ふとしたこと

日々に気づいたことを書きます

人に酔うか写真に酔うか?

2013年04月15日 09時30分48秒 | 写真

 

昔の仲間が来日するので、それに合わせて久しぶりに新幹線に乗りました。

例によってジパング倶楽部3割引旅行です。

いっつも思うんだがなんで「のぞみ」には適用されないのか?

「ひかり」だと4時間もじっとしてなくちゃいけないので

エコノミー症候群につかまりそうだ。

年寄りを弱らせるためのジパング倶楽部ぢゃないはずなんだけどなぁ。

新幹線に乗るとすぐに眠くなってしまい

チョッと寝ては本を読み・・・

気がついたら富士山が視界から逃げていく寸前でした。

あわてて小型カメラで富士山を追いかけてやっと間に合いました。

なんだか騒がしい雰囲気だなと思ってるうちに

列車は多摩川を渡って東京都に入っておりました。

夕刻には孫とその親たちとの会食予定なんですが

それまでには時間があり過ぎる。

東京都写真美術館へ行って見たいと思ってたので

品川で降りて恵比寿まで山手線。

空港の歩く舗道と同じ仕掛けに乗っかって美術館まで。

なかなか良い雰囲気の美術館です。

恵比寿駅方面から歩いてきて降り返って見れば

長いコリドーが美しい明暗模様を描いておりました。

エッシャーの騙し絵みたいな市松のタイルが敷き詰められた廊下の右手が

美術館で、入り口に至る右手の壁は錚々たる写真で飾られています。

アンリ・カルティエ・ブレッソンが撮った?決定的瞬間の朝の抱擁

R・キャパのノルマンディ上陸作戦模様

カメラを落っことして画像がぶれてるけれど

シャッター・チャンスが構図などを上回ったものとして評価されております。

そして我が植田正治の写真などが、こんなビッグ・サイズで展示されてるんです。

この3枚見るだけでも値打ちがあります。

まだ、写真館の入場料は払ってません(笑)。

今回は・・・

コマーシャル・フォトの大家の写真展と

マリオ・ジャコメッリの白黒写真の数々を拝見しました。

免許証を出したら1,100円で二つの写真展を見せてくれました。

いやぁ~凄いものです。

コマーシャル・フォトといっても戦前の

デジカメなんか存在しなかった時代ですが。

画像処理の卓越した技量とアイデアには・・・

CS6なんかを駆使しても追いつかないほどのリタッチがなされている!!

画像へのすさまじい思い込みと揺ぎ無い自信に溢れてる。

カメラの解像度?

レンズの優秀さ?

ンなもん・・・まったく問題にしていませんな。

アマチュアの悩みとは全く次元が違うところで苦心している。

そこに写真とは何か?を理解する要点が潜んでいます。

ジャコメッリの白黒写真・・・

これもカラーなんてものを不要とする構成美と

テーマに対する迫りようには鬼気迫るものがあります。

風景写真といいながら

もはや具象の世界から抜け出してしまってる。

独特の抽象化がなされたことには頭が下がりっぱなしでした。

かたや、「老い」を語る組写真では

人間の行く末を抉り出す鋭さの前に

オイラなんか、もう、タジタジと後ずさりしそうになりました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ふらふらしながら写真館を出たら

そこには、またガ~ンと頭を殴られるような一枚の写真がありました。

余りにも有名な「歳さん」の写真です。

なんて悲しみに満ちた風貌でしょう。

この写真が撮られたのは明治2年。

土方歳三が箱館戦争で戦死する直前のものと言われております。

もはや先の見えた戦いに臨んだ彼の心中をつぶさに表現しているような

気がするではないですか?

この一枚・・・事の善悪はいざ知らず・・・

日本人としてオイラは一番ショックな写真でした。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

たかが写真

されど写真。

タイミングを捉えた写真の持つ力に打ちのめされましたね。

オイラも頑張ろう!


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
おはようございます (ナル)
2013-04-16 08:32:36
私、上野の美術館なんかを時折散策するのですが、写真には全く縁がなかったので、そういう場所さえ知りませんでした。
現代アートを展示しているMomaに行ったとき、何点か写真ありましたが、数時間で回りきれるボリュームではなく、足早に見たため、あまり記憶がないのが残念です。
お気をつけてお帰り下さいませ。
返信する
写真・・・ (ginjiro)
2013-04-16 17:54:27
シャッターさえ押せば写真は写る。カメラは光を詰め込む箱なんですね。
光の入り方はレンズの絞りとシャッター速度で決まる。
それをフィルムで記録するか、電子デバイスで記録するか。
そんな機械でも扱う人によって出てくる画像が感動を与える力が違う。
なんだか不思議な気がします。

扱う人の受けた感動をどれだけ中継して伝達できるか?

取り敢えず、シャッター押す人が感動してなくては駄目なんでしょうね。
しかし、シャッター・チャンスが一番大切と言う事になれば・・・
感動することを事前に察知してなければならないことになりますね。

風景写真など対象が留まってる割合の多いものなら
感動してる時間も長いから、
さぁてこれをどうやって料理しようかなんて考えることも出来ますが。

なんだか難しいなぁ。
返信する

コメントを投稿