時間が経つのは齢を重ねるごとに速度感を増していきますね。
思い起こせば、このブログに記事として私の腎臓腫瘍の事を書かせてもらってから、1年以上経過してしまいました。その間、世の中でも様々な事が起きたりして、私も病み上がりから様々な場所をGIXXER150と共に巡ったりしているうちに、気がついたら1年以上経ってしまいました。
今日(1月25日)は、退院してから1年目の定期検診(再発チェック)で、神奈川県立がんセンターへ行ってきました。昨年の6月には、退院後半年目の定期検診を終えてはいたのですが、今回は1年目の検診という事で、先週の水曜日に、造影剤を使用してのCT検査と血液検査、あとは尿検査を行いましたので、その結果を担当医が確認するというのが本日でした。
これは私の私見ですが、半年後の定期検診は術後の経過観察を含むもので、1年後の定期検診からは、転移や再発の有無を確認するというのが目的な様にも思えます。ガンというのは厄介なもので、細胞単位で転移していると、術後や半年程度では、目に見えた状況としては判らないのではないかと。マクロ的(視野確認等)では捉えられないミクロ的な転移がある場合、やはり時間を経過しないと確認出来ないというものなのでしょう。
私が半年後の検診の時、主治医に言われたのが、腎臓がんの場合、ガンの大きさが三センチ以下なら、その後の転移の確率が2〜3%、5センチを越えると3割は転移が確認されるという事でした。
私の腫瘍は4センチ近くあり、2~3%。でも少し微妙と言われていました。
本日、担当医からはCT画像を見せられながら「転移は確認されないから、問題無し」と診断されました。一般的に五年間、転移や再発が確認されなければ完治とするが、腎臓癌の場合、10年以上経過してから再発や転移が確認されるケースもあるので、今後も1年に1回はCT検査を受けて確認した方が良いと言われ、がんセンターでは1年以降の経過観察は地元の病院でやってもらう方針なので、今後はそちらで自分で定期的に行う様に務めて下さい、と言われました。
という事で、私は紹介元でもある大和徳洲会病院で、来年以降、定期的に検査を受ける事にしました。主治医からは「紹介状を作っておくから、都合の良い時に取りに来てください。」という事で、今回の検診は無事に終了しました。
ガンというのは厄介なもので、これから先も1年に1回は「転移・再発」を考えなければならないという病気なのですが、それでも1年間、何事もなく無事に過ごしてこれた事に、本当に家族や周囲の友人・知人には感謝の思いしかありません。
でも考えてみれば人生とは有限な時間なので、それを実感する時間が取れるという事も、考えようによっては人生にとって意味のある事なのかもしれません。
そう言えば先日、ハウンドドッグの大友康平氏が腎臓腫瘍で3月のツアーを中止するというニュースがありました。また小説家の百田尚樹氏も腎臓がんである事を公表し、先日1回目の手術を行い、来月には2回目の手術をするそうです。また私の仕事場でも、「実はガンで手術をしていた」という人もチラホラ居たりもしました。そう考えると、ガンという病気は単に恐ろしい病でもなく、年齢相応かもしれませんが、意外とありふれた病なのかもしれません。もちろん、進行期に入ってしまうと、それは恐ろしく厄介な病ではありますが、初期で発見できれば、治療法も昔とは異なり体への負担も少なく、短期間に治療を終えて社会復帰する事が出来る様になってきています。
私もまだまだ経過観察が必要な状況ですが、とりあえず「がんセンター」から地元病院に切り替わり、このガンと向き合う事で、生き方を常に意識する様になっていくのでしょう。でもそれで有意義な生き方が少しでも出来る様になれば、これからたかだか二十年程度の残りの人生を、この病によって意味のあるものにしていける様になると思えているのです。