根子岳山窓

(阿蘇住人の山行記です。)

大船山 10月21日(水)

2009年10月21日 23時21分30秒 | インポート

          大船山(1786m)    吉部コ-ス  (紅葉観賞・第1弾)                            
              快晴                                ※文字サイズは(大)が最適 

(行程) 吉部登山口(発6:45)→暮雨ノ滝分岐(着7:30)→大船林道分岐
    (着8:05)→大戸越(着9:40~発9:55)→北大船山(着10:50)→
    大船山頂上(着11:25~発12:25)→段原(着12:50)→
    平治岳・大船山分岐(着14:10)→法華院温泉山荘
    (着14:40~発15:25)→林道分岐(着15:55)→
    なるこ橋→大船林道→吉部登山口(着17:15)

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〇古澤先輩との約束で紅葉の大船山を案内する事となっていた。
 紅葉情報では4~5日前が見頃と思われたが、先輩の来阿蘇の日程で今日
 の山行となった。

〇「雨ケ池」と「坊ガツル」を歩きたいとの先輩の希望もあったが、奥様が初め
ての大船山登りであるので体力に余裕あるコ-ス選定を前提として計画した 
 結果として、このコ-スは私も初めてであるが、吉部(ヨシブ)登山口から登る
 事とした。 (何故ならば・・・雨ガ池コ-スでは往路では問題ないが、復路
 では可なりの距離を歩いて来ているので、帰りの「雨ガ池越え」は脚に無理
 が来ると考えた。)

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▼ガイドブックを頼りに登山口までスム-ズに到着。有料の駐車場を左下に見
 過ごして無料の路肩に駐車、準備体操をして出発。
 駐車場から大船林道につながる広い道を歩くと直ぐに登山届けのボックスが
 あり「坊ガツル方面(暮雨ノ滝入口)」と記された道標に従い左に取り付く。

▼最初は薄暗い杉林の中を進む。私達より先に行く登山者が二人いて一人
 は可なりのご老体(駐車場で隣に停めておられた大型車)で直ぐに追い越し
 てすれ違う、もう一人は写真撮りをしながらの歩きであった。
 その男性にコ-スの確認のために尋ねると「このコ-スは昔からの道で、安
 全で楽なので私は何時も使っている」との事を聞いて出発に当たっての
 安堵感を覚えた。

▼登山口から10分もしない内に急勾配の山裾(下湯沢1333m)の斜面となり
 階段状に張り巡らした木の根の上を踏み分けて登る。
 根の下の土は雨水等で土砂流となって抉り取られたのであろう、樹木が山
 の崩壊を防いでいる事を改めて思った。

▼鳴戸川の心地よい水の音を右岸に聞きながら登る。
 急斜面を登り上げると緩やかな道となり、ミズナラ等の落葉樹林の快適な登
 山道が大船林道分岐まで続く。
 山腹の登山道には驚くほどの沢山のドングリの実が落ちて溢れていた。

▼暮雨ノ滝(クラゾメノタキ)入口で休憩タイムを取る。カメラを抱えた青年と出会
 う。滝の紅葉は未だ早いと青年は云う。
 復路で余裕があれば立ち寄ることとして先を急いだ。

吉部登山口〕    〔登り始めは木の根の階段道〕         〔快適な樹林帯を歩く〕

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▼大船林道分岐手前の登山道沿いには、背の高い広葉樹が密生していて、
 朝の陽光が林に射し、枯れ葉が「カサッ~カサ~かさ~」と音を立てて舞い落
 ちる。この落葉模様を三人で暫くは眺めて自然が織り成す鼓動を堪能した。
 (この落葉の音を聞いて、すぐに扇山でのホウノキ(←クリック)の落葉模様を
  追想した)

▼大船林道分岐に出ると正面に三俣山(←クリック)が見え、直進すれば
 「坊ガツル」への道が伸びているが、私達は「大戸越」に往くために左手の
 「鳴子橋」を渡り大船林道終点方向に進んだ。

▼なるこ橋から望む鳴子川沿いの紅葉は、今日最初の感動もので、美しい色
 を付けていた。

▼橋の上では夫婦らしき二人とすれ違う。私達の進行方向を見られて「もう登
 って来られたのですか」 と声を掛けられ、「今からです」と答えると、不審そ
 うにして「北大船山経由ですか」と声を掛けられて分かれる。(この件は後
 述あり)

▼なるこ橋から大船林道終点側に100m位歩き、右側に「大戸越」と記した
 標識(地面に倒れ、朽木化した丸太の上に置いてある木片版)をやっと探し
 出して登山道に取り付く。(8:13)

▼緩やかな登りを過ぎると、後は、なだらかな山腹をトラバ-スする感じで
 平治岳1643m(←クリック) の裾野を歩く。
 ここも、ドングリが沢山落ちており、ミズナラ・ブナ・カエデなどの大木が密生
 して美しい落葉広葉樹林の山地帯を成し、癒しの世界を醸し出している。

〔大船林道分岐〕    〔なるこ橋を渡り大戸越登山口へ            〔平治岳の麓をトラバース

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アセビの密林帯を過ぎると紅葉も目立って来て「坊ガツル」からのル-トと
 出合う。(9:10) この付近から登りの斜面となる。
 途中に「ここから先に石を入れて下さい」と記した看板が建っていて、私達
 にとっては意味不明で・・・・何だろうか? 疑問の範ちゅうであった。
 (後で調べたら、登山道保護の一環で「一石運動」を呼びかける道普請用の
 看板である事が分かった。)

▼段々と急傾斜となり高度を上げて行く。浅い谷間沿いの紅葉を見ながら登
 り上げると左上に平治岳の斜面が迫り、ススキの藪を潜れば「大戸越」の
 十字路に着く。(9:40)
 15分の休憩後、北大船山へと向う。 

〔登山道の紅葉〕     〔大戸越から北大船山への入口〕           〔平治岳の紅葉〕

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▼潅木が茂る登山道はV字型に浸食された窪みの道をジグザクに黙々と登り
 ガレ場もあり苦労の1時間行程で北大船山に着く。。(10:50)
 秋晴れの青空の下、眼下に広がる坊ガツル・山裾から山頂までの全山容が
 眺められる三俣山・連なる九重の秀峰(星生山中岳・ 天狗ケ城
 稲星山白口岳)を堪能して大船山へ向う。

▼登山者が交わる「段原」は大勢の休憩者で賑わっていた。
 段原からは逆行に映える大船山を仰ぎ見ながら・・そして、時折振り返って
 段原方面の紅葉を確認しながら歩く。
 途中、なるこ橋で出会った夫婦らしき二人とまた出会う。二人は頂上から下
 山して居るのである。
 私達のル-ト(大戸越経由)は最短コ-スと思っていたら、そうでない事が
 分かった次第であった。

▼段原から25分で大船山頂上に立つ。(11:25)
 頂上は風も無く、最高の登山日和である。
 山頂直下から鉢窪~塔中山方向に流れる長い尾根斜面、そして段原から
 坊ガツル方面に流れる広大な山腹の斜面、いずれの斜面も陽が燦々と射
 し、スケ-ルの大きい紅葉の海原であった。
 また、昨年、ガラン台から登った黒岳(←クリック)も全山が赤く染まっていて、昨
 年の感動と重なり満足感一杯の気分であった。

〔眼下の坊がつる〕   〔大船山直下から北大船山を望む〕              〔鉾立峠・白口山面〕

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▼眼下の「御池」に降りて湖面水際から紅葉を堪能して再び頂上に戻り、
 九州最高嶺が鎮座する九重山群の峰々を眺めながらゆっくりと昼食を取っ
 た。

          〔御池の湖畔から火口壁の紅葉〕                            〔大船山直下の南斜面〕

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〔大船山頂上から御池を望む〕 〔大船山頂上から黒岳の紅葉〕     〔大船山頂上にて〕

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〔段原の紅葉〕             〔三俣山を望む〕                  〔鉾立峠方面の葉〕

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▼復路は段原から坊ガツルに下る。暫くは周囲の風景を眺めながら下るが、
 すぐに足場の悪い登山道となり15分もすると潅木から眺望の無い樹林帯に
 変わる。

▼段原から1時20分の歩きで大船山登山口となる「平治岳・大船山分岐」に 
 着く。(14:10)
 展望が広がり一気に開放感に満たされ「お疲れさま」と「草原の神」が私達
 に声掛けるかの様な・・・・・趣があった。(笑)

〔段原から坊がつるへの下山道で〕     〔坊がつるから大船山への入り口〕

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▼膝の疲れも吹き飛び、坊ガツルから法華院への歩きが、何だか楽しくなる
 ような想いが躍動した。

▼周囲の景観に見惚れていると先輩の奥様が「白いリンドウ」と声を掛けられた
 紫紺色のリンドウの中に「白咲きのリンドウ」が目の中に飛び込んできた。
 周囲を探したが在るのはこの一株のみで・・・・大発見。
 「草原の神」からの贈り物・・・そんな感動で白咲きリンドウを魅入った。

▼五合目の道標傍で足を挫いた青年が休憩をしていた。
 挨拶を交わし分かれたが、追い越し追い越されしながら歩いて来た。
 非難小屋付近で、その青年から声かけられ「ここからの撮影は背景がよい
 ですよ・・・」と言われ、振り返ると正に山裾に迫る錦の紅葉と大船山の姿が
 視えた。
 青年が「写真撮りましょうか・・・」と言って、私達の集合写真を撮ってくれた。
 その直後に青年のリュックが横向きに傾き、カメラ機材が落ちた。被害は無
 かったようである。青年が背負っていたリュックはカメラ機材専用で沢山の用具が区分され収納されていた。こんなリュックも在る物だと関心した。

〔白のリンドウ、普通は紫紺色が多い〕                    〔坊がつるキャンプ場にて〕

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▼数名の登山者が憩うキャンプ場を通り抜け、鳴子川に「板の橋」を渡り、ス
 スキと葦(ヨシ)が茂る草原の台地、その中に伸びている木道に導かれ法華
 院温泉荘に着く。

▼一風呂浴びて、浴場テラスからの眺めは桃源郷を彷彿するような最高の気
 分のひと時であった。
 先輩との佳き思い出の・・・・・場所として残るであろうと思った。

〔鳴子川と大船山〕     〔木道を歩いて法華院へ〕            〔法華院にて浴る〕

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〔復路での坊がつる〕      〔平治岳を仰ぐ〕             〔斜陽に映える大船山〕

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▼復路は未だ歩いていない道を敢えて選び、大船林道を辿る事とした。
 広く整備された林道は何の注意も要せず、安心して快適に歩く事が出来た
 林道には背の高い落葉樹が覆い、映画のシ-ンの中を歩く想いであた。

▼だが~しかし (part 1)
  道のりは長い、大船分岐から50分位歩いて、先行を歩く男女6人の一行に
 登山口までの時間を聞くと「後1時間は掛かるでしょぅ」と言われた。
 可なりの距離を歩いてきたのに、後1時間も掛かるのかと思うと・・・・。
 気の遠くなる想いであった。
 余りにも長い林道なので・・・その一行に「何故この道を選んだのですか?」
 と尋ねると、私達が往路で歩いた吉部コ-スは「この時間になると道が暗く
 なるので」との返事であった。(ナルホド~なるほど・・・・納得)

▼だが~しかし (part 2)
 時間を尋ねた地点(鳴子川と並行して歩いていた林道を大きく蛇行して鳴る
 子川から一番遠い下り坂付近)から、実際は30分位で登山口戻った次第で
 あった。(教えた女性は気を揉んでいたようであった・・・時間の誤差)

 結局、大船分岐からは1時間20分の大船林道テクテク旅で終わった。        

〔斜陽に輝く平治岳〕  〔なるこ橋から望む紅葉〕             〔復路は大船林道をく〕    

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(2009.12.27 加筆)                

            

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