。これに1500円払えというのはあんまりだ。せめて、申し訳ございませんでした、の言葉と共にでろれ~んをなんとかし、なんだったら「ちょっと増えてる」くらいの気遣いは欲しいモノだ。しかし、ったく、うるさい客だなぁ~という厨房の声が聞こえてくるかのような、でろれ~んっぷりに妻の怒りは最高潮、一気に沸点に達した。

私は慌てて伝票を取り、呆気にとられる妻の手を引いて「出るぞ」とだけ言った。それから何千円か払い、料理はほとんどそのまま、酒も残した状態で店を出た。

妻は納得できぬ様子。なんでお金まで払って嫌な思いをせねばならぬのか、という理論でくる。正論なのだが、世の中、正論だけではやっていけない部分がある。こんなのは道端で犬の糞を踏んだようなもので、とくに気にせず、やり過ごしてしまうのが最もダメージが少ないのだ、と説得してみた。それに中途半端な店で中途半端に高いモノを頼んだりするもんじゃないし、安居酒屋で餓鬼が酒を飲んで騒ぐのと同じく、そういう店にはそういう人が客で来るし、それは店の場所や商品の価格にも因るから致し方ない。

昼飯時、慌ただしい中華料理屋で「ランチセット680円」などを喰っていれば、隣の席には昼間からビールを飲んでげっぷするオッサンも座るし、携帯電話でわぁわぁやる町工場の社長みたいなのもいる。オバちゃん軍団に囲まれて、耳を劈く大声を耐え忍ばねばならぬときもある。1杯300円程度の牛丼屋ならば、リストラされたオッサンが人生を後悔しながら仕事をしている場合もある。これが1500円の店なら話は別で、そのオッサンはおそらく、その店で働いていることに誇りを持っているし、客に出すドンブリ1杯の牛丼に丹精も込める。たぶん、そんな店には携帯電話でわぁわぁやる工場の社長は来ないし、ビールを飲んでげっぷする下品なオッサンもいない。オバちゃんらが騒げば、たぶん、注意されて恥をかくことだろう。価格には商品だけではなく、そのサービスも含まれるし、設備やメンテナンスも含まれている。店の指針もちゃんとある。教育もしっかりする。

だから、今日は絶対に外せない、という大事な日は高い店を予約する。例えば、妻の誕生日に牛丼屋はないし、近所のラーメン屋もない。「非日常」を確信できるだけの予算を組んで計画もする。そこで日常的なこと、つまり、犬の糞を踏むようなことは起り得ない、というか、その可能性は相当に低い。発生すればサプライズ、店からは想像を超える謝罪もあろうし、納得できる「埋め合わせ」も惜しむことなく提示される。

すなわち、日常的な事由で怒っていたら詰まらない。身が持たない。ただ生活費のため、遊ぶ金欲しさ、ローンの返済などの理由だけで、嫌々ながら、渋々働いている単純労働者に対し「仕事だろが!!」とやっても仕方がない。さっきの中トロでろれ~んもそう。あの和服従業員が「申し訳ありませんでした」と誠意ある対応をし、料理長が帽子を取って謝りに来て、これはほんのお詫びの気持ちです、と大トロの炙りを添えて出し、店を出る頃にはオーナーが現れて再度謝罪し、2枚の「御優待券」を用意し、是非、機会がありましたらお立ち寄りください、と頭を下げて見送るような店なら、その中トロは倍以上の値段に跳ね上がる。つまり、ちょっと奮発、という程度では来ていない店になる。

間違った言葉で「クレーム処理」がある。コレは本当のところ「クレーム対応」が正しい。クレームは苦情ではなく文句でもなく、要求のことだ。だからこれの対応は「サービスの一環」である。ならば客は「どういうサービスが提供されているか」という評価ができる。日本人はこの評価が得意である。店側も熟知していて野暮なことはしない。いわゆる「阿吽の呼吸」というものがある。「ツウ」と呼ばれる粋な客もいる。

外国のアニメや映画などでよく、紳士がレストランで食事を終え、給仕に「この料理を作ったシェフを」というシーンがある。日本料理の店ではあまり見かけないシーンだ。日本人はサービスというモノを理解している。クレームを言ったり、逆に「ありがとう、素敵な時間だった」とか臭いことも言わない。記事にある<また、一般的に電話で顧客サービスセンターに連絡した場合、電話がつながるまで最大でどれくらい待てるか聞いたところ、日本人の平均は6分で11か国中最も低い数字となった>というのも、別に日本人がキレているわけでもない。顧客サービスセンターに電話して、数分待たせるという意味を日本人なら即座に理解するだけだ。レベルの低い会社だ、という評価を下し、ただ黙ってもう利用しない。あっさり、さっぱりしているのだ。

インド人が「16分待つ」というのは腹が収まらないだけだ。アメリカ人が「13分待つ」のは裁判になった時、陪審員の心証を良くするためだ。イギリス人やフランス人が「11分待つ」のはヒマなだけだし、イタリア人が「12分待つ」のはパスタでも湯掻いているんだろう。ところで、なんで支那朝鮮がないンだ?




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