かなり楽園

めざせ楽園。
いつか楽園。
きっと楽園。

羽のない僕は眩しさに目を細めた

2009-07-31 13:05:39 | 戯言

思いのままに空を舞う君を羨み

ときおり僕の頬をぴしゃりと打つ

君の背中のまぶしい羽を愛した



やっと側に来たとたん

目の前でぱたばた羽ばたいて

とても遠くへいってしまった



抜け落ちたたくさんの羽を残して



今はもう

羽がなくても飛べるんだね

きっと

その慰撫が忘れられない

2009-07-29 22:11:48 | 戯言

のは

くちびると指先に込められていた

やさしくてあたたかくて透明な凶器の

せい



「噛んで」

「もっと強く」



人差し指の骨を

奥歯で噛み砕いてやれなかった





のは

その程度の狂気

男の心臓をズタズタに裂いてしか

2009-07-27 01:24:39 | 戯言

捨てられぬ

不器用な女もいるのだ


もっと上手に男をあしらえれば

自分も傷つかずに済んだのに


両刃の剣を振り回すしか術がなかった

女の

研ぎ澄まされ一途であやうい心のふるえの記憶

ひんやりとした感触の愛おしさで


男の

穴だらけの心臓が

またえぐれる

逢いたくて、抱きたくて

2009-07-25 20:46:10 | 戯言
逢いたくて、抱きたくて

抱きたくて、逢いたくて

逢いたくて、抱きたくて


つのり積もってふくらみすぎた

中身を抱えてきみに逢うのは


すこしいやだ、と

その夜、感じた。

『刻舟』

2009-07-25 00:48:44 | 戯言

「愛してるよ、ずっと」

の誓いは

「やっぱ、気が変わった」

のひとことで霧散する

たぶん誰にも責任はなく

おそらく誰も責められない